「偏見とは18歳までに身につけた常識のコレクション」
でした。みんないかに普段偏見に縛られているかが良くわかります(笑い)。また私は、大学時代から広告研究会に所属し、専攻は「マスコミュニケーションとマーケティング」、卒業後日本の広告代理店に16年間勤務、1995年からサンフランシスコシリコンバレーでインターネットの勃興から一般化に至るまでどっぷりマーケティングに使っている人間です。そんな自分にとっては、常識であるとおもっていたことが、参加者の中には聞いたことがないという現実に直面し、改めてマーケティングの歴史やナレッジの伝承をせねばと実感しました。
人間の本質は、何十年、何百年経とうと、そんなに変わらないものです。世阿弥は「能は花。すなわち観客をうれしさのためにある。花とは単なる美しさではなく、驚き、新しさ、珍しさである(出典:片平秀貴『世阿弥に学ぶ100年ブランドの本質』)」と語っています。脳科学者の茂木健一郎氏が「偶有性(定番+驚き)」と呼ぶ、脳が最も活性化しドーパミンが出て来る時に、人はうれしいと感じます。まさにそれがマーケティングにおける「花」で、この花を活ける、見立てるのがプロのマーケターの腕です。
JaM Media Sessionでは、どうしても日々戦術の中で走り舞わざるをえない方たちへ、一つの「考え方の間」を提供できればと思って、いつも違った角度からお話をさせていただいています。今回もそんな意図が参加者の方に理解されたようで、皆さん楽しく意見交換されていました。唯一不評だったのが、私の世阿弥の能を意識した当日の衣装。これは「驚き」の演出でしたが、次回は私のロゴカラーのターコイズに戻します(笑)。
セッション以外に、大阪出張や個別企業出の講演、さらに出身大学の学園祭訪問と大学時代の仲間との再会など、日本でのスケジュールは盛りだくさんで、あっという間の3週間でした。
日本では初のUstreamでの対談
ad:tech tokyoではデジタルサイネージのパネルとホリエモンこと堀江貴文氏も飛び入り出演して座った座布団を使用したちゃぶ台対談
恒例のJaM Media Sessionは、ちょっといつもと趣向を変えて、「Back to the Future:マーケティングの昨日・今日・明日」をみんなとディスカッションしました。