ひさみをめぐる冒険
  • BLOG
  • About
  • Contact

ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



タイガー・ウッズの事故、ホワイトハウスのディナーに現れたParty Crashersなど、何かと話題が多かった今年のBlack Friday。

11/28/2009

 
昨日のBlack Fridayは、朝から快晴と思いきや途中から物凄い雨が降ってきて、いろんなニュースが飛び交って話題の多い日でした。米国の年中行事であるホリディショッピングの幕開けで、深夜12時から店を開けたToys R Usに始まって午前2時3時4時と早朝からオープンした店に並んだショッパーたちの熱気で、盛り上がったみたいです。ソーシャルメディアを駆使した小売店は、Facebookのファンになると獲得できる特別なディスカウントやTwitterからのTweetでフォロワーズに昨日の特別なディールをリークするなど、ソーシャルメディア活用によるホリディショッピングは盛り上がっています。

そんなBlack Fridayの早朝ショッピングに出かけるために、午前2時25分にTiger Woods(タイガー・ウッズ)は自宅を出たとは思えませんが、彼はこの深夜自宅前でクルマの事故を起こして、病院に運ばれています。最初はシリアスな怪我という報道もでていましたが、その後、軽症で自宅に戻ったということで、ファンおよびゴルフ関係者はホッと一息ついたようです。ただし、その後はこの事件は様々な噂を伴って迷走し始めています。当初警察の発表では、アルコールは絡んでおらず、タイガーは自宅そばで衝突した際に、妻がゴルフクラブでクルマの窓を叩き壊して、彼を救出したと報道されていました。ところ、すぐにゴシップサイトがタイガーの浮気による夫婦喧嘩が原因で、ウッズの妻は彼を助けるためにゴルフクラブを持ち出したのではなく、彼が口論の末にクルマで外出する後を追って、クラブでクルマを叩き始めたために、タイガーが運転を誤ったという報道がでています。すでに妻は警察への事情説明の話を変えているということなので、まだ真相は良くわかりませんが、深夜2時にクルマで出かけるということ自体、何か尋常ではないことが起きたのは推察できます。

昨日はまたホワイトハウスのシークレットサービスは、Sate Dinnerの「招かれざる客」であったMichaele SalahiとTareq Salahiの2人のカップルが警備をかいくぐって晩餐会に出席して、大統領夫妻に挨拶までしたことを確認し、職務上恥ずべきコトとして失敗を認めています。2人はオバマ政権の初の重要なパーティの「Party Crashers(招待されていない人が何食わぬ顔でパーティに参加して飲食する)」となり、MichaeleはすでにFacebookにSate Dinnerの写真まで載せています。今のところ、犯罪になる可能性は低いということですが、 オバマ政権およびシークレットサービスにとってはとんでもない汚点で、インド首相夫妻との友好を深めて成功した晩餐会という評価を落とす結果となっています。特に米国の要人が集ったホワイトハウスに、Party Crasherが入れるということは、その警備に大きな問題があるということで、大統領の生命の危険も含めて、非常にまずい事態です。

さらにこの2人は、ケーブルTVのBravoの新しいリアリティTV番組「The Real Housewives of D.C.」の出演準備をしていて、カメラを回していたと報道されており、またしてもメディアカバレッジやPRのための演出ということにもなり、ますます低下する米国のモラルの酷さを実感します。「Balloon Boy(バルーンボーイ)」と呼ばれて、息子が気球に乗ったと警察に虚偽の通報してパブリティ効果を狙ったリアリティTV関係者の事件も含めて、最近の「15分間の名声」を求める人たちが巻き起こす事件はちょっと度を越えています。

しかし、Black Fridayは、まずまずの滑り出して、小売業にとっては、幸先の良いホリディショッピングの幕開けです。消費者もちょっとの間は厳しい経済環境を忘れて、買い物を楽しむ余裕が出てきたようです。

Happy Thanksgiving!:明日はBlack Friday。米国経済の70%を占める個人消費はどこまで回復するかしら?

11/26/2009

 
おとといは、オバマ政権初のSate Dinnerがホワイトハウスで行われ、米国の軍事外交上非常に重要な意味を持つインド首相夫妻が招待されました。フォーストレディは、この晩餐会の前に、State Dinnerの重要性と歴史的な意味を、White House Leadership and Mentoring Programの若い女性たちを招いて、説明しています。
時々、ちょっと首を傾げるようなファッションもありますが、常にオケージョンを考えて、自分の個性を表現しようとするファーストレディMichelleのチャンレンジ精神は、既成概念にとらわれない前向きな姿勢として、私は評価します。彼女は良く同じ服を着ていると非難されていますが、厳しい経済状況下でいつも新しい服を着ていたら、私は逆に彼女の常識を疑います(晩餐会の前に来ていた白いカーディガンは以前も着たことがあるJ Crewのものです)。

さてさて、肝心の米国の一般市民の感謝祭とホリディショッピングはどうか?米国経済は、その70%を個人消費に依存しています。さらにその個人消費は、あすの「Black Friday(小売業を黒字にする金曜日とう意味)」から始まるホリディショッピングによって左右されるので、米国企業の明日以降への期待は非常に大きいものがあります。昨年はNational Retail Federationが1992年にトラッキングを始めて以来、初めて前年比3.4%減という落ち込みを記録して、惨めなホリディ商戦となりました。今年は「セールスが対前年を割らないで、フラットならば良しとする」という見方があり、昨年並みの4420億ドル(44兆2000億円)になると予測されています。

また、逆の見方では、長い「景気後退」という厳しい環境下で消費者マインドも我慢をするコトに疲れてきて、今年は消費に走るという楽観的な見方もあります。ただし、問題は失業率に歯止めがかかるかどうかということがポイントで、全米レベルで二桁の失業率の米国では、多くの人たちは長い間仕事が見つからず、仕事がある人たちもいつレイオフされるかという不安の元で生活しており、理的に消費するマインドになれないということも言えます。

ただし、今日は人々が家族揃って食卓につけるコトを感謝する日です。いろんな暗い話題は横において、家族と楽しく過ごす、あるいは恵まれない人たちへのチャリティやボランティアワークするという話題も目に付きます。サンフランシスコクロニクルにでていた今朝の記事では、なんとHells Angelsのメンバーが、ホームレスをサポートする団体St. Anthony Foundationのダイニングルームで、七面鳥のディッシュの準備をしているボランティア活動が掲載されていました。私も10年前に、この団体の様々な社会貢献のプログラムを取材したことがありますが、あのダイニングルームにヘルスエンジェルスの革ジャンを着たメンバーが一生懸命七面鳥を切り分けている姿は、やはり感謝祭ならでは光景です。

それでは、私も七面鳥を食べに出かけます。Happy Thanksgiving!

インド首相夫妻に敬意を表す、料理やデコレーション、音楽も大いに注目されましたが、最も話題となったのが、ファーストレディが着た、インド系アメリカ人のデザイナーNaeem Khanによるガウンです。招待客はサリー姿が目立ちましたが、ファーストレディのゴールドのガウンは、鍛え抜かれた彼女の有名な二の腕と背中とのコントラストで、エレガントで非常によく似合っていました。

昨日は、私の誕生日でした。ソーシャルメディアを使って、何人かの旧友から「おめでとう」の言葉が届き、普段滅多に思い出さない懐かしい記憶が蘇り、思わず感傷にふけりました。誕生日は「Just number(単なる数字に過ぎない)」という言葉もありますが、年に一度自分の人生を振りかえる重要な日なのかもしれません。

米国は今日がThanksgiving(感謝祭)です。七面鳥の受難の日ですが、昨日はオバマ大統領が正式にホワイトハウスに届けられた45パウンドのCourageという名前の七面鳥のPardon(免罪)を行い、Courageはこの受難の日に他の七面鳥とは違って、ディズニーランドに送られる、ラッキーな鳥です。

なぜか、突然ブログが公開できるようになりました。

11/18/2009

 
昨日書き上げたブログがなぜか公開できず、その哀しい想いをTweetして、眠りました。そのTweetを読んでくれた知人が、早速今朝心配して、私にメールしてきてくれました。腰痛に悩まされて、しんどい中での、こういう迅速で暖かいサポートは、本当にありがたく、ブログやTweetを読んでくれていることに感謝します。

3週間、腰痛と戦っている私は、いかに身体が不自由だと、すべてがしんどくなるかを実感しています。日頃自分の健康に自信を持っていますが、今回は改めて身体が不自由な方の気持ちを考える、良い機会となりました。

早く、この腰痛を治して、元気にJazzerciseや自転車に乗りたいです。

ブログが公開できない!悩み

11/18/2009

 
何かが起きたのか、ブログが公開できません。困りました。


メディアカーニバル:サラ・ペイリンへのメディアのObsession(執りつかれること)

11/17/2009

 
Obama(オバマ)大統領への9日間のアジア訪問の間、米国のメディアは、Michal Jackson(マイケル・ジャクソン)死亡以来の大騒ぎで、Sarah Palinの(サラ・ペイリン)の回顧録「Going Rogue」を、夢中で報道しています。私も先週何度かTweetしましたが、ペイリンがアラスカ州知事を任期途中で突然辞めた最も大きな理由は、50万ドル(5000万円)にも膨れ上がった莫大な訴訟費用を払うためです。州知事の権力によってプレッシャーをかけて、彼女の義理の兄弟でにあたる州の警察官を辞めさせた「Troopergate」は、結果として、ペイリンを最も手っ取り早くお金を稼ぐ方法である「回顧録」の出版へと走らせました。

この書籍出版に伴うペイリンの「Book Tour(書籍のプロモーションツアー)」は、共和党と民主党の激戦区と呼ばれる州で、彼女のコアのファンが住む田舎のタウンが選ばれており、2012年の大統領選挙に向けた野心が明解に見えます。こうしたエリアには、彼女が「Real American(本当のアメリカ人)??」と表現する、多くのアンチエリートの考えを持つペイリンの熱狂的なファンが住んでいます。彼女の回顧録をすでに読んだ政治評論家やメディアは、「書籍には一切政策に関わる論議はなく、ひたすら自分がリベラルなメディアとマケインのキャンペーンスタッフにいじめられたという苦情」に終始しているというコメントが目立ちます。マケインキャンペーンのアドバイザーSchmidtは、ペイリンの敵として書籍で非難されていますが、彼に言わせると「これは完全なフィクション」ということで、すでに書籍の「事実チェック」がドンドンオンラインに流れています。

私が驚いたのは、ペイリンのKatie Couricへの恨み言です。Couricの有名な「どんな新聞を読んでいるか?」の質問に、彼女は答えられませんでした。この1件で当時、多くの人たちが彼女のインテレクチュアルな能力を疑うという結果をもたらしましたが、ペイリンはこのインタビューが今でも許せないらしく、書籍の中でもCouricへの非難を繰り返しているようです。また、ペイリンは、書籍販売のためにメディアカバレッジが欲しいので、TV番組でも著名人からのインタビューに応じています。Oprahとのインタビューでも、義理の息子になるはずだった「Levi(ペイリンとは険悪な対立をしています)を感謝祭のディナーに招くか?」という質問にもギクッとした表情で答えをクリアにしていません。Barbara Waltersのインタビューでは、オバマ大統領は10点満点のうち4点で、経済・軍事など決断が明解でなくて良い仕事をしていないと非難しています。

ABC News/Washington Postの調査(11月12日から15日)では、「ペイリンは大統領としての資格があるか?」という質問に対して、

  • 38%:資格がある
  • 60%:資格がないという結果がでています。私が驚いたのは、40%近くの人が、彼女は大統領としての資格があると思っていることです。彼女の人生は(若くして州知事に当選、ダウン症児の出産、高校生の娘の妊娠、副大統領候補として全米レベルの脚光を浴びる、大統領選の敗退)は、まるでソープドラマあるいはパルプフィクションみたいで、多くの人たちにもっと知りたいと思わせる磁石を持っています。彼女は、州知事を辞任してから、あえて論議を招くような発言を「Facebook」を使って、どんどんディストリビュートしています。彼女が嫌うリベラル寄りのメディアを介さずに、彼女は率直に(時には意味不明)、直接ファンとエンゲージしており、すでに100万人のファン(サポーター)がいます。彼女は、経済状況の悪化によって、アンチワシントン、アンチ政府という気持ちになっているアメリカ人の怒りのWave(波)にうまく乗っており、正式なプレス会見やリリースという従来のやり方をとらない分、彼女のファンはより熱狂しているようです。

  • 問題は、すべてのエスタブリッシュメントに反対しているペイリンが、どこまで米国大統領として、どちらの政党にも属さないインディペンデントの人たちを満足させる政策がもてるかどうかで、これが出来なければ、彼女の2012年の可能性は薄くなると思います。すべてにわたってあまりにも優等生的なオバマファミリーと比較して、ペイリンの家族は「Disfunctional family(機能していない家族)」と呼ばれて、現実の米国の家族のリアリティを投影しています。上述の38%のペイリンを大統領として認める人たちの気持ちの中には、この機能不全の家族を持つペイリンに、自分たちの苦悩を重ね合わせているのかもしれません。

    しかし、彼女の敵であるされたメディアは、「ちょっとカーニバル状態」で、もっと沈静化すべきだと思いますが、「おいしい赤い肉を与えられたライオン」のように、視聴率をとりたいメディアのペイリンへの熱狂はどうやら中々止まらないようです。

  • ブラックユーモアたっぷりの「図式化されたソーシャルメディア」

    11/9/2009

     
    今日、おかしく1人で笑っていたのは、ダイアグラムを使った皮肉なメッセージです。HuffingtonPostにアップロードされた図式化されたさまざまなメッセージは、ユーザの投票で、ランキングされています。

    私が選んだのは、現在第2位の「Social Media Venn Diagram」で、ソーシャルメディアをブラックユーモアを交えて、図式化したものです。

    FacebookとMySpaceとTwitterとTweetTalk(投稿や会話)を使った図式のキーワードは、以下の3つです。
    • ナルシズム
    • ストーキング
    • ADHD(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder:注意欠陥・多動性障害)
    これはかなり皮肉な図式ですが、この3つの言葉で、この3つのサイトの関係論を何となく納得してしまうのが気になるところです(笑)。

    この図式をプリントしたTシャツは、19.95ドルでオンラインで販売されています。これを着て出かける人は、かなりの強心臓か、あるいはブラックユーモアが好きな人だと思います。こうしたTシャツを扱っているDespairWearのタッグラインがおかしいです。

    "Clothes make the man. These clothes make the man sad."

    このソーシャルメディアの図形以外に、かなり笑える図形がHuffingtonPostのサイトに挙がっているので、ぜひ見てください。


    オバマ大統領の「Accountability(説明責任)」の測定基準:日々色濃くなる目の下のクマとグレイヘア

    11/7/2009

     
    Obama(オバマ)大統領の仕事に関する国民の支持率のカーブを見ると、大統領陣営は現在薄氷を踏む思いで、さまざまな難問に立ち向かっていると思います。以下は、Pollster.comによる大統領の仕事全般に関する各種調査のアグリゲーションの数字で、「50.3%は認める」、「45.4%は認めない」ということで、何とか過半数の支持を取り付けています。ただし、同調査でヘルケアに関する数字を見ると、すでに46.2%は認めない、44.5%は認めると、不支持が上回る結果となっています。


    おとといは、テキサスの陸軍基地で米国史上最悪の現役軍人の精神科医による大量射殺事件(13人を射殺、30人が重傷)が起こり、昨日は10月の失業率がとうとう10.2%と二桁に達する(1983年以来26年ぶりの高率)という、しんどい状況です。大統領は、この大量射殺事件のメモリアルの出席のために12日の訪米予定が1日延びて13日(金)になりました。

    ヘルスケア法案に反対するコンサーバティブな人たちの怒りの声は高まっており、バージニアとニュージャージーでは、民主党の州知事は共和党に敗北を喫し、アフガン増兵問題の結論は火急を要しており、今日は懸案のヘルスケア法案の投票が議会で行われています。

    つくづく思いますが、まさに大統領とは過酷な職務です。様々な内外の問題に関して、逐次、タイムリーに決断していかなければならず、結果の良し悪しに関わらず、すべての責任を迫られます。オバマ大統領は、アフガン戦争、イラク戦争、大恐慌以来の経済危機&景気後退という、「前政権の負の遺産の相続者」です。焦点の的のヘルスケアにしても、ルーズベルト大統領以来、歴代大統領が先送りにしてきた困難な問題が、米国の屋台骨を壊すほどすべての面に悪影響を及ぼしているというリアリティを直視して、それを自分の任期中に解決するという困難な道を選んだ結果です。大統領は今日、議会でヘルスケア法案がなぜ今米国に必要かというスピーチを行いました。

    「Accountability(説明責任)」:この言葉が象徴するかのように、大統領の目の下のクマは日々色濃くなっており、それとは反対に髪の毛のグレイがますますめだってきています。


    選挙戦のセールスピッチと異なり、一つ一つ難問を具体的に解決していかなければならないのが現役の大統領の仕事です。大統領に対する批判は、右からも左からも巻き起こっていて、当然と言えば当然ですが、オバマ政権の「米国民をUnite(ユナイト)させる」というゴールの実現の難しさを実感します。

    「Instant Grafitication(瞬間的な満足や報酬)」、この言葉が今の米国社会を象徴していますが、「時間を要することも世の中にある」という考え方を、多く人たちは思い出すべきです。

    私が個人的に大統領に感心することは、大統領はもちろん疲れは見えますが、相変わらず「Cool as a cucumber(英語の言い回し:キューリのように冷静)」で、決して感情的なリアクションを起こさない点です。この過酷な状況下で、「米国の「Commander in Chief(最高司令官)」として、世界最大の責任を有するオバマ大統領は、私や家族の命に関わる「下駄を預ける」には、やはり最適だと思います。リアクション型の共和党大統領候補者のMcCain(マケイン)とPalin(ペイリン)が、もし今政権担当者だったら、私は枕を高くして寝ていられないと思います。

    毎日さまざまな「決断」をし続けなければならない最高責任者としての大統領の仕事、私だったら無責任で理不尽な非難に対して「やってられないよ」と言いたくとなると思いますが、何も言わず黙々と仕事をする、Hard Workingな大統領に、私はひたすら感謝しています。

    「Fujitsu North America Technology Forum 2009」に行ってきました。

    11/5/2009

     
    私は日々の仕事の中で、多くの時間を検索に費やしており、先ほど紹介した「プロセスのスパゲッテイ」で、私の日々のワークを視覚化すると、とんでもないほど検索ページを行ったり来たりしている図柄が描けると思います。それぐらいに、現在の検索結果は「Human-Centric(人間中心)」ではなく、「アルゴリズム中心」で人間の思考回路から離れた結果をもたらしていると思います。それをもっと自分が欲しいと思う情報を、分かりやすく整理して、より簡単にナビゲートできるようにするという「人間寄り」な考え方で開発された技術です。富士通はこの「Human-Centric」という考え方に基づいた技術開発をテーマの一つとして、重要視しており、これは、私も大いに共感します。テクノロジーに振り回されるではなく、「テクノロジーを使って生活をより楽しくする」、これが21世紀の「人間とテクノロジーの関係論」です。Xurchは、日々の仕事でも便利で役立ちそうなので、是非使ってみたいと思います。

    普段は中々テクノロジーのフォーラムに行く気が起きない私ですが、今回はFLAの皆さんと事前にF2Fでお目にかかって、いろんな話を率直にして、皆さんがフレンドリーでなおかつマーケターの気持ちを理解されているようなので、フォーラムに出かける気になりました。米国でも、技術者とマーケターはお互いに中々相手を理解できず、良いチームワークが取れない場合が多く、そうした場合往々にして、その企業の技術はビジネスに結びつきません。技術者とマーケターはお互いを尊敬して、雑談も含めてさまざまな「会話」を常にし続けることが重要です。異なる発想の者同士の「会話」の中には、普段気がつかない思わぬヒントが隠されていて、それが「宝物」になる場合もあります。私も昨日の余韻が残っているのか、普段得られない刺激をもとに、もう一度自分の仕事や生活を考えてみよう、今はかなりポジティブな気分です。

    PS: ちなみに、昨日は年齢や所属の部署や会社に関わらず、「Ph.D」の敬称の方が多く、改めて自分がいつもと違う畑に来ているのを実感しました。そんな中で、若い工学博士の方は、私のブログのファンですと名刺持参でご挨拶に来られて、結構ほっとしました。

    昨日は、シリコンバレーのSunnyvaleにあるFujitsu Laboratories of America(FLA: 富士通アメリカの研究所)主催のテクノロジーのフォーラム「Fujitsu North America Technology Forum 2009」に参加してきました。朝の9時から夜の8時過ぎまで、シリコンバレーのネットワークを兼ねた濃厚なフォーラムで、アジェンダはPDFで見られますが、新たなテクノロジーの可能性に、久しぶりに大いに刺激を受けてきました。

    毎年開催されているこのFLAのフォーラムは、ホテルとか特別な会場を使わずに、「Open House」形式で、自社の社屋の会議室やカフェテリアを利用して、外部のさまざまなお客さん(VC、アカデミック、技術者、マーケター(私たちみたいなNot technologyの人も含む)を招いて、リラックスしたオープンな雰囲気が特徴です。今年のテーマは、「Innovation for Sustainability」。冒頭のPresidentの松本均さんのご挨拶でも、以下の3つの「P」がボトムラインとして非常に重要で、ビジネスは「よりクリーン、よりグリーン、より無駄のない」ものであるべきだと説明されていました。
    • Planet (Environment)
    • People (Social)
    • Profit (Economic)
    私が気に入ったキーワードは、「Our health is our wealth」で、これには大いに納得しました。

    その後は富士通研究所の村野社長、Fujitsu AmericaのSVPのMcCormackさん、富士通研究所のSVPの津田さん、SVPの上原さんと4人の方の基調講演が続き、富士通のビジネスとテクノロジーの概観、および今日のフォーラムの見どころを、話されていました。もちろんすべて英語によるスピーチですが、みなさん自然に英語を話されている感じで、外国人の英語(アクセント)に慣れているシリコンバレーの聴衆にとっても、聞きやすかったのではないかと思います。基調講演を聴きながら、初めて富士通の環境の取り組みの大きさに驚き(残念ながら、今まではほとんどこの点に気がつきませんでした)、「Green Policy 2020」という長期的なコミットメントは、カスタマーおよび社会に対して、さまざまな角度から「よりグリーン」にするために、技術・サービス・製品の開発によって貢献するという大目標が掲げられていました。実際に具体的な数値や事例を示しながら、現在進行中のものを説明されていたので、真剣度は実感できました。ただし、これは21世紀の企業としては、ある意味では必須の要件で、さまざまな企業がこれに類似したことを主張しており、「言うは易く行なうは難し」の例え通り、達成するのには多大な企業努力も必要で、今後どこまで実施展開していくのか見つめていきたいと思います。

    ランチブレイクでは、「Technology Show Cases」ということで、最新の技術や製品を、実際の担当者の説明を受けながら視察しました。ユニークな発想の興味深い技術や製品のショウケースの概略は、このPDFで見られます。私が面白いと思ったのは、「Visualization」を活用して、ビジネスの効率化を図る「Business Process Visualization and Analysis Technology」です。基調講演でも、事例として「Approval(許可)」を得るためのプロセスを分析した結果、ある会社では4726のフロー(ユニークなフローの数は809件)があり、ある会社は1万8481のフロー(ユニークなフローは8942件)があり、それを実際に「Process Spaghetti(絡まりあったスパゲッテイのようなプロセス)」としてヴィジュアルで見せられました。まさに開いた口がふさがらないという図柄です。こうした普段は隠れて見えないプロセスのスパゲッテイを目で見ることによって、推測ではなく「視覚的な証拠」によってリアリティに接し、その効率化の急務を実感して、最適化が図れるという技術です。私は個人的にこれに一番惹かれました。ビジネスの効率化や最適化で、最も重要なことは古い言い方ですが、「適材適所」です。雇用している社員1人1人を最適な職務に就けて最も効率的に働けるような環境をつくりあげることは、企業の責務です。また、それが出来ないと「不適材不適所」となって、ビジネスの質が下がり、労働時間が長くなってコストがかかります。「許可」を得るためのフローが1万件以上もある図柄を見せられたら、誰もが「ギョット」として動き出します。これは、政府や官公庁あたりにまずやらせてみたいものです。

    もう一つのお気に入りは、「Xurch Technology」というウエブ検索のパフォーマンスを促進する新しいプラグインのウエブブラウザーです。すでにサイトもアップされており、既存の検索エンジンやウエブサイトで使えます。 

    「Fujitsu North America Technology Forum 2009」に行ってきました。

    11/5/2009

     
    昨日は、シリコンバレーのSunnyvaleにあるFujitsu Laboratories of America(FLA: 富士通アメリカの研究所)主催のテクノロジーのフォーラム「Fujitsu North America Technology Forum 2009」に参加してきました。朝の9時から夜の8時過ぎまで、シリコンバレーのネットワークを兼ねた濃厚なフォーラムで、アジェンダはPDFで見られますが、新たなテクノロジーの可能性に、久しぶりに大いに刺激を受けてきました。

    毎年開催されているこのFLAのフォーラムは、ホテルとか特別な会場を使わずに、「Open House」形式で、自社の社屋の会議室やカフェテリアを利用して、外部のさまざまなお客さん(VC、アカデミック、技術者、マーケター(私たちみたいなNot technologyの人も含む)を招いて、リラックスしたオープンな雰囲気が特徴です。今年のテーマは、「Innovation for Sustainability」。冒頭のPresidentの松本均さんのご挨拶でも、以下の3つの「P」がボトムラインとして非常に重要で、ビジネスは「よりクリーン、よりグリーン、より無駄のない」ものであるべきだと説明されていました。

    • Planet (Environment)
    • People (Social)
    • Profit (Economic)
    私が気に入ったキーワードは、「Our health is our wealth」で、これには大いに納得しました。

    その後は富士通研究所の村野社長、Fujitsu AmericaのSVPのMcCormackさん、富士通研究所のSVPの津田さん、SVPの上原さんと4人の方の基調講演が続き、富士通のビジネスとテクノロジーの概観、および今日のフォーラムの見どころを、話されていました。もちろんすべて英語によるスピーチですが、みなさん自然に英語を話されている感じで、外国人の英語(アクセント)に慣れているシリコンバレーの聴衆にとっても、聞きやすかったのではないかと思います。基調講演を聴きながら、初めて富士通の環境の取り組みの大きさに驚き(残念ながら、今まではほとんどこの点に気がつきませんでした)、「Green Policy 2020」という長期的なコミットメントは、カスタマーおよび社会に対して、さまざまな角度から「よりグリーン」にするために、技術・サービス・製品の開発によって貢献するという大目標が掲げられていました。実際に具体的な数値や事例を示しながら、現在進行中のものを説明されていたので、真剣度は実感できました。ただし、これは21世紀の企業としては、ある意味では必須の要件で、さまざまな企業がこれに類似したことを主張しており、「言うは易く行なうは難し」の例え通り、達成するのには多大な企業努力も必要で、今後どこまで実施展開していくのか見つめていきたいと思います。

    ランチブレイクでは、「Technology Show Cases」ということで、最新の技術や製品を、実際の担当者の説明を受けながら視察しました。ユニークな発想の興味深い技術や製品のショウケースの概略は、このPDFで見られます。私が面白いと思ったのは、「Visualization」を活用して、ビジネスの効率化を図る「Business Process Visualization and Analysis Technology」です。基調講演でも、事例として「Approval(許可)」を得るためのプロセスを分析した結果、ある会社では4726のフロー(ユニークなフローの数は809件)があり、ある会社は1万8481のフロー(ユニークなフローは8942件)があり、それを実際に「Process Spaghetti(絡まりあったスパゲッテイのようなプロセス)」としてヴィジュアルで見せられました。まさに開いた口がふさがらないという図柄です。こうした普段は隠れて見えないプロセスのスパゲッテイを目で見ることによって、推測ではなく「視覚的な証拠」によってリアリティに接し、その効率化の急務を実感して、最適化が図れるという技術です。私は個人的にこれに一番惹かれました。ビジネスの効率化や最適化で、最も重要なことは古い言い方ですが、「適材適所」です。雇用している社員1人1人を最適な職務に就けて最も効率的に働けるような環境をつくりあげることは、企業の責務です。また、それが出来ないと「不適材不適所」となって、ビジネスの質が下がり、労働時間が長くなってコストがかかります。「許可」を得るためのフローが1万件以上もある図柄を見せられたら、誰もが「ギョット」として動き出します。これは、政府や官公庁あたりにまずやらせてみたいものです。

    もう一つのお気に入りは、「Xurch Technology」というウエブ検索のパフォーマンスを促進する新しいプラグインのウエブブラウザーです。すでにサイトもアップされており、既存の検索エンジンやウエブサイトで使えます。 
    私は日々の仕事の中で、多くの時間を検索に費やしており、先ほど紹介した「プロセスのスパゲッテイ」で、私の日々のワークを視覚化すると、とんでもないほど検索ページを行ったり来たりしている図柄が描けると思います。それぐらいに、現在の検索結果は「Human-Centric(人間中心)」ではなく、「アルゴリズム中心」で人間の思考回路から離れた結果をもたらしていると思います。それをもっと自分が欲しいと思う情報を、分かりやすく整理して、より簡単にナビゲートできるようにするという「人間寄り」な考え方で開発された技術です。富士通はこの「Human-Centric」という考え方に基づいた技術開発をテーマの一つとして、重要視しており、これは、私も大いに共感します。テクノロジーに振り回されるではなく、「テクノロジーを使って生活をより楽しくする」、これが21世紀の「人間とテクノロジーの関係論」です。Xurchは、日々の仕事でも便利で役立ちそうなので、是非使ってみたいと思います。

    普段は中々テクノロジーのフォーラムに行く気が起きない私ですが、今回はFLAの皆さんと事前にF2Fでお目にかかって、いろんな話を率直にして、皆さんがフレンドリーでなおかつマーケターの気持ちを理解されているようなので、フォーラムに出かける気になりました。米国でも、技術者とマーケターはお互いに中々相手を理解できず、良いチームワークが取れない場合が多く、そうした場合往々にして、その企業の技術はビジネスに結びつきません。技術者とマーケターはお互いを尊敬して、雑談も含めてさまざまな「会話」を常にし続けることが重要です。異なる発想の者同士の「会話」の中には、普段気がつかない思わぬヒントが隠されていて、それが「宝物」になる場合もあります。私も昨日の余韻が残っているのか、普段得られない刺激をもとに、もう一度自分の仕事や生活を考えてみよう、今はかなりポジティブな気分です。

    PS: ちなみに、昨日は年齢や所属の部署や会社に関わらず、「Ph.D」の敬称の方が多く、改めて自分がいつもと違う畑に来ているのを実感しました。そんな中で、若い工学博士の方は、私のブログのファンですと名刺持参でご挨拶に来られて、結構ほっとしました。

    Twitterで州知事出馬宣言したNewsomの出馬断念に見るリアリティ

    11/3/2009

     
    金曜日、私はこの出馬断念のニュースをクルマの中のラジオで聞いて、すぐにTwitterでそれを確認しましたが、ニューサムの最後のTweetは10月28日までで、出馬断念に触れることもなく、「ぶっち」とTweetが途切れていました。もちろん、Facebookにはこの断念の事は触れられていましたが、このTwitterの一件は、ニューサムが本当にソーシャルメディアのエコシステムを理解して、戦略的に活用できたのかという、疑問が生まれます。以下はニューサムのFacebookとTwitterのサポーターとフォロワーズの数です(11月3日現在)。
    • Facebookのサポーターの数:5万9138人
    • Twitterのフォロワーズの数:122万66人

    ニューサムが出馬を断念した理由は、まだ出馬表明もしていないカリフォルニア州の司法長官Jerry Brown(元カリフォルニア州知事)の集金力の凄さと支持率の高さが、原因です。10月の半ばの支持率の調査では、ブラウンは47%で、ニューサムは26%と大きく水を開けられており、6月の時点ではブラウンは740万ドル(7億4000万円)、ニューサムは120万ドル(1億2000万円)の政治献金を集め、直近の金額でもニューサムはわずか300万ドル(3億円)を少し超えた金額しか集められなかったということです。

    また、ニューサムへの批判としては、彼は以下の4つの役割をハンドルできないとい指摘があります。

    1. サンフランシスコ市の運営:大恐慌以来の最悪の財務問題を抱える市の仕事をきちんとせずに、州知事キャンペーンのためにSFを離れて、各地を飛び回っている。
    2. 州知事キャンペーン:ニューサムの問題は、「政治献金依頼のための電話やF2Fのミーティングをしたがらない」という点で、イヤでも政治家としてやらなければならない重要な部分に対して積極的ではない。ゲイマリッジのような進歩的なアジェンダが必ずしもSF以外のカリフォルニア州で受け入れられるものではない。
    3. 生まれたばかりの子供の父親としての役割
    4. 政治的活動を好まない妻

    また、彼は1対1の会話によって人とコネクトするというのがあまり上手ではなく、彼が話し始めると、「レクチャー(講演)になってしまう」という批判もあります。さらに、彼には過去に様々な個人的な問題が山積みしていて(最初の妻との離婚、自分の親友でキャンペーンの重要なメンバーの妻との浮気、アルコール中毒のリハビリテーション治療を受けるなど)、多くの人たちはそれをきちんと覚えているという点です。

    こうした彼の様々な問題が出馬を断念した理由ですが、ここベイエリアの住む住人として、注意深く彼を見ていましたが、彼のソーシャルメディアを通じて、若い世代を中心としたボトムアップのキャンペーンは、どう考えてもきちんと展開できたとは思えません。私が実感として感じるのは、彼の発言や態度は、いつも「自分がそれを行った」という、自分優先のメッセージが見え隠れするという点です。彼の州知事出馬理由には、「あなたたち(州民)のため」という真摯な想いが見えず、うがった見方をすると、これはあくまでも、自分が将来米国大統領を目指す最初の大きなステップストーンだという、印象が見えてしまう点です(これはあくまでも私の個人的な印象です)。

    もちろん、今の時点で断念したという政治的判断と勇気は、特筆すべきものです。さらに、彼がこれを契機に大きく成長して、SF市長として猛烈に働いて、市民のために貢献すれば、それが実績となって、次の大きな政治的なステップが見えてくると思います。ただし、その際にまたソーシャルメディアを使うのであれば、長期的なコミットメントと戦略的な活用の立案を事前に十分行って、実施展開すべきだと思います。今回、彼はソーシャルメディアによる「ユーザとのエンゲージメント」が十分果たせず、キャンペーンのMomentum(モメンタム:勢い)を創出できず、結果オンラインによる個人献金もあまり集まらなかったという、負の循環が生まれたと思います。

    「やる時にTweetした以上、やめる時も真っ先にTweetする」、こうしたコミュニティへの姿勢は非常に重要で、彼らへの感謝を忘れてはいけません。


      大柴ひさみ

      日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

      Archives

      May 2020
      April 2020
      March 2020
      January 2020
      November 2019
      August 2019
      November 2016
      October 2016
      May 2016
      April 2016
      January 2016
      December 2015
      August 2015
      July 2015
      June 2015
      May 2015
      December 2014
      November 2014
      January 2013
      November 2012
      August 2012
      May 2012
      December 2011
      November 2011
      October 2011
      August 2011
      May 2011
      April 2011
      March 2011
      January 2011
      November 2010
      October 2010
      September 2010
      August 2010
      July 2010
      June 2010
      May 2010
      April 2010
      March 2010
      February 2010
      January 2010
      December 2009
      November 2009
      October 2009
      September 2009
      August 2009
      July 2009
      June 2009
      May 2009
      April 2009
      March 2009
      February 2009
      January 2009
      December 2008
      November 2008
      October 2008
      September 2008
      August 2008
      July 2008
      June 2008
      May 2008
      April 2008
      March 2008
      February 2008
      January 2008
      December 2007
      November 2007
      October 2007
      September 2007
      August 2007
      July 2007
      June 2007
      May 2007
      April 2007
      March 2007
      February 2007
      January 2007
      December 2006
      November 2006
      October 2006
      September 2006
      August 2006
      July 2006
      June 2006
      May 2006
      April 2006
      March 2006
      February 2006
      January 2006
      December 2005
      November 2005
      October 2005
      September 2005
      August 2005
      July 2005
      June 2005
      May 2005
      April 2005

      Categories

      All
      Book
      Business
      Culture
      Current Affairs
      Game
      Green : 環境・テクノロジー
      Healthy Life
      Influencer
      JaM Media
      Marketing
      Movie
      Music
      Obama Watch
      Online
      Politics
      Religion
      SNS
      Sports
      Technology
      Travel
      TV
      Twitter
      WOM (Word Of Mouth)

    Proudly powered by Weebly