1995年に結婚して以来、夫は中長期の海外滞在が多く、「明日スエーデンに飛んでくれ」と言われていきなり北欧に1ヶ月間滞在したり、プロジェクトで5ヶ月間の日本勤務とか、離れ離れの生活はしばしばありました。当時は、まだまだ海外とのコミュニケーションは電話が主体で、その後電話回線による低速インターネット接続のeメールが浸透し、さらにブロードバンドのネット接続で容量の大きな添付ファイルを付けても、大丈夫な時代となりました。そんな時代を経て、今回はスカイプによってヴィデオやIMがいとも簡単にできるので、昨日夫がネイビーブルーのTシャツを着て、夕飯に近所の定食屋で「ほっけ定食」を食べたことまで、把握できます。夫の父親から送られてきた誕生日カードはスカイプしている時にカメラで夫に見せて、彼のサインが必要な書類はスキャンして、添付ファイルでeメールします。先月、私が夫の日本のアパートメントに滞在した時は、米国の義理の娘が9ヶ月の孫をモニターの前に連れてきて、ヴィデオ・スカイプをしたくらいで、離れ離れの家族にとって、こうしたコミュニケーションの存在は重要です。
そんな中で、昨日は午前6時にTwitterがサイバーアタックによってダウンして、ビジネスおよびプライベートでTwitterに依存している人たちに、影響を与えることとなりました。オンラインネットワークのオペレーションをヘルプするNPOのPacket Clearing Houseによれば、ロシアとグルジアの間のAbkhaziaの地域からのアタックで、莫大な数のスパムメールの配信によって起きたという見方が出ています。FacebookやLiveJournalも、このアタックの影響で、昨日一日スローダウンしており、オンラインのソーシャルコミュニケーションの機能は全般的に多少麻痺したようです。
アップデイト:このアタックのターゲットは、ユーザネーム「Cyxymu」というグルジアのブロガーだと、英国のGuardianは伝えています。この34歳のブロガーは、Twitter, Facebook, LiveJounalにアカウントを持っていて、ロシアのグルジアに対する行動を批判したことが、今回のアタックを招いたとしています。本人は、Facebookにわずか175人のフレンドしかおらず、自分は著名なブロガーでもないのに、こうした攻撃の対象となったことと、その影響の大きさに驚愕しているようです。確かに、これは私も含めて、自分をごく普通のブロガーだと思っている人間にとって、政治的な考えのエントリがこうしたアタックをもたらすとしたら、怖い話です。また、食物連鎖のようなソーシャルメディアのネットワークがもたらす影響は、想像を超えて起こるんだということも実感させられる話です。
米国の企業は、Zappos、Comcast、Whole Foods Market、Best Buyのように、カスタマーサービスの一環で、Twitterを顧客と直接コミュニケートするツールとして活用している企業が目立ち始めています。昨日は、こうした企業の間で、顧客との直接的なコミュニケーションが遮断される結果となったのは想像に難くありません。各々の企業は、「新たなエンゲージメントのコミュニケーションツール」として、Twitter活用を前面に押し出していますが、ビジネスモデルがイマイチ定かでないTwitterは、まだまだネットワークのストラクチャーやセキュリティ問題は脆弱ですので、今後この辺は検討する課題となりそうです。
企業以外でこうした影響を大きく受けているのは、メディアや政治家です。先月突然アラスカ州知事を離職したSarah Palin(サラ・ペイリン)は、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアでパブリックとコミュニケーションしています。離職の時の彼女の理解しがたいスピーチと並んで、彼女のTweetは、「詩のような散文」といわれるぐらい有名で、Star Trek(スタートレック)の主演男優William Shatnerが深夜のトーク番組で朗読したぐらいです。彼女のフォロワーズはこの難解な(??)Tweetを好んでいるらしく、人気を読んでいます。