ひさみをめぐる冒険
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ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



クリスマスに逃げだしたサンフランシスコのシベリアンタイガーに思う

12/31/2007

 
サンフランシスコ・ベイエリアも大晦日を迎えました。日本と違って、こちらでは大晦日でも働いている人は多く、夫も通常通り午前5時起きで、仕事に向かいました。午前6時の我が家のフロントヤードには、霜がおりていて、さすがのベイエリアも冬を感じます。

先週のクリスマスウィークは、クリスマス当日のサンフランシスコ動物園のシベリアンタイガーによる3人の見学者殺傷事件に始まり、パキスタンのブット元首相の暗殺など、ローカルからグローバルまでいろいろな問題を考えさせられることが起こりました。

ローカルに眼を向けると、個人的には、亡くなった被害者や負傷者と同様に、殺害されたシベリアンタイガーのTatiana(タティアナ)に対しても非常に悲しい思いを禁じえません。シベリアンタイガーは、密猟者によって20世紀半ばに絶滅しかかった世界最大のトラで、現在は全世界で500頭しか生存しない野生動物です。彼女は、シベリアにいようともサンフランシスコの動物園にいようとも、野生のトラであることに変わりなく、彼女が何らかの刺激を受けて、檻から逃げ出して、人間を襲った行動は、野生動物としては正常な行為だと動物学者は発言しています。私が気になるのは、彼女が檻から逃げ出すこととなった誘引です。何か人為的な刺激があって、彼女の野生の本能がうずいたとしか考えられません。

現在サンフランシスコ動物園は、檻と見学者たちの間の堀の壁の高さが、米国の動物園の規定の高さを満たしていなかったとして、監督責任を問われています。私はそれ以上に、シベリアンタイガーを檻の中に閉じ込めておくことに、なんとも言えないやりきれなさを感じます。タイガーに限らず、動物園にいる動物は、なんとも哀しそうな眼をしており、私はその哀しみをティーンネージャーの時に感じて以来、動物園には足を向けていません。

トラもそうですが、象や犀のような大型動物は、その毛皮や牙、漢方薬として価値(中国市場では非常に高く売れる)から、密猟者によって絶滅する可能性を秘めています。地球の温暖化が北極グマの生息地を減少させていると避難するレトリックもありますが、それ以上にクマの生息数を減少させているのは、密猟者を含むハンターであるというデータもあります。

単独の野生動物としては最強であるというタイガーですが(ライオンはグループで狩をするために単独ではトラの方が強い)、タイガーよりも、もっともっと怖いのは、エコノミックアニマルとなった時のヒューマンビーング(密猟者)です。

PS: ちなみに、インドに生息するベンガルタイガーは、20世紀初頭には4万から5万頭いましたが、現在は3000頭から3500頭まで減少したと推定されています(最も少ない推定数は1500頭)。当時のマハラジャのSurgujaは、1人で1150頭のタイガーをハンティングしたと発言しており、マハラジャたちは、自身のロールスロイスをハンティングしたトラの毛皮でカスタム化したらしいです。

いくら野生動物を保護しようと努力しても、毛皮、象牙細工、犀、クマ、トラの漢方薬etc. こうしたマーケットが存在する以上、密猟は行われます。個人が野生動物保護に出来ることは少ないと思いますが、少なくともこうした製品を購入しないコモンセンスや分別が、なんらかの野生動物保護のサポートになるのであれば、それをやっていくしかないのかもしれません。

最高のクリスマスギフトが娘から来ました!

12/27/2007

 
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12月25日、アイランドシティのAlamedaのクリスマスの朝は、暖かい日差しに満ちて、静かで気持ちのいい日でした。

夫と2人で、お気に入りのブレンドコーヒー、Old San Franciscoを飲みながら新聞を読んでいたら、子供たちからメリークリスマスの電話がありました。夫は嬉しそうに長女と話していましたが、見る見る頬が紅潮して、「Oh really, Congratulations!」と言い始めたので、私は思わず「Baby!」と叫びました。

そうです、娘は妊娠5週間で、来年8月が出産予定。クリスマスの朝にみんなに知らせたくて、先週一週間は黙っていたということです。私と夫は、ついに「グランパとグランマ」になりました。「ひさみおばあちゃん」の誕生です。義理の娘ですので、正式にはStep-Grandmotherとなりますが、孫は義理でも何でも孫であることに変わりなく、私はついに祖母というポジショニングになります。

これってなんだか、不思議な気持ちです。3人の義理の子供たちと最初に会った時は、双子の長女と長男は19歳の大学生で、末娘は14歳の中学生でぬいぐるみを抱いて、成田空港に降り立ったのを思い出します。彼らと一緒に暮らしたことはありませんが、夫と結婚して12年の間、子供たちとも楽しい時を過ごし、彼らの成長の過程を一緒に見守ってきた私は、気分は十分「おばあちゃん」になっています。

長女は、電話で日本語でGrandmotherのことを何て言うのかと聞かれたので、電話口で「おばあちゃん」と何度も言いましたが、彼女は聞き取れず、孫には直接日本語で話しかけてほしいと言っています。昨日(12/26)が長女と長男の誕生日で、32歳となった娘は、出産に備えて出張が多い以前の仕事を辞めて、自宅からでも仕事が出来る会社に転職しており、母親になるための準備は万端ということです。

私と夫は、孫をちゃんとしたセーラーにする責任があり(笑)、まずはサンフランシスコのベイで孫にセーリングやカイヤックを教えて、出来れば一緒にオーシャンセーリングに行きたいと思っています。どんなグランマになるかは、わかりませんが、ひさみおばあちゃんは、常識にとらわれずに、孫としっかりコミュニケーションしながら、ワイルドに楽しくアドベンチャーをしたい、なんて思っています。



クリスマスデコレーションも大統領選を反映

12/25/2007

 
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我が家のクリスマスイブは、恒例のアイランドシティAlamedaのアイランドシティAlamedaのライティングデコレーションの見学です。夫と私は、暗くなると、自転車に飛び乗って、Thomson Avenueまで、突っ走りました。

AlamedaのThompson Avenueでは、ここに新しく引っ越してくる人たちは、クリスマスのライティング・デコレーションに参加することを約束させられます(一種の条件です)。おのおのフロントヤードに趣向を凝らしたクリスマスのテーマでライティングをしています。毎年クリスマスシーズンには、島以外の人たちも見学に訪れるほど有名で、見学者は歩きながら、クルマに乗りながら見物して、通りは大いににぎわいます。今年は来年の大統領選挙を反映して、民主党のJohn Edwards(ジョン・エドワーズ)候補を応援するクリスマスデコレーションが目につきました。


FacebookとMatch.comがつながってしまった

12/19/2007

 
5800万人のアクティブユーザを持つ米国SNS(ソーシャルネットワークサービス)第2位のFacebook(フェースブック)が、1500万人のメンバーを持つオンラインデイトサイトのMatch.com(マッチドットコム)と、「Hook up(つながって)」しまいました。

これは、中々興味深い動きです。

Match.com(マッチドットコム)は、1995年に始まったオンラインデイトサイトの草分けサイトで、最近はBaby Boomersにフォーカスしてビジネスを延ばしています。ブーマーズのシングル層は2000年以来350%増と最も早いペースで伸び続けて、全メンバーの11%を占めているといわれています(2007年4月)。

私の周囲にいる米国人のシングルの友人たちも、このマッチッドコムを利用していますが、彼らは、離婚経験が1回、2回あり、キャリアもきちんと確立していて、それなりに年収もある典型的な50代のブーマーズです。私が親しくしている女友達は、離婚途中であることを周囲に宣言した後、すぐにマッチドットコムに、自分のプロファイルと、彼女が希望する男性のルックス、性格、年齢、体型などの情報をアップロードして、相手探しを始めました。最初にマッチドットコムが、彼女にマッチするとして選んだ男性は、何と離婚途中の夫で、彼女が離婚の申し入れをした時に、あれほど離婚を拒んだ彼が、彼女と同様にマッチに真っ先にプロファイルを挙げていたことを知り、彼女は思わず彼に電話をしたということです。私は、この件をすぐに夫に話して(彼ら夫婦は私たちの共通の友人です)、マッチドットコムのマッチングの精度はかなり高いと説明しました。夫は即座に「それは間違っている。だって、彼らは離婚したんだから」と言われ、なるほど確かに結果から見ると間違ったカップリングで、彼らがまたしても似たような相手を探しているのに気がつき、なんともアイロニカルであると実感しました。彼らは、その後正式に離婚も片がつき、現在は2人ともマッチドットコムで見つけたボーイフレンドとガールフレンドと、非常にうまくいっています。

ブーマーズのような大人のシングルは、たいていの場合は離婚経験があり、「出会いを非常にシリアスに捉えて」おり、有料のオンラインデイトサイトの多少高めのメンバーシップや長期的な契約期間でも厭わないというのがポイントで、利用されているようです。大昔は教会、その後はシングルズバー、現代はオンラインデイトサイトが、人との出会いの場となってきており、米国のソーシャルライフは大きく変化してきています。

マッチドットコムは、サイトのサービス向上のために、CEOも含めた社員たちが、毎日1時間カスタマーの不満を聞き、またセキュリティ強化のために、詐欺や虚偽のプロファイルなど不適切な内容がアップロードされないように、ユーザのプロファイルをアップロードする前に、監視しているということです。

もちろんマッチドットコムには、ブーマーズばかりではなく、たくさんの若いシングルのメンバーもいます。ですので、ここがもともと学生相手のSNSとしてスタートしたFacebookと直接つながる機能を持つということは、そうした若いシングルたちにとっては朗報となると思います。以下の2つの仕組みがこの提携でもたらされます。

  • Match My Friends:オンラインデイトの候補者をもつ、家族や友人が、本人の許可を得て、彼あるいは彼女のプロファイルを作成するサイトにアップロードするプログラム。これは私の周囲でも多くの人たちが、中々オンラインデイトサイトへの参加に積極的ではないシングルの姉妹や兄弟、あるいは友人のために、プロファイルを作成してアップロードしたという話を聞くので、かなりデマンドはあるはずです。
  • Little Black Book:Facebookのユーザがサインアップすると、他のFacebookのユーザでデイトをしたがっている人たちのプロファイルを見ることが出来る仕組み。ユーザたちがサインアップすると、Little Black Bookのユーザは、FacebookのユーザおよびMatch.comのユーザの間から、マッチングしそうな相手がセレクトされる。


急成長するFacebookは、先月発表した新広告システム「Social Ads」の一つの手法「Beacon」で、ユーザのプライバシー問題で大きな反発を食らって、CEOの陳謝とともに、手法の見直しが迫られている中での、このマッチドットコムとの提携です。ここは十分慎重に、このプログラムを展開実施しないと、同様な問題が起こる可能性を秘めています。CGM(Consumer Generated Media:消費者創出のコンテンツ)時代の今は、ユーザがコミュニティをコントロールしており、ビジネス一辺倒に推し進めると、火傷をします。

嬉しいクリスマスギフトとは?

12/18/2007

 
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米国はクリスマス商戦の真っ盛りで、連日新聞広告は当日限りのバーゲン告知を掲載し、クーポンや送料無料告知のダイレクトメールやEメールがバンバン入ってきており、2007年を黒字で乗り切りたいリテイラー(小売店舗)は必死です。そん中で、おととい、元連邦準備制度理事会 (FRB) の議長Alan Greenspan(アラン・グリーンスパン)が、米国がResseion(景気後退)に入る可能性を、「50-50」だと予測してしまいました。彼の発言の影響力は現FRB議長のBen Bernanke(ベン・バーナンキ)より大きく、彼のそんな予想を目にすると、ホリディシーズンで、浮かれたい人々の気分は、ますます暗くなります。

でも、そんなことをブツブツ言ってもしょうがないので、我が家も恒例のホリディショッピングを、この週末は行いました。我が家のギフトは、MontereyとYosemiteの間のPacheco ValleyにあるCasa de Frutaという1908年創業のドライフルーツの専門店と決めています。 もちろん、現地に行ってフィジカリーにそこで購入することも可能ですし、ショッピングモールやグルメショップの小売店で買うことも出来ます。我が家の場合は、すべてオンラインで済ませているので、まず夫と2人でコンピュータの前に座り、ギフトを送る相手の5人の住所のアップデイトです。義理の父、義理の子供たち3人、そして夫の前妻が、相手先で、昨年結婚した長女も、シングルの長男も、2人とも家を買い換えており、末娘は来年1年はNYに住むということで、まずはアクティブな子供たちの住所を、アップデイトしました。すでに過去の買い物の履歴があるので、昨年のオーダー「Re - Order」すればよく、住所変更後は、スイスイとショッピングが終わりました。長女と長男は双子で誕生日は12/26なので、彼らにはホリデイギフト、プラスでバースデイギフト、9月が誕生日だった末娘にはその時にギフトを贈れなかったので、彼女もバースディギフト付です。義理の父には、彼の大好物のウォールナッツが入ったデーツ(Dates)を贈りました。Casa de Frutaは、ドライフルーツ以外に、ソーセージやチーズの詰め合わせ、パーティ用のスナックなど、いろいろバラエティがあるので、カリフォルニアの恵みという感じで、食品をてんこ盛りで贈りました。

我が家で最近特に気をつけていることは、ローカルで生産された食べ物をなるべく買うことと、ホリディギフトに限らず、ギフトはカタチが残らないもの(食べ物、ワイン、お花など)にするということです。単純なことですが、モノがあふれかえっている世の中で、なるべくモノを贈らないようにするのがいいと思っています(そう言いながらも、先月の私の誕生日に、夫は私が欲しがっていたハンドバッグを買ってくれて、私はかなり喜んでしまいました。笑)。

それでも、本当に相手のことを良く考えて贈られるギフト(モノ)には、思わずもらったほうも嬉しくなります。今回は、義理の父が贈ってきたホリディギフトで、彼は何と非常用のサバイバル製品を自分で選んで、バッグに詰め合わせて、私たち夫婦ににプレゼントしてくれました。中身は以下のようなモノが入っていました。

  • ソーラーラジオ(電池の要らないラジオで、ソーラーと手巻きの手動で動きます。AM、FM、SW、TVが聞ける優れものです)
  • サバイバルフードパック(5年間保証で、2人が1日生き延びられる圧縮された食べ物)
  • サバイバルホイッスル(防水のコンパス、救助信号送るためのミラーがワンセット)
  • ディスポーザブルウォームパック(2人分のホカロン)
  • エマージェンシーポンチョ
  • 懐中電灯
  • 防水サバイバルマッチ
夫は以前からソーラーラジオを買おうと思っていたので、このギフトが気に入ってしまい、私は義理の父がこうした非常用製品をわざわざ選んで贈ってくれたことに、大いに感激しました。これ以外にも、義理の父は、ギフトカードと一緒にチェック(小切手)も添えてあり、私たちは子供に帰った気分で、父に感謝しています。

「お父さん、ありがとう!」

モノはあふれかえっていますが、義理の父が贈ってくれたサバイバルキットは、私たち夫婦にとって、大切なモノで、父の暖かな愛情そのものだと思っています。


世界一安いクルマ製造のインドの自動会社がジャガーを買収??

12/18/2007

 
今日の新聞の記事によれば、世界一安いクルマを製造するインドのTata Motorsが、Ford Motors(フォードモータス)のラグジュアリーブランド、Jaguar(ジャガー)とLand Rover (ランドローバー)を買収するという話が出ていました。

これって、結構、大変な「ブランドアセットの交換」になると思います。

買収額は20億ドル(2300億円)で、Tata Motorsは、「People's Car」と称する、世界で一番安いクルマを、来年2500ドル(28万7500円)で販売する予定です。今、一番不安な気持ちで、この買収劇の行方を見ているのが、米国のジャガーのディーラーたちです。確かに2500ドルのクルマを製造する会社が、最も安い価格でもその20倍はするクルマのオーナー会社となると、完全にジャガーのブランドアセットは、ダウンしてしまいます。Tataにとってみれば、一気にラグジュアリーな市場に進出できるので、大きなアドバンテージです。こうしたドラスティックな買収劇が起こるほど、クルマメーカーの市場競争は激化しており、どこが何を製造しているのかわからなくなり、ブランドアセット自体の価値が段々薄れてきているのを実感します。

私が10代、20代の頃、ジャガーはまだ英国製で、あのクルマはかなり輝いていました。会社の先輩がジャガーの中古を売るというので、真剣にその購入を考えて、亡くなった父に相談したことを思い出します。父は、「電気系統が弱いし、しょっちゅう故障するから、メカに弱いお前には向かないよ」、と言われて、あきらめました。

まさか、そのジャガーがフォードへ身売りされて、その後インドの自動車会社に買われるとは(まだ買収は成立していませんが)、時代はかくも変遷するものです。


Mavericks (マーヴェリックス伝説): It's Coming..

12/11/2007

 
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サンフランシスコ・ベイエリアは、世界最大のサーフィン競技会「Marvericks(マーヴェリックス)」のシーズン到来です。「I'ts coimng...」、この言葉がぴったりの伝説の巨大な波マーヴェリックスが来ます。

SFのベイから南に太平洋岸を下ったところに、とてつもない巨大な波が起こるPIllar Pointがあります。1999年から正式にコンテストとしてスタートした「Mavericks Surf Contest (マーベリックス・サーフ・コンテンスト)は、1975年当時17歳だったマーヴェリックス・サーフィンのパイオニアで伝説的なJeff Clakが、最初に挑戦して以来、世界中のサーファーが畏敬の念でみつめる大会です。毎年12月から3月までの冬の間のみ、数十メートルに及ぶ伝説な巨大な波マーヴェリックスが起こるために、いつ競技会を始めるかは確定できず、マーヴェリックスが起こりそうになると、24時間以内に世界中に散らばる参加者に知らせが入り、全員がPillar Pointにはせ参じて、挑戦するというユニークな大会です。この知らせは、オンラインで登録すると、メールや携帯電話のTextingで知らせてくれますが、今年はSF Giantsのホーム球場のAT&T ParkのハイディフィニションTVスクリーンで、ライブでWebcastingするということで、チケットを購入した人は、マーヴェリックスが起こって大会が始まると、球場でみんなと視聴可能です。

全世界から著名なサーファー24名が招待されており、彼らは、PW (Perosnal Watercraft)で沖合いに運ばれ、ホワイトシャークが出没する危険な水域で、この神々しいまでの巨大な波に臨みます。1994年にはハワイのスーパーサーファーであるMark Fooが溺死しており、競技会の前に、参加者たちは海に入り、手をつないで円陣を組んで、神に祈ります。今年は、すでにマーヴェリックスに挑んだMontereyのサーファーで45歳のPeter DaviがGhost Trees(幽霊の木)と呼ばれるポイントで亡くなっており、マーヴェリックスに挑むサーファーたちの気持ちは、さらに引き締まっています。

私は、夫と、サンフランシスコのベイからHalf Moon Bayに向かうセーリングの途中で、よくこのPillar Pointの沖合いを通過しますが、確かに遠目で見ても、凄まじい波のエネルギーを感じて、絶対にセールボートでは近づきたくない場所です。80フィートに立ち上がる巨大な波に挑むサーファーのマインドは、多分余人がうかがい知れぬぐらいの非常にスピリチュアルな高みに気持ちが達している、そんな感じがします。

「神々(自然)との対話のために海に向かう」、マーヴェリックスには、今のデジタルな時代がどんどん失っているそんなロマンが感じられ、ひたすら参加者の無事と成功を祈りたい気持ちです。

PS: マーヴェリックスには程遠い話ですが、母が東京の伊豆大島の出身で、オムツをしている頃から、太平洋で泳いだり潜っていたりしていた私は、波に何度も身体を叩きつけられたりして、身体で海の怖さを体験しています。また、2年前にサンフランシスコからハワイまで、太平洋半分セーリングの航海をした時も、背後に迫り来る大きな波は脅威で、ヘルム(舵)を取っている時には絶対に振り向かないようにしていました。実際に振りむくと、波が巨大な壁となって襲ってくるようで、ゴーゴンの伝説のように振り返った途端に、石像と化するような気持ちになりました。個人の小さな体験を基に考えても、マーヴェリックスに挑むサーファーの勇気には、ただ頭をたれるばかりです。


誕生日「鬼の霍乱(ひさみ寝込む)」:エイジングを考える

12/10/2007

 
米国は、4日間のThanksgiving(感謝祭)のホリデイが終わり、ホリデイショッピングの幕開けとも言うべき「Black Friday(11/23:企業にとっては一年間のセールスを黒字にする正念場で、消費者は朝早くからショッピングモールに並んで、ホリディショッピングを一斉にし始める金曜日)」と、「Cyber Monday(11/26:感謝祭明けの月曜日はオンラインショッピングの最も稼動する日)」を経て、今はクリスマスに向けて、本格的な商戦が活発化しています。National Retail Federationは、金曜日から日曜日にかけて、1億4700万人(昨年の1億4000万人から4.8%増)がショッピングに出かけたと報告していますが、実際に使った金額は昨年の平均360.15ドルから3.5%減の347.44ドルで、住宅ローン(サブプライムローン問題)や米国経済の成長率の鈍化など、雲行きの怪しい状態を反映してか、消費者の財布の紐は引き締まったままです。

そんな中、私は22日のThanksgivingも、朝から日経ビジネスのオンラインで連載中のコラム原稿をしこしこ書いていましたが、原稿の締め切りを、3日間延ばしても良いというメールを見た途端、緊張の糸がプッツンと切れて、23日から急に鼻水グズグズの今年2回目の「鬼の霍乱」に陥りました。それでも今回は軽い風邪症状でしたので、夫と2人の静かなThanksgivingのディナーや、友人夫婦と一緒にダイニングアウトするなど、多少のホリデイ気分は味わうことが出来ました。25日は私の誕生日で、午前中は静かに横になっていましたが、午後からカウチに座っているのに飽きた私が裏庭で草むしりを始めると、夫が自転車に乗ろうと言い出し、早速自転車に乗って、2人で島を走り始めました。夫は途中で何気なく、私が以前から欲しがっていたハンドバッグのあるお店で自転車を停めて、誕生日プレゼントとしてハンドバッグを購入してくれました。この予期せぬ出来事で、私の気分はいきなり「Happy Birthday Girl」となり、勢いよく、風を切って自転車をこぎまくりました(風邪はどこに行ったのか?)。

誕生日は、本当にプライベートなものなので、いくつになっても、他の人が気にかけてくれると、嬉しくなります。昨年で私も「Big 50」に突入し、それ以来、周囲の人に自分の年齢を言うと、みんな一様に一度息を呑んで、「お若いですね。とてもそうは見えませんよ。」と言われ、そのたびに、「そんなに驚くことなのか?」と思い、50代の人間が現代の社会のなかで、中途半端な存在であると、実感します。いろんなマーケティング調査などでも、年齢のセグメンテーションが、なぜか「39~49歳まで」となっていたり、「50歳以上」といきなりシニア層の70代と一緒人されたりと、実際の50代の人間のライフスタイルや意識が明解に社会で認識されていないようです。

50代は、単純に言うと「かつての50代と違って、心も身体も全然若い」

  • 意識が非常に若く、肉体もまだまだ若いので、行動も若い世代と大して変わらない
  • 子供がすでに巣立っているので、自分のために使うお金がある
  • 健康維持や若々しいスタイル維持のために、お金と時間を惜しまない
  • ダイニングアウト、旅行、スポーツなど、「パートナーや友人と時を楽しむ」ためにお金を使うことを惜しまない
  • 「人生を楽しもう」としている


スキンケアブランドのDoveが、50代の女性をターゲットに、彼女たちのオールヌードのヴィデオを使って、「Pro-Age」という製品をローンチングしましたが、あれは私から見ると50代の女性の意識にあっていない、そんな気がします。あくまでも推測ですが、あのキャンペーンを企画制作したグループには、もしかしたら50代が1人も入っておらず、若い人たちから見た「50代以上の女性」という視点で製作したのでは、と思っています。「アンチエイジング」ではなく「プロエイジ:年齢のそのまま受け止める」というコンセプトはよくわかりますが、バイラル化を狙って、オールヌードのアマチュア女性たちを出したことに疑問を感じます。若い人たちにとっては、50代の女性のヌードは衝撃的かもしれませんが、私たち50代の女性にとっては、ヌードだろうが、ビキニだろうが、レオタード姿だろうが、別にどうってことはなく、みんな自分がしたいことを、常識にもとづいて(時と場所に応じて)、おこなっています(ヨーロッパの海岸ではトップレスもありますし、そこには年齢制限はなく、老若男女みんな裸です)。オールヌードといった「奇を衒った」表現自体が、逆に何となく年齢差別を感じて、もっと普通にアプローチできなかったのかなと思います。

マドンナも来年8月16日で満50歳となります。彼女みたいなタイプがガンガン活躍してくれば、「50歳への偏見」もそろそろ終わりになる、そんな気がします。

米国在住者にとっての「YouTubeのカラオケ効果」

12/10/2007

 
いつも思いますが、私のようにレポートやコラムの締め切りに追われている人間にとって、YouTubeは、本当にとっても危険です。理由は、単純でオンラインで調査していると、多くの記事や情報がYouTubeのヴィデオを引用しており、それを閲覧しながら、ついつい他の意外なヴィデオをクリックしてしまい、エンドレスともいうべき「ヴィデオ検索の罠」にはまってしまうからです。気がつくと、1時間や2時間を軽くそれに使ってしまい、「ああ、またしても遊んでしまった。締め切りが迫ってくる」という後悔の念に襲われます。

そんな日々を送る私ですが、最近YouTubeの新たなベネフィットに気がつきました。自称「カラオケ効果」と呼んでいますが、多くの日本の昔の音楽ヴィデオや番組が投稿されているのに気がついた私は、ちょっとした気分転換に、懐かしいグループサウンズ(GS) の歌を大声で歌っています。すでに日本を離れて12年も経つ私は、最近の日本の曲は一切わかりませんが、10代の時に覚えた曲は、歌詞がなくてもソラで歌えることに気がつき、普段日本語で歌う機会のないので、ここぞとばかりに、大声を張り上げて歌っています。もちろん、部屋のドアを閉めて、他の人に迷惑がかからないようにして、歌っていますが、ヤー、よくいろんな曲が出てくるものだと、感心しています。

著作権問題もあると思いますが、1950年代、60年代、70年代の古い映像が驚くほどの数でアップロードされており、よくみんなこういったヴィデオを持っているなと、驚いています。私はそうした古い音楽ヴィデオへの日本人以外の人たちのコメントを読むのが好きで、その当時の日本の音楽シーンを知らない外国人たちの視点は、読んでて、非常に興味深いものがあります。最近の驚きは、1969年にブルーコメッツが、エド・サリバンショウに出演して、「ブルーシャトウ」を歌っているヴィデオです。イントロは琴をあしらって、米国人向けに英語で歌っていますが、後半は日本語に切り替えて、「ブルーシャトウ」を絶叫しており、若くて元気な「ブルコメ」は大いに楽しめました。

ブルコメは、別ですが、今さらながらに気がつきましたが、昔のグループサウンズ(GS)の曲は、やけにスローで、こんなに遅かったけ?と自問自答しています。

ちょっと別件ですが、今シリコンバレーで大いに受けているヴィデオは、Web 2.0を皮肉った音楽ヴィデオで、歌詞と映像は一興です。Facebookの投資家のPeter Thiel が10月31日に「テクノロジーにはバブルがない」と言った言葉から始まって、ノリのいい曲は、ゲラゲラ笑わしてくれます。ヴィデオは「なんでもブログしよう」と言っていますので、私もついついブログしています。12/3に投稿されて、一週間(12/10)たって、63万2955回のビューがすでにあります。バイラル化しています。

落語の「饅頭怖い」ではありませんが、「YouTube怖い」ということを日々実感します。カラオケにもなるYouTubeは、まったく新しいメディアです。


    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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