ひさみをめぐる冒険
  • BLOG
  • About
  • Contact

ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



2008年ブログ納め:「Change & Hope(変革と希望)」を選択した米国民の覚悟

12/31/2008

 
「Real Watch:2008年米国大統領選挙」と題して、今年は大統領選挙にフォーカスして、ブログをエントリしてきました。米国も大晦日を迎えて、激動の2008年が終わろうとしています。

振り返るとこの1年は、私も含めて、多くの米国民が「熱くなった」年だったように思います。大統領を選ぶという重要な意思決定のために、多くの人たちは、真剣に様々な問題を議論し、今までは言えなかった、あるいは言いたくなかった、米国内の触れたくない問題まで、すべて遡上に載せて、意見の対立を踏まえて、「熱く」議論しました。結果は、「Change & Hope(変革と希望)」のエージェントとして、グラスルーツの人たちのサポートによる「ボトムアップ」を実践したBarack Obama(バラク・オバマ)を、44代米国大統領に選びました。

私は米国居住者として、この選択の過程を見つめてきましたが、最も驚嘆したことは、「この国は、相変わらず民主主義が機能している」という事実です。

オバマには、克服しなければならない多くの課題がありました。ケニア人の父親(黒人であること)、Hussein(フセイン)というミドルネーム(モスリムやテロリストとの関連性を疑われる)、所属教会の反愛国的(反白人)とされる Rev. Jeremiah Wright(ジェレマイア・ライト牧師)との20年間の関係など、生半可な候補者では決して克服できない課題を抱えていました。また、コミュニティ・オーガナイザー、ジュニアの上院議員として、経験と実績がないと非難された「ノーブランド」であったオバマは、過去22ヶ月間のキャンペーンで、世界中の人たちが知る「スーパーブランド」としての知名度を獲得しました。

民主党の超ブランドであるClintons(ヒラリー・クリントン上院議員+ビル・クリントン前大統領)との死闘を乗り越えて、Maverick(マーベリック:一匹狼)として無党派層にも支持されていた共和党のMcCain(マケイン)と、とんでもない熱狂を巻き起こしたSarah Palin(サラ・ペイリン)を打ち負かして、オバマは11月4日大統領に選ばれました。これはまさに民主主義が適切に機能した結果であり、「誰でも努力すれば、どんなことでもかなう」という、アメリカンドリームを、米国民および世界中の人たちに再認識させるという結果をもたらしました。

この「スピリットと情熱」を持って、新年を迎えられる、これはアメリカ、あるいは世界にとって、本当に良いことだと思います。2009年は、厳しい経済環境と戦争&紛争(イラク、アフガニスタン、パキスタン、イスラエル、パレスチナ、ロシア、グルジアなど)、環境とエネルギー問題など、あらゆる問題が存在しますが、米国民は「Change & Hope(変革と希望)」を選択した以上、問題に顔を背けず、立ち向かっていく覚悟はできていると思います。

2009年が、皆さまにとって、良い年でありますよう、心からお祈り申し上げます。


「Barack the Magic Negro」:11月4日(投票日)の米国民の選択の意味がわからない人たちの愚かさ

12/30/2008

 
今朝は、12月の消費者自信指数(Consumer Confidence Index )が発表されましたが、11月の44.7ポイントから、なんと38ポイントまで落ちてしまい、1967年からスタートした調査では最悪の指数を示しています。景気後退が始まった2007年の12月の指数は90.6ポイントであったことを考えると、大量の人員解雇や住宅価格の急激な下落など、米国の消費者は急激に自信を失っています。こんな不安な気持ちの中で新年を迎える米国消費者へ、どうやって自信を取り戻させるか?これがオバマ次期大統領の大きな課題です。

現在オバマファミリーは、ハワイでバケーション中ですが、こうした経済の悪化もさることながら、中東ではイスラエルとパレスチナの衝突は拡大しており、安全保障問題も大きく米国を揺さぶっています。オバマファミリーが借りているハウスの前には、8人の反イスラエルのプロテスターが手書きで、「Yes we can change U.S. policy toward Israel and Palestine」と書いて、米国政府のパレスチナ政策の転換を求めています。親イスラエルの米国の安全保障政策は、一朝一夕には変えられるものではなく、これは、大統領に限らず米国の政治家にとって、「パンドラの箱」を開けるようなもので、箱を開けること自体が「政治的自殺行為」に例えられています。さすがのオバマ次期大統領も、この抗議グループへのコメントは避けて、引き続きバケーションをエンジョイしているようです。アクティビストたちは、ブッシュ大統領は実質的な影響力を持たない以上、オバマは1月20日を待つまでもなく、その大統領としての影響力を行使して、何らかのコメントを出すべきだと発言しています。これは非常に微妙で難しい問題でです。

ハワイでは停電が起こり、オバマファミリーは一晩電力なしで過ごしています。その間、共和党では、「Barack the Magic Negro」事件も起きており、オバマファミリーは休まる暇もありません。共和党の次期RNC議長候補のChip Saltsmanは、RNC(Republican National Committee)のメンバーに、クリスマスギフトとしてユーモアと風刺を兼ねたと称するCD「Barack the Magic Negro」を送った事件で、多くの人たちの不興を買っています。

クリスマスという時期もさることながら、すでに次期大統領として選ばれたオバマを肴にして、こうしたCDでからかうという行為自体が馬鹿げており、いかに共和党が一般国民の意識を汲み取っていないか、という典型的な例です。これは、もともと保守派のラジオパーソナリティであるRush Limbaughが、2007年3月に、「白人のオバマサポートは人種的な罪悪感から来るものである」というLA Timesの記事をネタに、1963年のフォークソンググループPPMによる「Puff the Magic Dragon」の曲を使って皮肉った替え歌です。

ここでのポイントは、次期RNCの議長候補という倫理的にも、所属政党のリーダーたるべき人が、Limbaughのように政治的なアジテーションを常に行っている人間と同一レベルで、政治的皮肉と称して、次期大統領を人種的に揶揄した点にあります。米国民は、11月4日に人種的な壁を乗り越えて、オバマを大統領に選択しています。共和党の中に、今の時点で、まだこうした「人種差別」を助長するような時代遅れの感覚があるとしたら、これは大きな問題です。米国は、「人種的な差異を捉えて、ガタガタ言える」ほど、余裕のある経済・社会状態ではありません。こうしたニュースを聞いて、一般の人たちの印象は、「何を考えているのか?共和党は。」というのがほとんどだと思います。


あさって米国は新年を迎えますが、とにかく、Chip Saltsmanは、顔を洗って出直してくる、それしかないと、私は思います。この人は、完全にズレています。

サンタからのクリスマスプレゼント

12/27/2008

 
今日は、すでに12月27日です。24日から昨日までは、コンピュータのスイッチをきって(正直に言うと、完全には切りませんでした、最低限のメールチェックはしていました。苦労性です)、クリスマス気分を大いに味わいました。新聞には、クリスマスらしい、良い話がいくつか出ていました。

その一つは、ミネアポリスの郊外のBurnsvilleでクリスマスの2日前に起きた火災に関するストーリーです。火災で着の身着のまま逃げだした64世帯の家族は、ほとんどが低所得者世帯で、その被災者のために、匿名で100万ドル(1億円)が寄付されたという話です。火曜日に起きたアパート火災では、誰もが家財道具や衣類も持ち出せずに、近くの高校のシェルターに避難しました。赤十字や地元のボランティアによる食料や衣類の支給の支援もさることながら、高校生たちのサポートが大いに被災者を勇気付けました。高校生は自からのお金も含めて、地元のコミュニティであっという間に5000ドル(50万円)の寄付を集め、さらにブラスバンドでクリスマスの曲を演奏し、自分のクリスマスギフトを被災者にプレゼントするなど、大いにクリスマスらしい行動でコミュニティに貢献しました。匿名の100万ドル(1億円)の寄付は、そうした中で発表されたもので、被災者世帯につき1万7543ドル(175万4300円)が支給されます。この匿名の寄付以外にも合計10万ドル(1000万円)以上の寄付が集まり、さらに新しいアパートを被災者に安い家賃で提供するというアパートオーナーのオファーもでてきて、クリスマスムードは大いに高まりました。

よく日本の人に、「アメリカでは、寄付は税金控除になるので、盛んなんですよね」と言われます。確かに企業や個人も含めて正当なチャリティ行為のための寄付は、税金控除の対象となりますが、金額の限度もあり、額面どおりにすべてが控除対称になるから、みんながチャリティ行為をするというわけではありません。「コミュニティは自ら参加・貢献して構築していくもの」という考え方や、キリスト教の「富める者が貧しい者へ富を分け与える」という価値観、こうしたものが文化を形作っているので、クリスマスの時期に「匿名のサンタ」ともいうべき人たちが現れます。

今回のこのミネソタの100万ドル(1億円)の匿名寄付者もしかりですが、匿名のサンタは、多くの人員解雇の行われた自動車産業のメッカ、デトロイトにも現れました。2人の匿名の夫婦のサンタは、クリスマスの直前のデトロイトで、合計1万1000ドル(110万円)を、バスの停留所、コインランドリー、中古品ショップなどで、生活に苦しむブルーカラーの人たちに、クリスマスギフトとして、裏側に「Secret Santa(シークレット・サンタ)」と書かれた100ドル札を、配って歩いたようです。思いもよらないクリスマスプレゼントをもらって、匿名サンタの優しさに涙ぐむ、といった人たちの写真も、新聞に出ていました。深刻な経済問題で、先行きがまったく見えないデトロイトの人たちにとって、クリスマスを感じる、ちょっと良い話です。

我が家にも、実はサンタが来ていました。クリスマスの朝、いつもよりちょっと遅めに起きた私は、暖炉があるリビングルームに下りていきました。夫はいつものようにコーヒーを飲みながら新聞を読んでいましたが、私がカウチに座って、クリスマスカードやツリーでデコレーションされている暖炉を見ると、なんと2つのプレゼントがおいてありました。私は思わず、「これは何だ?」と叫ぶと、夫は笑いながら「サンタが来たんだよ」と言って、プレゼントを手渡してくれました。手に取ると、小さなカードに、「To Hisami, from Santa」と書かれており、中身は、私が前から欲しかったREIの水色のマイクロフリースのキャップとスカーフ(日本風に言うとマフラー)でした。私は夫に「なぜこれが欲しいとわかったの?」と問い詰めると、夫は「サンタは、何でも知っている。多分、彼は君のMiataの色にピッタリのドライビング用のスカーフとキャップだ、と思ったから選んだだよ」といって喜んでいました。もちろん、このプレゼントを見て、私は夫の作戦がすぐにピンと来ました。夫は以前からREIの自転車用のコンピュータを欲しがっており、先週盛んにオンラインで商品をチェックしていました。その際に、私にクリスマスプレゼントは何がいい?と聞きましたが、私は車を買ったから無駄なものは一切いりませんと答えています。そうです、彼は自分1人でクリスマスギフトを買うわけにいかず、私へのプレゼントを含めて、サンタからの2人へのプレゼントとしたようです。夫は「さてさて、僕のプレゼントは何だろう?」と言いながら、自分できれいにラップして、サンタからと書かれたカードを、私に見せながら、自転車用のコンピュータを嬉しそうに取り出しました。我が家の場合は「匿名のサンタ」の話とは大違いですが、生まれて初めて、「サンタ」と英語で書かれたクリスマスギフトをもらった私は、子供に戻ったような気分で、とても楽しくウキウキしたクリスマスを過ごしました。

使途公表の義務のないままに勝手に銀行に使われる納税者の税金「TARP」

12/23/2008

 
今日は12月23日、多くの人たちがクリスマスを家族と過ごすために、移動します。昨日、今日とエリアによっては、ひどいウィンターストームの影響で、多くの人たちが空港で足止めを食っています。今年のホリディシーズンにトラベルする人の数は以下です(出典:AAA Nothern California)。

  • 6300万人:全米で50マイル以上の距離をトラベルする人(対前年比1.4%減)
  • 860万人:カリフォルニアで、ホリディシーズンでトラベルする人(対前年比2%減)
  • 720万人:カリフォルニアで、クルマで移動する人(対前年比1.5%減)
  • 100万人:カリフォルニアで、飛行機で移動する人(対前年比6.7%減)
  • 28万人:カリフォルニアで、バス、列車、ボートで移動する人(対前年比6.4%増)

深刻な経済不況で、コストがかかるホリディシーズンのトラベル手段は、バスや列車で移動する以外は、軒並み数が減少しています。メイン州では一晩で42インチ(106.7cm)も雪が積もったということで、我が家のあるアイランドシティAlamedaの穏やかな青い空を見ると申し訳ないような気分になります。

昨日は、「TARP(Troubled Asset Relief Program:救済資金)」のお金が、直接銀行のトップエグゼクティブのベネフィットとして16億ドル(1600億円)、支払われた件で、怒りのエントリをしましたが、今日は、この支給された「納税者のお金であるTARP」の使い道をトラッキングダウンしていないことと、パブリックにこの使い道を公表するつもりはないという発言にあきれ果てています。APは、10億ドル以上のTARPを支給された21の銀行に、以下の基本的な4つの質問をしています。どの銀行も、これに明解に答えられず、また答える意志はないという結果で、この「Watch Dog(番犬)なきTARP」は、使途不明のままに使われているようです。

  1. いくらお金を使ったか?
  2. 何に使ったか?
  3. いくらセービング(貯え)にまわしたか?
  4. 残りのお金はどんな計画に使うつもりか?

  • Bank of New York Mellon:30億ドル支給されている。使途は明かさず。
  • JPMorgan Chase:250億ドル支給されている。使途は明かさず。
  • Atlanta's SunTrust Banks:35億ドル支給されている。使途は明かさず
  • Regions Financial Corp:35億ドル支給されている。使途のトラッキングをしていない。


10月3日、ブッシュ政権の圧力を受けた議会は、金融業界救済という題目に振り回されて、7000億ドル(70兆円)というオランダの経済と同規模の莫大な金額のTARP」を、「使途に関する制限や監視」をつけずに、法制化しています。これで、どこまで米国経済は救われたのか?毎日、入ってくるニュースをみる限りでは、とても経済の悪化を食い止めているとは思えません。

大恐慌の時に書かれたJohn Steinbeck(ジョン・スタインベック)のピューリツァー賞受賞の「怒りの葡萄(The Grapes of Wrath)」ではありませんが、このままでは、米国の労働者は本気で怒りはじめる、そんな気がします。


納税者の「TARP」から16億ドル(1600億円)のベネフィットをもらって自家用ジェットで飛び回る金融業界のエグゼクティブたち

12/22/2008

 
今朝は、多くのアメリカ人は、APのニュースを目にして、怒り狂っています。すでに116の銀行は、「納税者のお金であるTARP(Troubled Asset Relief Program:救済資金)」を受け取っています。それらの銀行の600人のトップエグゼクティブたちは、サラリー、ボーナス(キャッシュ)、ストックオプション、それ以外のさまざまなベネフィット(会社所有の自家用ジェット使用、 カントリークラブのメンバーシップ、自宅のセキュリティ、etc.)など、合計16億ドル(1600億円)を、2007年分の給与として受け取っており、いまだに会社所有の自家用ジェットで飛び回っているという事実です。トップエクゼクティブたちのベネフィットの平均額は、260万ドル(2億6000万円)です。今回の世界的な金融危機を招いた大きな原因の一つは、自社の短期的な利益追求のために社会的な責任を省みず、金融市場を崩壊の危険水域までリードしてきた、この600人のトップエグゼクティブたちにあります。そんな彼らのベネフィットを支払うために、税金が真っ先に使われて、政府も議会も何も干渉できないという、何とも納税者を馬鹿にした腹立たしい状況です。

この続きと詳細は、JaM Media会員制コラム「Real Watch 2008年米国大統領選挙」で、お読みください。

「ホットポテト」をオバマ次期政権に投げつけたブッシュ政権:GMとクライスラーの年越し資金は134億ドル

12/20/2008

 
どうやら、GMとChrysler(クライスラー)は、Bush(ブッシュ)政権が発表した134億ドルのローンで、年を越すようです。米国政府のみならず、カナダ政府もOntario(オンタリオ)州と一緒に、40億カナダドル(32.9億米ドル)の救済資金を、ビッグ3のカナダの子会社に貸し出すことを発表しました。しかし、このブッシュ政権の決定は、ちょうどあと1ヶ月で大統領になるObama(オバマ)次期大統領に、「Political Hot Potato(政治的なホットポテト:論議を招きセンシティブで手がけるのが困難な問題)」を投げたカタチとなり、問題を先送りにしただけの結論です。以下が、134億ドルの資金を出すための条件です。

  • UAW(米国自動車労働組合)は、2009年末までに米国の非組合員の自動車会社の社員に対抗できる給与体系や労働条件を確立する。
  • 救済資金は、自動車会社の財務の活性化に使用されなければならない。
  • 2009年3月までに自動車会社の財務が活性化されない場合は、救済資金は政府に返還されなければならない。
  • 自動車会社の経営者の給与は制限され、自家用ジェットは売却されなければならない。
  • 自動車会社は政府が財務・経理を監査することを許す。
  • 政府の救済資金は、他の負債より優先される。
  • 政府は、自動車会社の1億ドル以上のトランザクションを止める力を有する。
  • 自動車会社は、燃費向上、大気汚染減少、効率化など政府の基準に適合した自動車の生産をしなければならない。
  • UAWは、退職者の健康保険や年金などの莫大な経費を、キャッシュではなく株式で受けることを許諾しなければならない。



この続きと詳細は、JaM Media会員制コラム「Real Watch 2008年米国大統領選挙」で、お読みください。


4人目のライバルを迎えたオバマ内閣の人事はどんどん進行しています。

12/18/2008

 
先週末に140億ドルのビッグ3のBailout(救済資金案)は上院で否決されて、その後ブッシュ政権がどんな動きをするか結論が出ないまま、中途半端な状態で、ビッグ3はホリディを迎えようとしています。今朝のNY Timesの記事によれば、ブッシュ政権は「Orderly Bankruptcy(秩序のある倒産)」という言葉をほのめかしており、GM とCrysler(クライスラー)は、過去何10年に渡ってミスマネジメントを繰り返している実績から、あえて「Chapter 11(会社更生法)」に持っていく可能性を示唆しています。政府から救済資金が得られない場合、GMは今月末、クライスラーは3月にはキャッシュを使い果たすという状況下で、クライスラーは一ヶ月間の製造停止を宣言しており、米国自動車業はここにきて正念場を迎えています。

そんな中で、過去2週間で、Obama(オバマ)政権の人事は急ピッチに進んでおり、毎日新たなポストの発表があります。人選をめぐる評価は、政治的立場によって賛否両論ですが(リベラルからは、中道的でオバマが約束した変革のための人事ではないという不満があります)、全体的な印象としては、オバマが常々訴えている「Practical(実際的)」で、プロフェッショナルな人たちが指名されているので、私は好印象を持っています。昨日は、民主党予備選挙に立候補して資金不足で途中で降りた元アイオワ州知事Tom Vilsackが、「Secretary of Agriculture(農務長官)」として指名されました。彼は予備選挙中は、HIllary Clinton(ヒラリー・クリントン)のサポーターとして、Attack dog(攻撃する犬)の役割で、オバマを厳しく批判していた人です。彼は、またオータナティブなエネルギーや環境問題に真剣に取り組んできた政治家として、農家や環境保護という相対する陣営から支持される稀な人でもあります。これで、オバマ政権には、以下の4人の元ライバルが入閣し、オバマの「Team of Rivals」の戦略はどんどん実行されています。

この続きと詳細は、JaM Media会員制コラム「Real Watch 2008年米国大統領選挙」で、お読みください。

リクルートエグゼクティブエージェント主催のセミナーのご案内「2009年2月10日東京で講演します」

12/15/2008

 
日本も師走も半ばとなり、気ぜわしくなってきていると思います。米国は、先週の金曜日に米国自動車会社ビッグ3の救済資金の法案が、上院で否決されて、米国全体がどうなるんだ?と叫んだところです。週末に、ホワイトハウスが、これに手を差し伸べると思いきや、ブッシュ大統領は偽のスケジュールをマスメディアに流して、中東とアフガニスタンに飛びました。バクダッドの記者会見で、リポーターMuntadhar al-Zeidiから靴を2回投げつけらたブッシュ大統領は、2回ともこれを見事に交わし、今の靴はサイズ10だとジョークを飛ばす余裕を見せました。アラブ世界では、靴底を相手に見せることは侮蔑を現す行為ですが、逮捕されたリポーターは現在アラブ世界のヒーローとして、釈放を叫ぶデモ行進が始まっています。すでに、YuTubeには、この靴投げシーンの様々なヴィデオがアップロードおり、最後までにブッシュ大統領の行動は、多くの笑いを誘っています。

今日のご案内は、来年2月10日の私のセミナーのご案内です。リクルートエグゼクティブエージェントの主催で行われますが、経営者および経営者を目指す方のためのセミナーです。以下が詳細です。内容は、グローバルなビジネスを行うために、必要なコミュニケーションやナレッジを中心に、最近の米国のマーケティングやビジネス状況も含めて、幅広い範囲でおしゃべりします。30名限定と数に限りがありますので、ぜひお早めにお申し込みください。

経営トップセミナー2009「シリコンバレー初、グローバル人材として活躍する経営者、エグゼクティブの条件・最先端レポート」

グローバル経済の中で、その経済的・経営的国力評価を落とし続けている日本。一方で、ドラスティックな事業構造の変革や金融システム崩壊の中にありながらも、日々進化を続けている米国の経営者やエグゼクティブのワークスタイル。

今回は、30年間に渡る日米間のビジネス経験を生かして日米のマーケティング&ビジネスの橋渡しをし続けて、WEBマーケティングの最新トレンドに関するレポート、コンサルティングで業界から最も注目されているJaM Japan Marketing LLC創設者/パートナー・大柴ひさみさんが来日します。現地のトップマネジメントの現場を日々垣間見ている大柴さんだから明かせる、これからのグローバル経営者・エグゼクティブとして活躍できる人材の条件やその価値観や考え方について、特別に講演いただきます!
少人数でクロストークもいただける、またとないこの機会をぜひお見逃しないようお願いします!!

日時2009年2月10日(火)
19:00開始(開場18:30) 終了21:30予定
会場新霞が関ビル20F リクルートエグゼクティブエージェント セミナールーム参加費無料(完全予約抽選制・限定30名)参加対象経営者各位、役員クラス~リーダー職にある各位予定プログラム・経営者なら必ずおさえておきたい日米ビジネスの相違点・できるエグゼクティブはここが違う。グローバルコミュニケーションの罠とポイント・グローバル経営者なら必須のWEBリテラシー、あなたはどこまで使いこなせている?・Q&A

お墓の中のリンカーン大統領も驚いたイリノイ州知事逮捕:「オバマ上院議員の後任指名が欲しければ金を払え」と嘯いた州知事

12/10/2008

 
「シカゴの政治」といえば、「ダーティな金権政治」という悪名が全米に鳴り響いていますが、昨日そのシカゴがあるイリノイ州の民主党知事Rod Blagojevichが逮捕されたニュースは、全米を唖然とさせました。州知事は、オバマ次期大統領の後任の上院議員の席を指名する権利を有しますが、逮捕された州知事は「Pay-for Play(ポストが欲しければ金を払え)」という態度で、FBIに録音された彼の会話の中でも、最も高額を自分に支払った人間を指名すると明言しています。

米国検察官のPatrick Fitzgeraldは、イリノイ出身のリンカーン大統領の名前を出して、「The conduct would make Lincoln roll over in his grave(州知事が行なったことをリンカーンが知ったら墓の中でひっくり返ってしまう)」と表現するくらい、州知事の悪事を批判しています。すでに4500ドルの保釈金を払って釈放された知事は、ふてぶてしい態度で、「自分の言動を誰が録音しても構わない、自分は法律違反を何もしていない」発言しています。

この続きと詳細は、JaM Media会員制コラム「Real Watch 2008年米国大統領選挙」で、お読みください。

最大340億ドルの救済資金を求めて、ハイブリッド車でワシントンに向かうビッグ3のCEOたち

12/3/2008

 
政府に最大340億ドルのBailout(救済処置)を求めて、米国の3大自動車メーカーのCEOたちは、今日から始まった議会の公聴会に出席するために、今回は会社の自家用ジェット機ではなく、おのおののハイブリッド車に乗って、デトロイトからワシントンに向かって、520マイルをドライブしてきました。

  • FordのCEOのAlan Mulally
  • GMのCEOのRick Wagoner
  • ChryslerのCEOのRobert Nardelli



このハイブリッド車によるワシントン行きも、自分たちの年間給与を1ドルにするという件(救済措置を受けた場合)も、見え透いたデモンストレーションにしか思えず、一般の反応はかなり冷ややかです。CNNが昨日発表した調査では、61%はビッグ3への巨額のローンの貸し出しに「No」と言っており、53%は自動車業界への救済は米国全体の経済を救うことにならないと回答しています。3社のビジネス改善のプランも、人員解雇・工場閉鎖・ディーラーカットなど経費削減にフォーカスした改善案で、Recession(景気後退)の米国経済の中で、消費者の自動車購買に結びつく具体的な可能性は見えず、机上の空論、あるいは希望的観測としか言えない
プランです。

11月の自動車セールスは、以下の大手6社すべてがマイナス30%以上という、過去26年間で最低の売り上げとなりました。また、これはビッグ3のみならず、日本の自動車メーカーも含めれており、誰もクルマを買う余裕のない消費者と市場動向を如実に現す、最悪の月となっています。

  • クライスラー:-47%
  • ニッサン:-42%
  • GM:-41%
  • トヨタ:-34%
  • ホンダ:-32%
  • フォード:-31%

この続きと詳細は、JaM Media会員制コラム「Real Watch 2008年米国大統領選挙」で、お読みください。


<<Previous

    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

    Archives

    May 2020
    April 2020
    March 2020
    January 2020
    November 2019
    August 2019
    November 2016
    October 2016
    May 2016
    April 2016
    January 2016
    December 2015
    August 2015
    July 2015
    June 2015
    May 2015
    December 2014
    November 2014
    January 2013
    November 2012
    August 2012
    May 2012
    December 2011
    November 2011
    October 2011
    August 2011
    May 2011
    April 2011
    March 2011
    January 2011
    November 2010
    October 2010
    September 2010
    August 2010
    July 2010
    June 2010
    May 2010
    April 2010
    March 2010
    February 2010
    January 2010
    December 2009
    November 2009
    October 2009
    September 2009
    August 2009
    July 2009
    June 2009
    May 2009
    April 2009
    March 2009
    February 2009
    January 2009
    December 2008
    November 2008
    October 2008
    September 2008
    August 2008
    July 2008
    June 2008
    May 2008
    April 2008
    March 2008
    February 2008
    January 2008
    December 2007
    November 2007
    October 2007
    September 2007
    August 2007
    July 2007
    June 2007
    May 2007
    April 2007
    March 2007
    February 2007
    January 2007
    December 2006
    November 2006
    October 2006
    September 2006
    August 2006
    July 2006
    June 2006
    May 2006
    April 2006
    March 2006
    February 2006
    January 2006
    December 2005
    November 2005
    October 2005
    September 2005
    August 2005
    July 2005
    June 2005
    May 2005
    April 2005

    Categories

    All
    Book
    Business
    Culture
    Current Affairs
    Game
    Green : 環境・テクノロジー
    Healthy Life
    Influencer
    JaM Media
    Marketing
    Movie
    Music
    Obama Watch
    Online
    Politics
    Religion
    SNS
    Sports
    Technology
    Travel
    TV
    Twitter
    WOM (Word Of Mouth)

Proudly powered by Weebly