ひさみをめぐる冒険
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ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



日経Net Marketingの講演無事終了「自腹を切って参加した価値があった」というコメントいただきました

4/22/2008

 
サンフランシスコで15日から17日まで開催されていた「ad:tech(アドテック)」の視察が終わり、翌日18日に成田に向かい、21日の日経Net Marketing主催の「Executive Seminar: SNSマーケティング2.0」での基調講演に臨みました。20日(日)は、すでに送ってあった講演用のPPTの見直しで、今まさにペンシルバニアで開票されている民主党の大統領候補のBarack Obama(バラク・オバマ)の緻密なSNSの活用および、「ブランドとしてのオバマ」がどのようにして構築するかを話したくて、追加のスライド6枚を作成して、合計55枚を日経の編集部の送付しました。

私は、いつもどうやったらオーディエンスをエンターテインするかを考えており、そのためになるべく旬な話題を提供して、皆さんの好奇心や関心を満たす、これが講演の時の私の姿勢(Attitude)です。当日は、私がトップバッターで、次に「モバゲータウン」を運営するDeNAの社長南場智子さん、MySpace Japanの社長大羅淳司さん、最後はGoogle Japanの村上憲郎さんとミクシィの社長の笠原健治さんの対談という流れです。皆さん、超多忙な方たちで会場にはぎりぎりに入られるということで、セミナーの最初から最後まで(13時から17時)まで座っていたのは、講師としては私だけでした。米国の事情は詳しい私ですが、日本のSNSの実情に関しては、イマイチの私は、勉強も出来て、得した気分でした。

いつもように、「情熱」を込めて、ヴィデオを駆使して、動き回りながら、お話した講演は、どうやら皆さんを「Inspire」出来たようで、終了後の名刺交換での会話は、「非常に刺激を受けた」というコメントが多く、メールでもそのようなコメントをいただいて、サンフランシスコから来た甲斐があったと思いました。昨日は、早速オーディエンスの方が、ブログで、私の講演で感銘を受けたと書いていただいており、最後に以下の言葉があり、私も、大いに感激です。

「それにしても、世界の凄さを感じることが出来て良かったです♪
自腹を切って参加しただけの価値はありました♪」

今日もこれから、またトークをしますが、この言葉を胸に秘めて、行ってきます。

「最後のAdman(アドマン)Hal Riney」に乾杯!

4/1/2008

 
また、GMのSaturnの広告のキャッチコピー「different kind of company」も忘れがたいフレーズで、サターンはこのキャンペーンによって、大型車全盛の米国自動車市場で独特なポジショニングを確立しました。

彼は、また多くの優秀なクリエイターを育てています。彼のもとで学んだJeff GoodbyとRich Silversteinは、1983年サンフランシスコに自分たちのクリエイティブハウス「Goodby, Silverstein & Partners 」を立ち上げるために、Rineyに別れを告げました。彼は、若い2人のクリエイターに、こんなはなむけの言葉を贈ったそうです。

「If you fellas get tired of making your own coffee over there, you should call me up.」

この言葉を目にして、私も思わずジーンと来てしまいました。

20世紀にマジソンアベニューで確立された「広告」の世界は、21世紀に入って大きく変わりつつあります。CGM (Consumer Generated Media:消費者創出メディアやコンテンツ) 、UGC(User Generated Content:ユーザ創出コンテンツ)といった言葉が、普通に語られ、ブログやソーシャルネットワークで、人々は、ブランドや製品についての「WOM (Word of Mouth:クチコミ)」をして、マーケティングのドライバーズシートには消費者が座っています。アマチュアCMコンテストでトップに選ばれたCMは、スーパーボウルでそれがオンエアされて、「誰でも一生のうち15分間だけは名声が得られる(アンディ・ウォーホールの言葉)」時代でもあります。

そんなアマチュア全盛時代だからこそ、逆に本当のプロが作り上げるクオリティの高い広告キャンペーンが、正しいターゲットオーディエンスと「感情的にコネクト」できたら、かなりの確立で、そのキャンペーンは成功するはずです。そのためには、ターゲットオーディエンスの本音を探る努力とエネルギーが必要で、手間はかかりますが、そのツールやプラットフォームはオンライン・オフラインを問わず、現在は入手可能です。ターゲットの本音の部分がわかれば、どんなメッセージを伝えればいいのか、おのずとわかってくると思います。

私のように、職業柄、広告に対してシニカルな見方をする人間でさえ、時々「うん、わかる、わかる」をつぶやくような広告を見かける時があります。この「うん、うん、わかる」、そんな広告をもっと見たいなと思います。

PS: 私もサンフランシスコの広告代理店に勤務したことのある人間です。改めて、今日はHal Rineyの広告に乾杯、そんな気分です。

おととい、やっと3月末納品の調査レポートを日本に送って、ちょっと一息ついています。朝から、仕事部屋を片付けて、ちょっと気持ちがすっきりしました。今週からは、また2つのコラムと、4/21の日経の講演の原稿の準備に追われますが、まずは閑話休題です。

先週は、サンフランシスコを代表するAdman(アドマン:こういうクラシックな言い方で広告業界の人を表現するのは、彼が最後という気がします)、Hal Rineyが、75歳で亡くなりました。米国の広告業界は、マジソンアベニューのあるニューヨーク、東海岸を中心に発達しましたが、サンフランシスコを拠点としたRineyは、新たなウエストコーストスタイルとも言うべき、新しいクリエイティブを米国広告業界にもたらしました。50年間におよぶ彼のクリエイティブの世界は、明日を信じるアメリカ的なオプティミズムと飾り気のなさ、さらにロマンを感じさせるスタイルで、数々の名作を世に送り出しています。

そん中でも特に記憶に残るのは、1984年のレーガン大統領の再選キャンペーンの60秒のTVCM「It's Morning Again in America」です。当時アメリカはかなり国としての自信を失いかけていた時で、このCMは新たに人々に希望を与えて、レーガンすなわちアメリカをもう一度信じようと思わせた有名な広告キャンペーンです。

ドルは下がり、ガソリンと卵の値段が上がる日々

4/1/2008

 
私は日々コラムやレポートを書いていることが多く、その度に必ず計算しなければならないのが、ドルの円換算です。以下は、Yahoo Financeの2007年5月から2008年3月末までのドルと円の換算表です。見てください、一時期は125円近かったドルは、現在100円まで落ちており、米国国経済の弱さを露呈しています(ただし、1ドル=100円となったので、計算は簡単になりました…)。



日本出張が多い私は、しょっちゅうドルを円に変えており、このドルの価値の下落は本当に痛いものです。また、こうしたドルの弱さと並行するように、米国内のガソリン価格が高騰しており、自宅の近くで給油すると、現在1ガロン3.9ドル近い値段となり、満タンにすると40ドル近い金額を払うことになります。1ヶ月ぐらい前ですが、ブッシュ大統領が記者に、「1ガロン5ドルになると予想されているが、これをどう思うか?」と質問された時に、大統領は「Really! It's interesting.」と答えて、多くの人から怒りを買ったのを思い出します。1ガロン5ドルは、確かに米国人にとって悪夢です。こうした物価の上昇の実感は、身近なところでは、「物価の優等生」といわれる卵の価格にも響いており、今まで安い時は1ダース、1ドル20セントで買えたのが、すでに2倍以上に跳ね上がっています。

米国はすでに気分は、完全に「Recession(景気後退)」に入っており、現在政府のいろんな刺激浮揚策(1人に付600ドルの税金の払い戻し)や、サブプライムローン住宅問題によって自宅を失うことになった人たちへの救済措置等を行っていますが、焼け石に水、あるいは対策が後手後手に回っています。そんな中で、3/27、サブプライム住宅ローンがらみの不適切な投資の損失で倒産寸前になった証券大手会社のBear Stearnsの会長James Cayneが、自身の保有している566万株をすべて売却して、6100万ドル(61億円)の現金を手にしたというニュースを耳にしました。

これって、「ふざけんじゃない!」という言葉以外に何ものでもありません。政府は、Bear Stearnsに緊急支援措置として、290億ドル(2兆9000億円)の借入保証を入れており、それってすべて私たちの税金から払われているものです。この政府の援助がなければ、彼の保有する株価は、ゼロに等しく、これは私たちの税金が、ストレートに彼に現金としてプレゼントされたという図式になります。米国の納税の締め切りは4月15日です。私たちは、それまでに2007年分の税金を払わなければなりません。毎年この時期は、我が家は出費を切り詰めて、家計をやりくりして支払っており、4月は本当に気が重い月です。そんな時にこんな馬鹿げた税金の行き先を見ると、怒るより、むしろ哀しい気がします。

富の偏在を受け入れている、これが米国のリアリティですが、格差はますます広がる、そんな気がします。

    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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