5月21日から太平洋半分横断セーリングの航海に出る私ですが、ノルウェーのOpera SoftwareのCEO は、 「4日間で自社のブラウザー“Opera 8”の100万ダウンロードを達成したら、ノルウェーから米国まで泳いで大西洋を渡る」と公約して、それを実行したという記事です。私は、思わず「なんて ことを言うんだ。こういう途方もないことを公約するCEOがいる会社は、私は好きだなー」とつぶやいていました。
実際には、広報担当者のゴムボードの随行で、凍りつくオスロのフィヨルドをウェットスーツを着て泳ぎだし、2日目には挫折したCEOですが、4月19日に ダウンロード提供を開始し、60万ダウンロードを超えた21日に公約を宣言し、これがメディアに取り上げられて、大きな話題となり、4日目の23日に累計 ダウンロード数が105万件を記録したという経緯です。
この「泳ぐCEO」の話は、マーケッターの視点から見ても、非常に興味深い話で、いかに現代の人々が、Word of Mouth(WOM:口コミ)やBuzz(バズ:話題)に興味を持ち、さらにそれに直接参加したいかという欲求を良く表しています。CEOの公約は、とん でもないストーリーで、人々はこうしたとんでもないストーリーの実現に巻き込まれることを欲しており、それをバイラル化して、周囲のコミュニティに伝播す る努力を惜しみません。
最近のブログブームに代表されるように、こうしたCGM(Consumer-Generated Media)によって、generateされたストーリーは、まさにコミュニティの「Social Currency(社会的通貨)」です。いろんな通貨を手にしたいし、自分が巻き込まれるなら、とんでもない通貨がいいなと思っています。
PS: 失敗しても良いから、ベーブルースみたいに、ホームランを打つ方向をバットで指しながら、ホームラン打つ、そんな「有言実行」のAttitude(態度) が、私は好きです。いいじゃないですか、失敗しても。失敗しない人間は、成功しないから。私もなんだかんだ失敗しているから、成功への資格は十分ありま す。