ひさみをめぐる冒険
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ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



Obama(オバマ)大統領の議会初演説:「USA will emerge stronger than before」

2/25/2009

 
昨日のObama(オバマ)大統領の議会における初の演説は、逆境に強く、ピンチに立てば立つほどよりBold(大胆)なアクションを起す、大統領の真骨頂を示すものとなりました。私は、ちょうどこの演説のライブ放送の時に運転をしていたので、最初はラジオで聞きましたが、真っ先に感じたことは、「彼の気迫」です。スピーチは、ホワイトハウスのサイト「Whitehouse.gov」に、ヴィデオが早速アップロードされています(大統領は11分30秒から登場します)。

大統領就任から1ヶ月間、さまざまなアジェンダにおいて、猛烈に働いてきたオバマ大統領は、経済刺激策、住宅ローン救済プラン、金融業界の救済と市場の安定、自動車業界救済、国内問題だけでも列挙するだけでくたびれます。その間、クリントン国務長官はアジア外交に出かけ、軍事防衛では、イラク、アフガニスタン、パキスタン、グアンタナモ収容所問題など、さまざまな問題が山済みです。

先週、日本から戻ってきて、真っ先に感じたことは、「オバマ大統領の顔は、たった1ヶ月で随分ふけてしまった」という点です。ただし、昨日大統領が議会に足を踏み入れた瞬間、いつもの笑顔が戻り、彼の気迫に満ちた言葉は、共和党議員も含めた議員はもちろんのこと、TVやオンラインのライブのストリーミングを通じて、米国民および全世界の人たちの心を捉えたとおもわれるものでした。大統領はスピーチの間、65回のアプローズ、37回のスタンディングオーベイションをもたらし、途中バイデン副大統領をネタにしたユーモアは、議会を爆笑させました。

この続きは、無料の会員制コラム「Obama Watch:変革の時を迎えた米国社会」をご覧ください。


「Obama(オバマ)効果かな?」:オスカーナイトにみた「Bollywood Danceの迫力」

2/23/2009

 
先週、日本出張から戻って、様々な仕事に追われて、またしてもブログレスな日々となってしまいました。金曜日からは義理の息子と彼の友人夫婦が自宅に遊びに来ており、昨日は夫が日本出張なので、サンフランシスコ空港へまたしても行き、過去2週間夫婦ともども空港と自宅の間を行ったり来たりしています。

そんな中で、昨日は息子たちに誘われて、オスカーの呼び声の高かった「Slumdog Millionaire」を見るために、近所の歴史的な劇場「Alameda Theatre」に出かけました。私は過去1ヶ月日本出張の準備と出張そのものに追われて、映画にほとんど注意を払っていませんでしたが、この映画がオスカーをとるというバズは、ドンドン高まっており、オスカーナイトが始まる前に、ぜひ見ておこうと思い、出かけました。(以下にこの映画の予告編を貼り付けましたが、YouTubeでは今日の時点でおよそ270万のビューとなっています)
私は「Moviegoers(映画好き)」ではないので、この映画に関するナレッジを持たずに、劇場に足を踏み入れました。Alameda Theatreは、1932年に建てられて歴史的な建物で、70年後に1000万ドル(10億円)かけて修復されたエレガントなアールデコスタイルのシネマコンプレックスです。自宅から歩いて10分の距離にあるシアターは、外観、エントランス、館内の内装すべてが、まさに20世紀初頭の西欧建築のゴージャズさを見事にあらわしています。心地良いシートに座りながら見始めた映画は、シアターとは対照的に、インドのスラム街の臭いが即座に感じられる迫力で、私の視覚、聴覚、さらに臭覚すらも捉えて、私は映像に釘付となりました。スラム街に生きる子供たちの生活は、普段漠然と理解しているつもりになっている貧困を、改めて思い知らされるもので、大劇場で見る映画の迫力をつくづく実感しました。

内容は、貧困の中で育つ2人の幼い兄弟の異なる生き方を通じて、変わらないインド(貧困)と変わり行く(アウトソーシングとテクノロジーにおける)インドの姿を対比させて、少年と少女の愛を描いたものです。詳細は避けますが、私は主人公の「She is my destiny(彼女は僕の運命だ)」というセリフが耳にこびりつき、エンディングのあと、私も含めて劇場中の人たちは、全員拍手喝さいとなりました。この映画は見終わって「Happy」になれるもので、普段映画を映画館で見ない人にも、ぜひ出かけて大スクリーンで鑑賞することをお薦めします。

この続きは、無料の会員制コラム「Obama Watch:変革の時を迎えた米国社会」をご覧ください。

「日本出張から戻りました。日本で驚いたこと」

2/19/2009

 
10日間の日本出張が終わり、無事に米国に帰国しました。今回の日本出張は、「おしゃべり」が中心で、セミナーやセッションなど合計4回行い、さらにオーディオブックのためのスタジオでの録音(私の講演とインタビューを収録しましたが、これはまた詳細をブログします)と、声がかすれるほど、しゃべってきました。いつもギリギリまで、セミナーの原稿を書いている私は、ホテルにこもってPPTのスライドを作成しており、結果いつものように「Blogless(ブログレス)」の日々となりました。おとといと昨日は、さまざまな事務処理に終われ、さらに日経BPと宣伝会議の原稿の締め切りが迫っており、さらに今月末までに書き上げなければらないレポートもあり、現在かなりあせっています。

日本のセミナーとセッションはかなり好評で、参加していただいた方々から、お褒めのコメントをいただき、行った甲斐があったとホッとしています。ただし、参加者のコメントの中で、1つだけショックを受けたのは、「年齢のせいか、日本の話題がちょっと古いように感じた」というコメントです。これは中々きついコメントで、改めてPPTを見直しましたが、日本に関しては「行間を読む文化」という切り口で、日米のコミュニケーションの違いに触れただけなので、この部分の表現がピンとこなかったのかなと、現在考えています。米国では、ほとんど自分の年齢を意識したことがない私ですが、今後はやはりそれなりに「年齢」を考えていかなければならないのかな、何となく思い悩んでいます。

日本ではホテルで講演のPPTを作成している時に、TVで国会中継をちょっと見物しましたが、麻生総理と野党側の質疑応答には、けっこう口アングリ状態でした。何のための議論かが明解ではなく、さらに揚げ足取り、あるいは重箱のスミをつっつくような答弁で、納税者のお金が随分無駄に使われているとしか思えない状態でした。もちろん、私は日本の納税者ではないのであまりいろいろ言う資格はありませんが、気分は結構暗くなりました。

そうした中で、追い討ちをかけるように、中川財務相のG7の「泥酔あるいは風邪薬の大量摂取によるフラフラな状態での会見」を目にして、これはひどすぎると、思わずうめいていしまいました。結果、彼は辞任となりましたが、G7の成果も含めて、世界中が経済危機でのた打ち回っている時に、これはないでしょうというのが、実感です。真っ先に思ったことは、同行した財務官僚あるいは日銀総裁(あの席に同席していた)が、ここまでひどい状態の中川大臣を会見に出させないようにすることが出来なかったのか?という素朴な疑問です。直前まで中川大臣はまともだったという答弁をしているようですが、これは責任を回避する言い訳のように聞こえます。

報道によれば、財務省から20人、金融庁から2人で合計22人がローマに出張して、費用が合計6000万円かかったということです。もし、米国のガイトナー財務長官がこの手の事件が起こせば、米国の納税者の怒りはただではすまない状態になります。中川大臣の公の場での酩酊に関しては、随分前から問題を起しているそうで、アルコール依存症の可能性があるとも憶測されています。もし彼がそうであるならば、彼を財務相という重責に選んだ麻生総理の判断に問題があると思います。アルコール依存症は病気ですし、病人に激務を担わせるのは無理だと思います。日本のGDPはマイナス12.7%と1974年のオイルショック以来の落ち込みになって入る時期のこの事件は、官僚頼みで動く日本の政治家の危機意識の欠落を象徴しているようで、哀しい気分になります。

その間アメリカでは、オバマ大統領の経済刺激策が共和党の激しい反対がありながらも議会を通過して、法案化となり、昨日は住宅ローンを返済できずに「Foreclosure(住宅の差し押さえ)」となった人たちへの2750億ドル(27兆5000億円)の救済計画を発表するなど、相変わらず息つく暇もない活動ぶりです。とにかく、アクションを起さない限り、経済の泥沼から抜け出せないとしたら、やるしかない、そんな気迫をオバマ政権からは感じます。

リアリティに直面するオバマ大統領の言葉:「I screwed up(ヘマをしてしまった)」

2/6/2009

 
オバマ政権のリアリティチェックは、中々厳しいものがあります。共和党からゼロの支持で下院を通過したオバマ政権の8190億ドル(81兆9000億円)の経済刺激策は、現在上院でスタックしています。共和党の刺激策への批判は厳しく、いつもCoolなオバマ大統領も、共和党の頑固さにさすがに語気を荒げて、「1月の失業者数は62万6000人にのぼった(実際は59万8000人で失業率7.6%)。ディスカッションしている時は終わった。税金カットという古い手段が、経済を浮上させないのは過去の10年間が証明している。1兆ドル以上の赤字を作り、今の深刻な経済状況を創出したのは、そうした前政権の古いやり方が機能していないからだ。米国民は11月4日(投票日)にそれを判断した。」と、強い口調で刺激策通過を訴えています。

ここのところ、オバマ政権は「税金問題」で大いに悩まされています。この場合の税金は、オバマ大統領が指名した候補者たちが、軒並み「税金漏れ問題」で、候補を降りるという結果を引き起こしたことです。

この続きは、無料の会員制コラム「Obama Watch:変革の時を迎えた米国社会」をご覧ください。

「Super Bowl Ads(スーパーボウル広告)」:今年はTVCMよりゲームの方が面白かった感じです

2/2/2009

 
昨日は、恒例の「Super Sunday(スーパーボウルのある日曜日)」でした。我が家はフットボウルのファンではありませんが、多くの米国民と同様に、昼間からビールやワインを飲んでパーティ気分に浸るために、飲み物と食べ物を買い込みました。午前中は夫も私もちょっと仕事をして、太平洋時間の午後15時から始まるゲームの前には、2人で13マイル(およそ21km)ほど自転車で島を走り回ってきました。

我が家のバックヤードのグリルで、チキンとシュリンプ、アスパラガスを焼いている間に、ゲームは始まりましたが、ゲームよりパーティ気分を楽しみたい私たちは、どこ吹く風とのんびりおしゃべりをしながら、クッキングを楽しんでいました。スペイン産のスパークリングワインを手にして、リビングのTVの前に座ったのが、セカンドクォーターの開始というタイミングでした。座って食べ始めた時に、Pittsburgh SteelersのJames Harrisonが100ヤードのタッチダウンを決めて、思わず、2人ともシャンペングラスを片手に「Wow!」と叫んでしまいました。スーパーボウル史上最長のタッチダウンとなったハリソンは、ボールを手にした瞬間からノンストップで、巨体を揺らしながら走り去っていきました。彼の走りの前に、夫がちょうどスティーラーズは、1970年代に「Steel Curtain(鋼鉄のカーテン)」と呼ばれる、鉄壁の守備を誇ったと説明してくれたばかりで、ハリソンの走りを守るためのスティーラーズの守備はまさに「鋼鉄のカーテン」となりました。夫は盛んに「カーテンが始まった」と叫んで、大喜びでした。TVCMばかり話題になるスーパーボウルですが、今回はゲーム内容が面白く、結果27-23でスティーラーズが勝った興奮したゲームでした。

今回のスーパーボウルの広告は、この深刻な経済危機の中でも、30秒間のTVCMに300万ドル(3億円)という価格で販売されて(去年は270万ドル)、50以上のCMがオンエアされました。放映ネットワークTV局のNBCは、2億6100万ドル(264億円)稼いだと報道されており、年に1回のCMフェスティバルは健在です。広告内容に関しては、ほとんどのクライアントが、ユーモアやノスタルジアといった「安全なアプローチ」で、厳しい社会環境の中にいる視聴者の不興を買わないように配慮していることが感じられます。メディアは事前と事後で、広告批評の特集を組んでいますが、その中でこれはと思ったのは、NYTimesの記事の中に埋め込まれた過去25年間のスーパーボウルのTVCMの歴史が見られるインタラクティブな「スライド」です。1984年のTVCMの古典ともいえるApple(アップル)の「1984」に始まって、昨日のCMまで見られるので、過去の広告を比較できて楽しめます。YouTubeでは現在広告評価の投票の最中で、多くのメディアも読者に投票を呼びかけています。

個人的には、Pepsicoの「Refresh Anthem」が気に入っています。Bob DylanとWill.i.amの2人によって米国のユースカルチャーの歴史を振り返るというノスタルジアな広告です。ペプシは、ロゴマークも含めて、「Generation Obama(GO:ジェネレーションオバマ)」と呼ばれる、ユース層にアプローチするために、かなりオバマキャンペーンを利用していますが、これもその一例です。ただし、皮肉なことに、このCMが描写するヒッピーやベトナム反戦時代は、ペプシのCEOのDonald Kendallがニクソン大統領の友人だったこともあり、当時ペプシは共和党のドリンクとして有名だったということです。

もう一つ、ぜひ取り上げたいのが、スーパーボウルにオンエアせずに、この広告の話題をネタにして、バズをクリエイトするMiller Beerの広告です。今回の30秒のTVCMをネットワークTV局でオンエアするためには300万ドル(3億円)がかかります。これは広告主が1秒間に10万ドル(1000万円)支払うという計算になり、これを皮肉って、Miller High Lifeは、「1秒CM」のオンラインキャンペーンを展開しています。事前にこれに関するバズがかなり出回っていましたが、ミラービールのスポークスマンとなったビールの配達マンWindell Middlebrooksによる一言CM「High Life!」は、納得ものです。

Middlebrooksは、YouTubeに「HighLifeCommonSence」というヴィデオをチャネルで、一般市民として感じたことを率直に語っています。彼は、ヴィデオで政治に関しても、いろいろ語っており、メインストリームのバドワイザーに、チャンレンジするミラービールのポジショニングが良く現されています。ネットワークTV局や広告代理店は、多分必死に「300万ドルの広告効果(ROI)」を、広告主にピッチしたと思いますが、プロスポーツビジネスにも陰りが見えてきている中で、この「スーパーサンディ」をモット上手に利用して、賢くROIを獲得する手法はあるはずですし、マーケティング手法そのものに、モット革新的な「クリエイティビティ」を発揮して欲しいと思います。


    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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