私たちがこのハロウィーンの子供たちの訪問を嫌がる理由は、単純に子供たちに「甘いもの(砂糖)」をあげる行為に、罪悪感と抵抗感を感じるからです。それでなくてもジャンクフードの食べすぎやソーダ(コークやその他の甘味飲料)の飲みすぎで、アメリカの子供たちの肥満や糖尿病は大きな社会問題化しており、そんな子供たちにさらに山ほどの「スィート」をあげることは、まるで子供たちの不健康な食生活に加担しているようで、何ともやりきれない気分になるからです。
まあ、そんな硬いことを言わずに、子供たちの大好きなコスチュームパーティなのだから、大いにサポートしなさいと言う声も聞こえてくるような気がしますが、実際にハロウィーンのビジネスは近年ますます大きくなってきています。National Retail Federationによれば、コスチューム、キャンディ、カード、パーティなど、ハロウィーンに支出される金額は50億ドル(6000億円)と言われる、巨大な産業です。ハロウィーンで最もお金が使われるのはコスチュームで、最近は子供だけでなく、まだ口もきけないベビーから始まって両親や祖父母さらにペットのコスチュームアップも盛んで、業界全体では18億2000億ドル(2184億円)の売り上げになるといわれています。
自宅から脱出した私たちは、近所の行きつけの小皿料理を出すバーHOBNOBで、ワインを飲みながら料理をつまんでいると、ひっきりなしにコスチューム姿の家族が入ってきてキャンディをもらっていましたが、そのコスチュームのお金のかけ方は遠くから見てもはっきりわかるほどの凄さでした。特に急上昇の市場でもあるペットのコスチュームはかなり凝っており、コンシューマリズム全盛の米国の豊かさ(??)を痛感しました。
ハロウィーンの起源は、カソリックの万聖節の前の晩10/31に行われる伝統行事で、諸聖人の日の旧称「All Hallows」の「eve(前夜祭)」であることから、「Halloween」と呼ばれるようになったそうですが、もともとはケルトの収穫感謝祭を、カソリックが取り入れたものです。今でもアイルランドでは、学校を休んで、ケルトの伝統的な行事(死者、精霊、魔女がたずねてくるので、仮面をかぶったり、火をたいて魔よけをする)をするということです。日本のお盆に近い感じです。米国のハロウィーンは、そんな起源がすっかり消えてしまい、コスチュームコンテスト化しているというのが、私から見たハロウィーンです。「やっぱり、これってちょっと哀しい」って感じがします。
PS: そんな私ですが、多分自分に孫が出来たら、プリンセスやエンジェルのコスチュームを着せて、写真をとっている、そんな気もします。さてさて、どうなることやら…