ひさみをめぐる冒険
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ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



グッドフライディとイースターに思うこと:「ポスト宗教」時代を迎える米国?

4/10/2009

 
今日は「Good Friday(グッドフライディ)」で、イエス・キリストが処刑された日です。あさっての日曜日は、「Easter(イースター)」で、彼が復活した日となります。イースターと言っても、教会に毎週熱心に通うタイプではない人たちは、キリストが処刑されたか、復活したとかいうことよりも、カラフルに塗られた卵やイースターバニー(ウサギ)を連想して、むしろ季節を彩る年中行事の一つとして捉える人も多いと思います。

イースターの時期に合わせるカタチで出されたNewsweekの4/8の調査と「The End of Christian America?」記事が、今、話題を呼んでいます。4/1-4/2の間に実施された調査で、米国を「キリスト教国家」と考える人が、4年前の2005年の71%から、昨年は69%に落ち、さらに現在ではそれが62%と7ポイントも落ちているというデータです。以下に興味深い数字を挙げます。

  • 米国人の生活の中で、宗教は影響力を失っている:68%(2000年は58%、1984年は39%、1962年は32%)
  • 米国人の生活の中で、宗教は影響力を増している:19%
  • 米国は「キリスト教国家である」:62%(2008年は69%)
  • 米国は「キリスト教国家ではない」:32%(2008年は26%)
  • 宗教は今の米国の問題を解決するために、すべてあるいはほとんど助けることが可能:48%(1994年は64%)
  • 宗教は米国の政治の中で大きな役割を果たす:26%(2008年は33%)
  • 宗教は米国の政治の中で大きな役割を果たさない:31%(2008年は25%)
個人レベルでは、85%の人は「宗教は非常に重要、あるいは重要である」と答えており、この数字は過去10年間で大きく変化していません。また、以下は自分自身の宗教的な描写ですが、米国人の10人のうち9人までは、何らかの宗教、あるいはスピリチュアルなものを信じています。

  • 48%:「宗教の信者である&スピリチュアルなことを信じる」
  • 30%:「スピリチュアルなことを信じるが宗教信者ではない」
  • 9%:「宗教信者でもないし、スピリチュアルなことを信じてもいない」
Newsweekの記事でも分析していますが、オバマ大統領の出現に象徴されるように、米国人の政治志向は「リベラル」にシフトしており、政治や社会問題に「宗教」を利用したり、その影響力を駆使することへの反発を感じていることを、私も日々実感します。共和党はもともとブッシュ政権に代表されるように、「evangelical(キリストを救世主と信じる熱心なプロテスタント信者)」と呼ばれる人たちをベースにした基盤を確立していましたが、以下の数字に見られるように、その基盤も民主党に1ポイントリードされて、カソリックでは33ポイント、「Secular(特定の宗派や教会に属さない人たち)」では22ポイントの大差がついています。

  • evangelical(キリストを救世主と信じる熱心なプロテスタント信者):民主党支持者(35%)vs. 共和党支持者(34%)
  • カソリック信者:民主党支持者(50%)vs. 共和党支持者(17%)
  • Seculars(特定の宗派や教会に属さない人たち): 民主党支持者(35%)vs. 共和党支持者(13%)vs. インディペンデント(44%)


こうした米国民の政治社会問題における「脱宗教意識」は、4/3のIowa(アイオワ)州の最高裁判所の判決、「同性愛者およびトランスジェンダー同士の結婚を認めないことは、州の憲法の『人権の保護と平等』に反するとして、ゲイマリッジを認める」という動きにも反映しています。今週はアイオワに続いて、Vermont(ヴァーモント)州もゲイマリッジを正式に認めることとなり、現在米国ではMassachusetts(マサチューセッツ)、Connecticut(コネチカット)を含む4つの州が認めています。オバマ大統領が2008年2月白人層が90%以上を占めるアイオワの最初の民主党予備選挙で勝利したように、コーストライン(海岸沿いの州)ではなく、米国の中心に位置するハートランドのアイオワがゲイマリッジを認めたのは、非常に大きな意味を持ちます。

今週は、オンラインに、現在American Idol(アメリカンアイドル)のトップ8に残っているAdam Lambertが男性とキスをしている写真が出回り、大騒ぎとなっています。私も彼を最初に見たときに、たぶんゲイかなと思いましたが、それがそんなに大きな意味を持つということに気がつかないくらい、メディアにゲイの人はあふれています。常に攻撃的なものの言い方で物議をかもすFox Newsのコンサーバティブなトークショウホスト、Bill O'Reillyが、番組の中で彼がゲイであるかどうかが投票に影響するか?と議論していましたが、思わず、そんなことを真剣に考える人もいるんだと実感するくらいです。私の場合は宗教からうーんと離れているので、一般的とは思えませんが、それでもFox Newsの女性キャスターは、「ゲイ云々」はミュージシャンの世界では意味がないし、Adamの歌唱力は凄いと答えているのを見て、一安心しました。

オバマ大統領も、トルコでのスピーチで、「米国は、キリスト教国家でも、ユダヤ教国家でも、イスラム教国家でもない…」と、宗教と政治を切り離して、米国を語っていました。彼自身はキリスト教の信者として、個人の宗教生活は保持していますが、パブリックとプライベートを使い分けています。「宗教」の政治的利用ほど危険なことはありません。過去の何千年の人類の歴史、あるいは現在の世界状況を見れば、「宗教を利用した政治家による戦争」ほど恐ろしいものはありません。

今日は、「グッドフライディ」です。イエス・キリストもある意味の「コミュニティオーガナイザー」でしたが、彼もきっと政治の道具に、自分の教えを信じる人たちを使うことを好まないと思います。

聖なるDalai Lama(ダライラマ)の真の力

11/30/2006

 
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11月も今日で終わりですが、今月もブログレス状態で、ブログをきちんと書いていない罪悪感で一杯です。そんな情けない私が、これだけは絶対にブログに書こうと思っていた「或るコト」を今から書きます。

それは10月28日(土)の朝、サンフランシスコ空港で起きました。その日は、日本出張のために、夫に空港まで送ってもらい、ANAのカウンターでチェックインを済ませた後、2人で朝食をとっていました。

私が中座した後テーブルに戻ると、夫は「ひさみ、あそこを見てご覧。ダライラマの一行だよ!」と叫びました。私は「そんなわけないよ。ダライラマだったら、もっと物々しい一行で、こんなパブリックが近づけるところに出てこないよ。」と反論しましたが、彼はすでに近くで見て確認したと言い切ります。その言葉につられて、私は近くまで行って、彼の顔を見ましたが、ほとんどそっくりというぐらいダライラマに似ていましたが、微妙に違う気がして、「似ているけど、本物ではない」と言い張りました。夫は「信じないのは君の勝手だけど、彼はダライラマだよ。みんな彼と会えるチャンスは2度とないから、バンバン写真を撮っているよ」という言葉を聞いて、思わず「そうか、私も写真を撮ろう」と、立ち去ろうとするチベット僧の一行のもとに駆け寄りました。

しかし、どうやっても彼の顔を撮ることはできませんでした。何度もシャッターを押すのですが、なぜか彼はあらゆる人たちによって、隠れてしまい、彼の顔の写真を一枚も撮ることができませんでした。これがその時の証拠写真です。

夫は、そんな私の悪戦苦闘を遠くで眺めながら、にやにや笑って「これがダライラマのパワーだよ。君は彼をダライラマとして信じないで、半信半疑のまま、写真を撮ろうとしたから、一枚も撮影できなかった。これで、君も彼が本物だとわかったでしょう?」と、説明していました。

確かに、これは非常に奇妙な経験です。

その後私は、ダライラマが10/28にサンフランシスコにいたかどうかを確認すべく、検索しましたが、彼が11/1に広島国際平和会議で講演している事実を突き止めましたが、成田到着は10/30でした。私が10/28にSFから出発して10/29に成田に入ったことを考えると、彼が28日SFにいた可能性は薄いと思っています。ただし、彼が10/28と10/29の2日間どこにいたかは検索できなかったので、彼が28日SFにいた可能性は決してゼロでありません。

そんなダライラマのスーパーパワーを経験した私は、彼がダライラマに選ばれた不思議な経緯や中国の弾圧を逃れるストーリーなど、さまざまな彼にまつわるストーリーをウェブサイトで読んで、改めて聖なるダライラマに感服しました。この経験は、私にダライラマとチベットを考える機会を与えらるために、起きた、そう、実感しています。やはり、彼は聖なるダライラマです。次回はきっと私でも写真が撮れるはずです。




    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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