昨日は、上院で4100億ドル(41兆円)の政府支出予算が承認されました。ブッシュ政権から委譲された8500のEarmark(特定目的のための予算)つき政府予算は、McCain(マケイン)を中心とする共和党から、オバマの公約違反として、大きな批判を浴びています。オバマ政権はここでEarmarkを排除するために、エネルギーと時間を使うことは無駄であると判断して、そのままサインする様子です。
この続きは、無料の会員制コラム「Obama Watch:変革の時を迎えた米国社会」をご覧ください。)
昨日は、Citigroupがやっと利益を生んだというニュースで、Dow Jonesが379ポイント(=6%)増、Nasdaqも89.64ポイント(=7.1%)増、S&P500は43.07ポイント(=6.4%)増と、アップビートな1日となりました。Citigroupは、2007年第3四半期以来、初めて利益を計上するということで、先週は1ドル以下まで落ちていた株価が40セントアップして、1ドル45セントまで戻りました。私たち納税者は、すでにCitugroupの大株主として、36%のオーナーシップを持っていますので、何はともあれ、このまま利益を継続して出せるような健全な経営の回復を望むだけです。Citigroupの動きにつられたように、他の金融&銀行の株価も上がり、Bank of Americaは28%、JPMorgan Chaseは23%、Wells Fargoは18%と上昇し、潜水艦のようにひたすら沈んで浮上してこなかったウォールストリートでしたが、どうやら浮上の兆し(?)をちょっと見せました。
昨日は、上院で4100億ドル(41兆円)の政府支出予算が承認されました。ブッシュ政権から委譲された8500のEarmark(特定目的のための予算)つき政府予算は、McCain(マケイン)を中心とする共和党から、オバマの公約違反として、大きな批判を浴びています。オバマ政権はここでEarmarkを排除するために、エネルギーと時間を使うことは無駄であると判断して、そのままサインする様子です。 この続きは、無料の会員制コラム「Obama Watch:変革の時を迎えた米国社会」をご覧ください。) 稀代の株式詐欺師といえるBernard Madoffは、今日最高150年という求刑を言い渡されましたが、人間の欲望とはとんでもないものだとつくづく実感します。
防弾チョッキをコートの下に着用して、法廷を出る元Nasdaqの議長で70歳になるMadoffは、「Ponzi Schrme(ポンジースキーム)」と呼ばれる株式詐欺で、昨年逮捕されました。彼は、1980年代から逮捕されるまでの20年以上の間、4800人のクライアントを抱えて、株式詐欺史上最高の648億ドル以上の金額の詐欺を働いています。彼の株式詐欺の手法は、最高46%のリターンを投資家に約束して、虚偽の株式の売買報告をして、新規投資家のお金を既存の投資家のリターンに回し、既存の投資家がすべての投資額を引き出さない限り、延々と新規投資家を引き入れて、お金を回していくというやり方で、「Pylamid Scheme(ピラミッドスキーム)」とも呼ばれるものです。 彼自身のフィーは、一株のトレードにつき4セントをチャージするということですが、このとんでもないハイリターンを信じて、Madoffに多額の金額を預けていた投資家たちは、逮捕直後、一様に「信じられない、彼は本当に良い人のように見えた」と口にしています。騙された投資家たちの中には、スティーブン・スピルバーグのようなハリウッドのスターや監督に始まって、ファイナンシャル企業や著名人の名前も見え隠れしていますが、多くの人たちが巨額の損失をこうむったのは、言うまでもありません。 しかし、どうしてこうした富裕層は、このとんでもない「ハイリターンの株式投資」を信じたのでしょうか?過去3年間を振り返れば、住宅バブルがはじけて、米国の経済がかなり危なくなっているのは素人でもわかるリアリティです。そんな状況の中で、Madoffだけがハイリターンのプロフィットをクライアントに還元しているとしたら、どうみてもこれはおかしいと思うのが必然です。それを自分だけは大丈夫と考えたとしたら、投資家自身が「欲」に目がくらんで、現実を見る目をなくしてしまった、それが結論のような気がします。もちろん、そうじゃない人たちも多くいると思いますが、「欲」とは、多分に人の目を曇らすもので、ついつい最後のがけぷっちまで行ってしまうのかもしれません。 彼の「元Nasdaqの議長」という肩書きは、この詐欺事件で大きな影響力を持っていたと思いますし、20年以上という長期間に渡って、多くの投資家が彼の投資能力を評価していたとしたら、新規投資家はどんどん騙されて、Madoffにお金を預けることになると思います。こうした事件がおきると、一般の市民の気持ちとしては、ますます金融関係のCEOや経営者への信頼が薄れて、金融業界の安定のために、納税者のお金を救済に回す気がしなくなる、そんなことが思われます。いやでも安定化のための金融機関救済をしなければならない、オバマ政権にとっても、これは実にやりきれない、しんどい事件です。 米国は、昨日が「Daylight Saving Time (DST)」のスタートで、1時間早く時計を進めて、早くも夏時間状態に突入しました。私も長いブログレスでしたが、やっといろんなことがひと段落して、ブログの「啓蟄(大地が暖まり冬眠していた虫が穴が出て来る頃)」状態となったので、これからどんどんエントリしていきます。
こちらは雨期ですので、ずっと雨続きでしたが(カリフォルニアは雨が必要です)、週末から天気もよくなり、夫と2人で、フロントとバックヤードの手入れ(草むしり、芝刈り、木の剪定などなど)、洗面所の修理、家の大掃除、我が家の庭で咲き乱れる椿を生けて、自家製のチャードという野菜やステーキ&シーフードをグリルして、気分は主婦という感じでした(ガーデニングという格好の良い言葉ではなく、雑草との戦いです)。また懲りずに映画にも出かけて、ショーン・ペンがアカデミー主演男優賞を取った「Milk」をみて、さらに島を自転車で目いっぱい駆け巡って、太陽と潮風をエンジョイしました。 日本から戻ってきて以来、「早く人間になりたい」という言葉をつぶやいて「妖怪人間ベム」状態で、3つの原稿の締め切りと1つのプレゼンテーション、日本のスタジオで録音した私の講演のオーディオブックのレビューなどをしており、息をつく暇がありませんでした。またその間、夫は日本に出張で出かけて、すぐに戻るというあわただしさで、私は日本と、夫は東海岸、ヨーロッパ、日本という3箇所とコンファレンスコールをするため、自宅で2人ともヘッドセットをつけてしゃべることが多く、まるでコールセンター状態です。そんな旅芸人の一座のような2人ですが、週末で大分リセットして、やっと落ち着きました。夫は来週からまたしても3週間出張で家を空けるので、多分私は仕事とブログエントリにフォーカスします。 今回の日本出張では、久しぶりに日本時代の「記憶」がよみがえりました。1995年に米国に移住して以来、米国の社会・文化・言語、さらにインターネットやテクノロジー、またアントレプレナーとしてのビジネスなど、とにかく覚えなければならないことが多く、記憶のハードドライブにそんなに容量がない私は、通常は日本時代の記憶をほとんど思い出すことがありません。ところが、今回の日本出張で古巣の会社を訪れて、いきなり当時新入社員だった男性が「大柴さんには入社した最初の日に、営業局の共同使用の机をきちんと片付けていなかったことを怒られたのが非常に印象的です。学生気分の抜けなかった自分にとっては良かったと思います」と言われて、全然そんな記憶がない私はちょっと驚いてしまいました。また、今は局長ですが、新入社員当時最初に私の下に配属になり、私が彼の最初の上司だった男性は、私の姿を見るとなんとなく後ずさりするくせがあり、今回もいきなり背中を見せて逃げようとするので、「何で逃げる?」と私がからかうと、「しゃれです」と答えていました。普段、全然思い出さない記憶がこうした一連の昔の仲間に会って、よみがえり、何ともいえない懐かしさを感じました。その後、地下鉄の地下道を歩いていると、反対側のエスカレータからいきなり「大柴さんでしょう?」と、同じく古巣の会社から別の会社に移った人に声をかけられて、「どんなところでも大柴さんはすぐにわかりますよ」といわれる始末で、何ともいろんな縁がつながっていきます。 こうした経験をすると、思わず中国の「水を飲む時に、古い井戸を掘った人たちのことを忘れない」という言葉が浮かび、「そうだ、こういった昔の仲間たちが支えてくれたから、今の私に至るんだ。常にそれを思い出して感謝しないといけない」と実感しました。当時のビジネスはすべてアナログでした。まだ携帯電話もインターネットも存在しない時代で、ブログ、SNS、メール、IMといった概念すらなく、ほとんどが、F2F (Face to Face:対面)あるいは電話という手段を通じて、「人間同志が真剣につきあった時代」でした。そこには、生身の人間の感情が存在し、かなり濃密な関係論がありました。よくも悪くも、その濃密さが今とは異なるビジネスをうみだし、「信頼をベースにして、まともに怒れる関係」を構築していました。自分が、そんなアナログ時代を経て、現在のデジタル時代に移行できて、つくづく良かったと思います。アナログとデジタルの両方のPro & Con(良いところと悪いところ)を知るのは、非常に重要で、この2つの視点が欠けるとバランスを失います。 13年前に米国に移住した時は、日本とのコミュニケーションは、Faxが中心でした。米国企業の製品のPRのプロジェクトをしていた時、時差および日本の雑誌の編集者の勤務時間の関係で、彼らからのFaxがいつも米国時間の夜中過ぎになり、毎晩「ピー」というFaxの音に起されて、その返信のために、とんでもない時間に働いていたことを思い出します。今は、夫がBlackberryを枕元において、片時も話さずにメールチェックをしているのを眺めながら、Faxの「ピー」という音に起された13年前と、結果そんなに時代は変わっていないのかな?とも、思います。 3/4のNY Timesの記事で、たった44日間でObama(オバマ)大統領のヘアにグレイが目立つようになったと指摘して以来、歴代の大統領がいかに早くグレイになるかが話題となりました。確かに、3/6に発表された以下の失業者の数をみると、いかに若々しい大統領でも、苦悩やストレスははかりしれないものがあり、グレイになる理由もわかります。
2007年12月にスタートしたRecession(景気後退)において、すでに合計440万人が失業し、このうちの半分は過去4ヶ月間に起きています。失業率は、1983年以来最も高い8.1%まで上がってきており、これが二桁になる可能性は非常に高いのが現状です。ウォールストリートはオバマ政権の数々の経済政策に反抗するかのように、株価を落としており、ラジオのトークショウホストのRush Limbaughの有名な台詞「オバマ大統領が失敗することを望んでいる」に代表されるように、共和党のオバマ政権への政策批判は何が何でも反対という感じです。 共和党、メディア、専門家など、さまざまな立場の人間から批判されているオバマ政権ですが、大統領と国民のエンゲージメントに関して、以下のNBC/WSJの2/26から3/1の調査を見る限り、大きな変化は見られません。
この続きは、無料の会員制コラム「Obama Watch:変革の時を迎えた米国社会」をご覧ください。) |
大柴ひさみ日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」 Categories
All
|