ひさみをめぐる冒険
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ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



がんばれポニーテールCEO!

4/28/2006

 
Picture
昨日とおとといに引き続いて、Sunの話です。

新CEOのJonathan Schwartzのポニーテールは有名ですが、彼がSunのCEOになったからには、このヘアースタイルをやめたほうがいいと意見も出ているようです。

私は個人的には男性のポニーテール姿はあまり好みませんが、シリコンバレーのレジェント企業であるSunのCEOが、ポニーテールをキープするのは大いに賛成です。これは彼のスタイルであり、彼の自然で魅力的なスマイルとメガネとマッチして、非常に好感が持てます。

Baby BoomersからGeneration Xという新しい世代に、CEOのバトンが渡されたわけですから、他との企業との差別化においても、彼のポニーテールは「新生Sun」のブランディングにお いて、不可欠な要素です。 彼のポニーテールは、新生Sunの企業としてのチャレンジのシンボルだと思います。周囲のつまらないステレオタイプな意見に耳を傾けずに、ポニーテール姿 で過激な発言をしていくことを期待します。

「がんばれポニーテールCEO!」


McNealyisms(マクニーリイズム)

4/27/2006

 
今朝のSFクロニクルのテックブログで、面白い表現を見つけました。

「McNealyisms(マクニーリイズム) 」

昨日退任したSun MicrosystemsのCEOのScott McNealyのアンチMS語録を、Cnetが、まとめて、こう表現しています。これは、なかなか読み応えがあります。

"Probably the most dangerous and powerful industrialist of our age." (Microsoft Chairman Bill Gates)

"Ballmer and Butt-Head." (Microsoft CEO Steve Ballmer and Gates)

"A giant hair ball." (Microsoft's Windows and Windows NT)

"When Steve Ballmer calls me wacko, I consider that a compliment."

"General and motors." (Microsoft and Intel)

"Windows More Errors" (Windows ME)

"Look Out" (Microsoft's Outlook)

"The Corvair of Web servers, unsafe at any speed" (Internet Information Server)

"Captive Directory" (Active Directory)

".Not," ".Not Yet" and ".Nut" (Microsoft's .Net development strategy)

"The beast from Redmond" and "the evil empire." (Microsoft and its headquarters.)

彼のこの表現を見ると、確かに骨の髄からアンチMSの姿勢がうかがえますが、素人の素朴な疑問として、そこまで敵視する必要はなかったのでは?といった感想も生まれてきます。

ライバルがあることは、企業競争のみならず、個人あるいはスポーツの世界でも、それは有効に機能して、その人・チームにいかに打ち勝つかという猛烈な Motivationを生み出して、結果技術の進歩向上へとつながります。彼のこの気概は、多分「吉」と出て、Sunの成長につながっっていったと思いま すが、激しい言葉です。

しかし、MSは大変ですね。ありとあらゆる企業から嫌われていて。世界中に独占的なシェアを持ちながら、こんなに嫌われる企業も珍しい...。

シリコンバレーのNew Wave

4/26/2006

 
「Mr. Sun」と呼ばれて22年間Sun MicrosystemsのCEOだったScott McNealyが、ステップダウンします。彼は51歳、新CEOのJonathan Schwartzは40歳と、SunのバトンはBaby Boomers(ベビーブーマズ)からGeneration X(ジェネレーションX)へ渡されました。

新聞によると、McNealy と同じヴィジョン"The network is the computer"を共有するSchwartzは、2人の違いを、"What is going to be the difference between the two of us, Scott plays hockey and I don't play hockey. Scott has a shorter haircut." と言っています。McNealyのアイスホッケー好きは有名で、またSchwartzのポニーテールの髪型も有名で、アナリストによると、年齢と趣味とへ アースタイルは違っても、2人の目指すヴィジョンや戦略は同じなので、ドラスティックなSunの変化は、ありえないと言っています。

ドットコムバブル時には(2000年)、63ドルまで上がったSunの株価は、その後急落して低迷を続けており、昨日(4/24)このCEOの交代を聞い て7%アップして5.35ドルに上がりました。第1四半期の数字は、収益は32億ドルと前年同期から21%上昇していますが、利益に関しては2億1700 万ドルの損失で、前年同期の2800万ドルnの損失をさらに大幅に上回る結果となっています。先週から流れていたMcNealyのCEO退任の噂は、こう した数字のプレシャーとともに、シリコンバレーのレジェントとして、ビジネスの復活を急務とされるSunへの期待の大きさを現しています。自らが始めた企 業を22年間も舵取りをしてきて、シリコンバレーのカリスマティックなリーダーとして、常に注目を集めていただけに、進退の時期を、Bestなタイミング で決定するのは非常に難しかったと思います。

創設者がCEOの場合の「退け時」は、特に難しく、またその後継者選びは通常困難を極めます。このベイエリアでその点を非常にうまく行った企業は、eBay (Pierre Omidyar)、Google (Larry Page & Sergey Brin)、Yahoo (David Filo & Jerry Yang) などで、彼らは起業した後、早い時期に、経験のある優秀な経営者をCEOに迎えて、自らは最高責任者としてビジネスを実行する役目から離れています。

今回のSunの場合は、McNealyなしで、今日のSunの存在自体がありえなかったので、上記の企業のようなケースとは異なりますが、「退け時」の難しさは、その任期が長ければ長いほど、より困難になっていきます。AppleのSteve Jobsのブーメラン型CEO返り咲きで成功する稀なケースもありますし、1977年にOracleを興して、その後約30年間CEOとして君臨するLarry Ellisonの 場合もあります。AppleもOracleも、ビジネス戦略において、新製品・新市場への参入、さらに競合会社の買収も含めて、どんどん進化を遂げて成長 しており、さらに両者のカリスマテッィクな個性と企業イメージとの密接な関係においても、JobsとEllisonの早期の退任は考えにくい現状です。

後継者の育成、これは企業の大小にかかわらず、非常に重要な課題です。私もシリコンバレーの小さな会社の経営者なので、この点は常に考えていますが、現実は厳しく、忙しさにかまけて、なかなかその機会がありません。

「一期一会」を信じて、将来の後継者に出会うことを期待しています。

サンフランシスコ大地震

4/13/2006

 
昨日は、Easter(イースター)とTax Filing(確定申告)の締め切りが重なり、さらに記録的な長雨状態のサンフランシスコべイエリアは、なんとも気が重い気分で、本格的な春を迎えました。場所によっては地すべりによる家屋のスライドや浸水なども起きており、みんな「ノアの箱舟」が必要になってきたと言っているほどです。我が家は、確定申告の支払い金額を見て、思わず「ノアの箱舟」に乗って、逃げ出したくなる気分で、「またしても働けど働けどわが暮らし楽にならざる、じっと手を見る」という石川啄木状態に陥りました。

また、明日4/18には、1906年のサンフランシスコ大地震から数えて100年目にあたり、地元のマスメディアでは特集を組んで、当時の地震時の被害やさまざまなストーリーを、TVや新聞などで紹介しています。

私は日本で育ったせいか、地震に対する恐怖があまりなく、生活の中で地震自体はつねに起きるもので、大地震がきたら、なるようにしかならないという、心境 で生活しています。こちらへきてすでに10年が過ぎましたが、過去何回かJaMのオフィスのある6階が、私にとっては軽い揺れを感じましたが、日本で経験 したような、物が落ちてきて机の下に隠れたり、外へ避難したりという大きな地震の経験がありません。

サンフランシスコの有名な大地震は以下の2つです。

1906年4月18日: M7.8に相当する(8.25 Richter Scale)直下型大地震で、地震以上にその後3日間にわたって燃え続けた大火災が、20世紀初頭の文化的にも経済的にも最も豊かな都市の一つであったサ ンフランシスコは、消失してしまいました。公式発表ではおよそ500人が死亡(これには移民、特に中国人が含まれていないので、推定3,000人とも言わ れています)、25万人が自宅を失い、2万8,000棟の建物が全半壊して、経済的な損失は、当時の金額で5億ドル、現在の価値に換算するとおよそ推定 90億ドル(約9,900億円)という莫大なもので、作家ジャック・ロンドンは、「サンフランシスコはなくなってしまった。思い出だけを残して。(San Francisco is gone. There is nothing left but memories)」と表現しています。

1989年10月17日:この大地震は7.1(Richter Scale)、62人の死者、3,757人の負傷者、1万2,000人が家を失い、総額30億ドル(3,300億円)の被害で、1906年の大地震以来始 めて、市内のエネルギーが完全にシャットダウンして、暗闇になったと報告されています。ちょうど、メジャーリーグのワールドシリーズ「SF Giants vs Oakland A's」という地元ベイエリアのブリッジシリーズの対決のさなかで、大地震がおきて、ゲームは中断され、ベイブリッジは陥没するなど、記憶に残る地震となっています。

こうした地震の話題を目にして、ふっと思い出したのが、亡くなった母方の祖母の話です。母は伊豆大島で生まれており、祖母は1923年の関東大震災を、伊豆大島で経験しています。私が子供の頃、祖母が語った関東大震災の記憶は、とても不気味なもので、祖母の住む野増村は伊豆半島に面しており、夜になる対岸の伊豆の国道を走る自動車のライトが見えるくらいの距離です。

「揺れが来る前に、前浜から急に海水がひいていって、今までに見たことがない海の底が見えてきた。伊豆半島まで渡っていけるぐらいに、急に水がなくなっ て、不気味な海底が現れた」と言っています。その後、急に大きな揺れが来て、また一気に海水が戻ってきたと、その恐怖の海の風景を、祖母は私に語ってくれ ました。

関東大震災は、伊豆大島の海底が震源だと言われており、M7.8で、小田原と三浦半島の2ヶ所に同時に双子型の地震が起こり、、以下の数字に見られるように、地震直後の大火災によって、莫大な被害を関東全域にもたらしています。

死者・行方不明者 : 10万5千余人 
避難人数 : 190万人以上 
住家全壊 : 10万9千余 
住家半壊 : 10万2千余 
住家焼失 : 21万2千余(全半壊後の焼失を含む)

私が、急に祖母の話を思い出した理由は、Easterのせいか、今週末は「十戒」というチャールトン・へストン主演のハリウッド映画の記事を目にして、神が海を真っ二つ割るシーンを思い出し、ふと地震とこの海を渡るモーゼの話の関連性に興味を持ったからです。

モーゼがイスラエルの民を連れて、エジプトから逃れる際に、神が海を真っ二つに切り裂いて、イスラエルの民が渡り終えると、追ってくるエジプトの軍隊は海 に飲み込まれる、これは、地震と津波の関係で、海が祖母の話のように急にひいていって、イスラエルの民が海底を渡れた、そんな気がしてなりません。

ノアの箱舟(確かに大洪水がこの時代に記録されている)や、Jesusが湖を歩いて渡った話(最近の科学者の発表によると、塩分濃度の高い湖面が凍って、 Jesusが渡ることができた)など、奇跡と言われるものには、必ず何らかの気象条件による後押しがあって、奇跡が起こると思います。

祖母の言葉から、「十戒」まで関連させるのは、私らしいかもしれません。世界はつながっています。過去も現在も未来も含めて...

SFはGoogle & EarthLinkチームをWi-Fiネットワークに選択

4/7/2006

 
昨年の10月にGoogleの進化と して、検索エンジンビジネス以外で、目だった彼らの動きを、コラムに書きましたが、今朝、正式にサンフランシスコ市は、Google & EarthLinkチームを、昨年9月30日から募集していた、「市内全域のWi-Fiサービス計画」のワイヤレス・インターネット・コネクションサービ ス提供の受注会社として、選んだことを発表しています。

これは、SF市長のGavin Newsomが、 デジタルデバイドに苦しむ低所得者層にインターネットアクセスの機会を提供するために、45日の入札期間で各企業に受注申請を呼びかけていたモノです。昨 年のグーグルの申請は、テレコム(電話会社)、ISP、ケーブルTV会社など、Wi-Fi事業関連の既存企業、およびグーグルの直接的な競合のインター ネット企業に大きなショックを与えました。実際にグーグルがこれを受注した場合、電話線やケーブルモデムによるブロードバンド接続に多額の投資をしてき た、SBC Communications、Comcastは、自社の有料契約者を失うことになり、Yahoo!、MSN、AOLといったポータルサイトも、グーグル の直接ネット接続サービスで、ポータルユーザ流出の可能性も出てきます。この計画への申請会社は以下です。

MetroFi Inc.
Razortooth Communications LLP
NextWLAN Corp.
Communication Bridge Global Inc. 
SF Metro Connect (CiscoとIBMがバックについているNPO団体)

昨年10月5日、フィラデルフィアの市内Wi-Fiサービス計画の受注は、すでにEarthLinkに決定しており、実績を持つEarthLinkと、資 金力が豊かで潜在的なビジネス拡大能力を持つGoogleとのタッグチームは、そのブランド力も含めて、SF市に選ばせる結果となっています。

SF市長のNewsomとGoogle Boys(Sergy Brin & Larry Page)の 親しい個人的な関係も報道されていますが(スイスで行われたダボス会議への出席に、市長はGoogleのプライベートジェットを使って出席している。この 航空運賃として、市長はGoogelに1000ドル払っている)、Googleというブランドを活用するSFのWi-Fi計画は、よりパブリックの注目を 集めて、計画の開発実行をしやすくする効果があり、個人的な関係は、あまり選択に影響を及ぼしたとは思いません。

サンフランシスコ・ベイエリア(シリコンバレーを含む)で、Generation Xのセレブレティとして有名な、SF市長Newsom(38歳)、Google Boys(Sergy Brin & Larry Page:32歳)、Yahoo!の創設者Jerry Yang(37歳)は、個人的にも親しいと報道されていますが、これは、世代が同じということだけではなく、既存の権威や常識にあえて立ち向かう、共通の値観観が、親しくさせる求心力となっている、そんな気がします。


パブリックリレーションズの下手さが気になる

4/5/2006

 
今日、何気なくFortune Magazineを読んでいて、久しぶりにMSのCEOのSteve Ballmerの写真とインタビュー記事を目にしました。

運が悪いことに、彼のB/Wの掲載写真は、なぜかTyco Internationalの元CEOで脱税と公金横領(6億ドル)で現在服役中のDennis Kozlowskiに そっくりで、思わず私は「怖い顔」だと、叫んでしまいました。オンラインの同じ記事では、メガネをかけた別なカラー写真が掲載されており、そこでは、そん なに怖いという印象はありませんでしたが、なぜか本誌ではコズロウスキーそっくりの悪人顔みたな写真が掲載されており、私は思わずMSの広報担当は、いろいろ苦労があるなと思いました。

MSは、不幸なことに、世界で最もマーケティングの上手なAppleや、今一番勢いがあって何かと話題に事欠かないGoogleとライバル視されており、アンチMS包囲網の中で、なんとなく分が悪い状況です。Bill GatesやSteve Ballmerの発言や行動も、Steve JobsやGoogle Boysに比べて、人の気を惹くような面白みにかけて、イマイチぱっとしません。

このFortuneの記事の中で、「Do you have an iPod?」という質問に対して、Ballmerは「自分も自分の子供たちも持っていない」、と答えて、さらに

「I've got my kids brainwashed: You don't use Google, and you don't use an iPod(子供たちに対して、GoogleとiPodを使うな、という洗脳をしなければならない)」と答えています。

私は、この言葉を見て、「ここまで言わなくてもいいのに、これだから、アンチMS的な声が起きやすいんだ」と実感しました。彼は当然トップの人間としてメ ディアトレーニングを受けていると思いますが、MSのパブリックイメージを考えながら、気をつけて発言しないと、さまざまなBad Mouthを生み出します。

「洗脳」という言葉も、MSのCEOとしての発言でなければ、ジョークとして受け取れますが、この記事と写真のコンビネーションから生まれた読者の印象は、ちょっと「ぎょっとさせる」ものがありました。

MSのCEOの子供たちは大変ですね....

    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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