ひさみをめぐる冒険
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ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



聖なるDalai Lama(ダライラマ)の真の力

11/30/2006

 
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11月も今日で終わりですが、今月もブログレス状態で、ブログをきちんと書いていない罪悪感で一杯です。そんな情けない私が、これだけは絶対にブログに書こうと思っていた「或るコト」を今から書きます。

それは10月28日(土)の朝、サンフランシスコ空港で起きました。その日は、日本出張のために、夫に空港まで送ってもらい、ANAのカウンターでチェックインを済ませた後、2人で朝食をとっていました。

私が中座した後テーブルに戻ると、夫は「ひさみ、あそこを見てご覧。ダライラマの一行だよ!」と叫びました。私は「そんなわけないよ。ダライラマだったら、もっと物々しい一行で、こんなパブリックが近づけるところに出てこないよ。」と反論しましたが、彼はすでに近くで見て確認したと言い切ります。その言葉につられて、私は近くまで行って、彼の顔を見ましたが、ほとんどそっくりというぐらいダライラマに似ていましたが、微妙に違う気がして、「似ているけど、本物ではない」と言い張りました。夫は「信じないのは君の勝手だけど、彼はダライラマだよ。みんな彼と会えるチャンスは2度とないから、バンバン写真を撮っているよ」という言葉を聞いて、思わず「そうか、私も写真を撮ろう」と、立ち去ろうとするチベット僧の一行のもとに駆け寄りました。

しかし、どうやっても彼の顔を撮ることはできませんでした。何度もシャッターを押すのですが、なぜか彼はあらゆる人たちによって、隠れてしまい、彼の顔の写真を一枚も撮ることができませんでした。これがその時の証拠写真です。

夫は、そんな私の悪戦苦闘を遠くで眺めながら、にやにや笑って「これがダライラマのパワーだよ。君は彼をダライラマとして信じないで、半信半疑のまま、写真を撮ろうとしたから、一枚も撮影できなかった。これで、君も彼が本物だとわかったでしょう?」と、説明していました。

確かに、これは非常に奇妙な経験です。

その後私は、ダライラマが10/28にサンフランシスコにいたかどうかを確認すべく、検索しましたが、彼が11/1に広島国際平和会議で講演している事実を突き止めましたが、成田到着は10/30でした。私が10/28にSFから出発して10/29に成田に入ったことを考えると、彼が28日SFにいた可能性は薄いと思っています。ただし、彼が10/28と10/29の2日間どこにいたかは検索できなかったので、彼が28日SFにいた可能性は決してゼロでありません。

そんなダライラマのスーパーパワーを経験した私は、彼がダライラマに選ばれた不思議な経緯や中国の弾圧を逃れるストーリーなど、さまざまな彼にまつわるストーリーをウェブサイトで読んで、改めて聖なるダライラマに感服しました。この経験は、私にダライラマとチベットを考える機会を与えらるために、起きた、そう、実感しています。やはり、彼は聖なるダライラマです。次回はきっと私でも写真が撮れるはずです。




Birthday Girl: 「Big 50」となった私

11/26/2006

 
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11月25日、私も正式に50歳となりました。日頃から100歳まで現役で生きると公言している私は、ちょうど人生を半分過ぎて、後半の50年に突入しました。こちらでは「Big 50」という言い方で、Baby Boomers(ベビーブーマーズ)は、元気に楽しく50代を過ごしています。 当日はビジネスパートナーから、私の好きな黄色のバラが贈られて、幸先の良い朝となりました。

1956年の生まれの私と同年齢、ほぼ同年齢の著名人で、ぱっと思いついた人たちは以下です。
  • Steve Jobs:アップル創設者CEO、51歳(1955年2月24日)
  • Bill Gates:マイクロソフト創設者、51歳(1955年10月28日)
  • Steve Ballmer; マイクロソフトCEO、50歳(1956年3月24日)
  • Patricia Cornwell:作家、50歳(1956年6月9日)
  • Tom Hanks:俳優、プロデューサー、50歳(1956年7月9日)
  • Geena Davis:女優、50歳(1956年1月21日)
  • Mel Gibson:俳優、監督、プロデューサー(1956年1月3日)
夫に、50才になった感想は?と聞かれて、「自分自身は特に、49歳の私と50歳の私の違いは感じないけど、人に50歳と言うと、みんなぎょっとした顔をする」と答えました。仕事がら、いろんな人たちに会いますが、最近はミーティングで私は最年長の場合が多く、電通Y&R時代は、常に「最年少のたった1人の女性」という立場だったことを考えると、隔世の感があります。日本で会う方たちは、かなり若い経営者の方が増えてきており、28歳の上場会社の社長さんにお目にかかる機会もありましたが、優秀なアントレプレナーはスタートが早いと実感しています。

年齢を経ることの良さは、「さまざまな経験値が集積されて、毎日起こりえるさまざまな出来事への対応がしやすくなる」、そんな気がします。

バースディナイトは、夫と2人で素敵な食事と音楽を大いに楽しみました。自宅から歩いていける距離にあるイタリア人による本物のイタリアンレストラン「C'era Una Volta」に、7時に予約を入れてくれた夫は、なんとスーツを着込んでドレスアップしていました。近所のレストランなので、ノーメークでカジュアルな格好で行こうと思っていた私は大慌てとなりました。急いでメークアップをして、義理の娘の結婚式用に買ったガウン(日本で言うドレス)と、私がシンデレラシューズと呼んでいるハイヒールをはいて、2人して、レストランに出かけました。レストランはThanksGivingのホリディ中なので、かなり混んでいました。多くの人たちはカジュアルな格好をしていましたが、その中で、私たちはドレスアップをした甲斐があって、ライオンの口から噴水が出ている、角の良いテーブルが取れました(ドレスアップは、レストランでよいテーブルを確保する秘訣です)。イタリアの各地で取れるワインやご自慢のディッシュに大いに舌鼓をうちました。

次は、同じく歩いていける距離の地元Alamedaのライブジャズクラブ「Kelly's」へ移動しました。ピアニストでオーナーのKelly Parkは、自分が好きな時に演奏できるように、このクラブを経営しており、私たちとも顔なじみです。週末には、プロ並の腕を持つアマチュアがステージに立ち、自慢の音楽を披露しています(みんな、もの凄いレベルで、とっても楽しいです)。

50歳のBirthday Girlの私は、夫ともに、大いに食べて、飲んで、聴いて、もちろん踊って、無事に自宅に歩いて帰りました。残りの50年も、この調子でエンジョイするつもりです。



忠犬の死

11/10/2006

 
おととい日本出張から戻りました。今回は、12日間といつもより短い出張でしたが、2つの講演をこなし、新規クライアントや久しく会えなかった方たちとのミーティングもあり、さらに12年ぶりに大学時代の友人たちや従兄弟たちに会ったりと、公私ともに充実した旅となりました。

今回の講演は、広告代理店の営業担当者へのWOMM (Word of Mouth Marketing) の理解を深めるためのもので、 クライアントからWOMMへのニーズが出始めている中で、代理店の対応・認識の向上を図るのが目的で、100名以上の多くの営業の方たちに、お話をさせていただきました。

この講演では事例も含めて、WOMMの基本やポイントを説明しましたが、多くの方たちの実感を得たのは、ウォールマートの偽ブログ(Flog =Fake Blog)の事例です。これは、PR会社のEdelmanが、企業イメージの悪いウォールマートのイメージアップのために、仕掛けた偽ブログで、これがFlogであることが発覚して、WOMMにおける透明性(=身元証明)を強く訴えていたエデルマンがFlogを行ったために、ウォールマート以上にエデルマンに対する非難が高まっています。この典型的な「Bad Mouth(悪口を広めるWOM)」の事例の詳細は、私の日経BPのオンラインのコラムを読んでください。

ここで、ちょっとしたハプニング起こっています。この講演の直後、ちょうどNHKが「クチコミマーケティング」という特集で、企業のために自分のブログで商品を紹介する女子大生を取り上げましたが、その放送終了後に、女子大生のブログが「炎上」してしまったという事件です。番組は、もちろんYouTubeで見ることができます。

今回の出張で、初めて「炎上」という言葉が日本で使われていることを知り、さらにその具体的な例として、この女子大生のブログ炎上事件が起こり、日米間のブログの温度差を実感しています。この炎上も、正々堂々とした論理に基づく批判ではなく、匿名行為による感情的な発言が多かったと聞いています。日本のブロゴスフィア(ブログ圏)では、多くの見知らぬ人たちが感情的にいっせいに動くようで、匿名性の怖さが支配している気がします。アメリカでは匿名で何かすることは、そこに隠さなければならないことがあると思い、匿名行為の発言に対して、一種の胡散臭さを感じて、あまり信頼せず、それに同調することも少ないようです。ですので、「炎上」といった一斉攻撃も少ないですし、一つの感情にみんなが流されるという傾向もあまりありません。

上述のエデルマンのケースでは、CEOのRechard Edelmanのブログは「炎上」していませんが、WOMMA (Word of Mouth Marketing Association) は、11月エデルマンを90日間の保護観察下におくことを発表しました。エデルマンはWOMMAの倫理コードの作成にも関与しており、「透明性=身元証明」こそ最も重要なWOMMの倫理コードであると提唱してきた会社でもあり、その責任は重いとして、このウォールマートの偽ブログ事件を全容を調べるとしています。今後のWOMMの展開で、企業や代理店が最も気をつけなければならない点は、この上記の2つの事件に見られます。以下は、日経BPのオンラインのコラムで書いた結論ですが、これを肝に命じてWOMMを行うことをお薦めします。

旧メディアとも言うべきテレビ、新聞、雑誌の報道や記事の影響力が落ちてしまった大きな理由として、「ユーザーが記事の裏にある“スポンサーのにおい”を嗅ぎ取り、発言の中立性に疑問を持つ」点を指摘する意見がある。一方、消費者がブログを新たなメディアとして評価する大きな理由は、ブログが自分たちにより近い立場と目線で「ヒモつきでない」発言をするからではないだろうか。このポイントを理解せずに、安易に「ブログ=旧メディアの代わり」という発想に飛びつく企業は、大やけどをする可能性をはらんでいる。

「ウォールマート偽ブログ」と日本のブログの「炎上」

11/10/2006

 
おととい日本出張から戻りました。今回は、12日間といつもより短い出張でしたが、2つの講演をこなし、新規クライアントや久しく会えなかった方たちとのミーティングもあり、さらに12年ぶりに大学時代の友人たちや従兄弟たちに会ったりと、公私ともに充実した旅となりました。

今回の講演は、広告代理店の営業担当者へのWOMM (Word of Mouth Marketing) の理解を深めるためのもので、 クライアントからWOMMへのニーズが出始めている中で、代理店の対応・認識の向上を図るのが目的で、100名以上の多くの営業の方たちに、お話をさせていただきました。

この講演では事例も含めて、WOMMの基本やポイントを説明しましたが、多くの方たちの実感を得たのは、ウォールマートの偽ブログ(Flog =Fake Blog)の事例です。これは、PR会社のEdelmanが、企業イメージの悪いウォールマートのイメージアップのために、仕掛けた偽ブログで、これがFlogであることが発覚して、WOMMにおける透明性(=身元証明)を強く訴えていたエデルマンがFlogを行ったために、ウォールマート以上にエデルマンに対する非難が高まっています。この典型的な「Bad Mouth(悪口を広めるWOM)」の事例の詳細は、私の日経BPのオンラインのコラムを読んでください。

ここで、ちょっとしたハプニング起こっています。この講演の直後、ちょうどNHKが「クチコミマーケティング」という特集で、企業のために自分のブログで商品を紹介する女子大生を取り上げましたが、その放送終了後に、女子大生のブログが「炎上」してしまったという事件です。番組は、もちろんYouTubeで見ることができます。

今回の出張で、初めて「炎上」という言葉が日本で使われていることを知り、さらにその具体的な例として、この女子大生のブログ炎上事件が起こり、日米間のブログの温度差を実感しています。この炎上も、正々堂々とした論理に基づく批判ではなく、匿名行為による感情的な発言が多かったと聞いています。日本のブロゴスフィア(ブログ圏)では、多くの見知らぬ人たちが感情的にいっせいに動くようで、匿名性の怖さが支配している気がします。アメリカでは匿名で何かすることは、そこに隠さなければならないことがあると思い、匿名行為の発言に対して、一種の胡散臭さを感じて、あまり信頼せず、それに同調することも少ないようです。ですので、「炎上」といった一斉攻撃も少ないですし、一つの感情にみんなが流されるという傾向もあまりありません。

上述のエデルマンのケースでは、CEOのRechard Edelmanのブログは「炎上」していませんが、WOMMA (Word of Mouth Marketing Association) は、11月エデルマンを90日間の保護観察下におくことを発表しました。エデルマンはWOMMAの倫理コードの作成にも関与しており、「透明性=身元証明」こそ最も重要なWOMMの倫理コードであると提唱してきた会社でもあり、その責任は重いとして、このウォールマートの偽ブログ事件を全容を調べるとしています。今後のWOMMの展開で、企業や代理店が最も気をつけなければならない点は、この上記の2つの事件に見られます。以下は、日経BPのオンラインのコラムで書いた結論ですが、これを肝に命じてWOMMを行うことをお薦めします。

旧メディアとも言うべきテレビ、新聞、雑誌の報道や記事の影響力が落ちてしまった大きな理由として、「ユーザーが記事の裏にある“スポンサーのにおい”を嗅ぎ取り、発言の中立性に疑問を持つ」点を指摘する意見がある。一方、消費者がブログを新たなメディアとして評価する大きな理由は、ブログが自分たちにより近い立場と目線で「ヒモつきでない」発言をするからではないだろうか。このポイントを理解せずに、安易に「ブログ=旧メディアの代わり」という発想に飛びつく企業は、大やけどをする可能性をはらんでいる。






    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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