航空業界は、2007年の63から1ポイント減の62ポイントで、過去最低の2001年の61ポイントに迫るほどの「顧客満足の低下」傾向です。以下は、各航空会社の指数ランキングです。
- Southwest Airlines: 79(2007年の76から2ポイント増。15年連続首位)
- American AirlinesとContinental Airlinesは同率: 62
- Delta Airlines: 60
- Northwest Airlines: 57(2007年の61から4ポイント減)
- United Airlines: 56
- US Airways: 54(2007年の61から7ポイント減)
首位のSouthwestは、昨年から3ポイントも指数が上がっており、燃料の高騰、景気後退で苦悩する航空会社の中で、相変わらず1人気を吐いている感じです。先月、DeltaとNorthwestの合併が決まり、UnitedとUS Airwaysも合併の俎上に登っていますが、米国の航空会社へのユーザの不満は、こうした業界の再編によって改善されるとは、思えません。
私は、ユナイテッドの長年の顧客でマイレージメンバーなので、頻繁にユナイテッドを使っています。航空機および機内の設備の古さや食事のひどさは、ある程度我慢できますが、フライトアテンダントのエコノミーの乗客に対するサービスの悪さは、もうあえて口にする気にならない、そういった感じです。たまに、本当に誠意を見せるフライトアテンダントがいると、それだけで嬉しくなって、その他の事はどうでも良くなります。前回の4月の日本出張の帰りに、まさにその誠意のあるまなざしと笑顔でサービスをしてくれた男性のフライトアテンダントがいました。彼は、きちんと私の目を見て、食事や飲み物を聞いてくれて、マニュアル以外の会話を、彼と交わすことが出来ました。
改めて「ユナイテッドにも、こういう人もいるんだ。結局、会社じゃなくて、人なんだな」と実感しました。この男性のフライトアテンダントは、多分私以外の多くの乗客に「良い顧客満足」を与えていると思います。企業が本当に注力しなければならないのは、顧客との「コンタクトポイント」における、1人1人の社員の「Attitude(姿勢)」です。ここで、「顧客に良い経験を提供」できたら、顧客は例え、多少時間が遅れても、機内設備や食事がひどくても、何とか我慢できるものです。
米国企業は、「顧客とのエンゲージメント」を測るために、「製品を自分の家族や友人に薦めますか?」という質問を、あらゆる顧客とのコンタクトポイントで聞きます。これは、家族や友人には、本当に気に入った製品やブランドしか薦めないという、「消費者の本音」を読み取ろうとして、使っている尺度です。
私も、長年のマイレージという特典があるのでユナイテッドを使っていますが、これから新たに航空会社のメンバーになろうとする家族や友人に、ユナイテッドを薦めるかどうか、となると、大きな「?」がアタマに浮かびます。少なくとも、あの男性のフライトアテンダントのような人が、もっと増えてくるならば、私も再考しますが、今の状態ではまだまだ難しい、と思います。