ひさみをめぐる冒険
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ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



ブログ納め:今年もお世話になりました。

12/31/2009

 
日本はすでに2010年の元旦に入りましたが、ここ米国はまだ大晦日です。過去一週間は、自転車にフォーカスして、12/25の20マイル(32.18km)走った「クリスマス・ライド」以来、毎日夫と2人で20マイル以上を走っています。

夫は、トライアスリートの息子から、レーシング用のイタリア製自転車Pinarelloの2000年のPrinceを買って以来、もう夢中で走りまくっています。私は、この「伝説的な自転車Prince」に乗る夫に追いつくために、必死にペダルをこいでいますが、加速力がまったく違うPrinceは、夫がちょっと本気でペダルをこぐと、一気に100m以上の差が出るくらい速く、夫は「ウサギと亀のウサギ状態」で、常に先のほうでウォーターボトルを飲み干しています。息子は、この自転車でフランスで行なわれたアイアンマンレースの予選参加のためにアルプスの山越えもしたことがあり、我が家にとっても「伝説的な自転車」です。今はMBAの最終学年で勉強中の彼にとっては、キャッシュが最も重要で、この夫の自転車の購入は、親父と息子にとって、WinWinの関係です。

今年は、JaMの仕事面で振り返ると以下のような事を行ないました。

  • 2009年2月10日講演:株式会社リクルートエージェンシー主催セミナー「シリコンバレー発、グローバル人材として活躍する経営者、エグゼクティブの条件・最先端レポート!」()
  • 2009年2月12日講演:CIAJえくすぱーと・のれっじ・セミナー「米国消費者のオンラインライフが示唆するマーケティングのパラダイムシフトとは?」
  • 2009年2月13日ジャムセッション:第2回の「JaM Media Session in Tokyo」
  • 2009年3月オーディオブック「なぜオバマが勝てたのか?-オバマキャンペーンから学ぶ最新マーケティング&コミュニケーション事情」
  • 2009年6月29日東急エージェンシー発行『YouTube時代の大統領選挙-米国在住マーケターが見た700日のオバマキャンペーン・ドキュメント』発売
  • 2009年6月30日基調講演:日経BP社/日経ネットマーケティング主催「NETMarketing Forumn 2009」の特別セミナー「ソーシャルメディアを駆使して成功したオバマキャンペーン~米国WOMマーケティング最新事情」(
  • 2009年7月1日ジャムセッション:第3回の「JaM Media Session in Tokyo」
  • 2009年7月2日ラジオ出演:J-WAVEの「JAM THE WORLD」にライブ出演して『YouTube時代の大統領選挙』を語る
  • 2009年7月31日第5回レポート発行「JaM Report Vol. 5:米国最新マーケティング事情(83ページ)」
  • 2009年8月5日ヴィデオ出演:東急ケーブルTV局放映の『YouTube時代の大統領選挙』のインタービューヴィデオ
  • 2009年9月3日パネルディスカッションに参加:「ad:tech tokyo」のパネルディスカッション「モバイルを含めたコミュニケーションミックス」のパネリスト
  • 2009年9月11日ジャムセッション:第4回の「JaM Media Session in Tokyo」

これ以外にも、さまざまなことを行ないましたが、厳しい経済環境の中で、上記のようなことが出来たこと自体、感謝すべきだと思っています。

新しい年がどんな年かは、わかりませんが、Betterな年であることを祈念しつつ、今年のブログ納めとしたいと思います。皆様にとって、来年が良い年であるように、心から、お祈り申し上げます。

PS: お願いですが、できれば、私の書籍「YouTube時代の大統領選挙」を購入いただけると、助かります。少しでも頻繁に日本に行くための費用がここから生まれれば、最高です(笑)。


Happy Holiday!

12/26/2009

 
12月25日、アイランドシティのAlamedaのクリスマスの朝は、いつものように暖かく明るい日差しの中で、始まりました。夫と2人で、2つの島を2時間のクリスマスライド(自転車)して、潮風と太陽を吸い込んできました。

2人とも気分は爽快で、大いにお腹がすいて、早速クリスマスディナーの準備にかかりました。スパークリングワインをあけて、まずは乾杯。バックヤードで、ステーキやアスパラガスをグリルして、サラダ、チーズ、フルーツなど、おいしいキャビネを飲みながらの、2人だけのフィエスタは最高でした。我が家のツリーとサンタさんは、相変わらずで、いつものアイランドのクリスマスが静かに過ぎていきました。
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Twitterの分析による「2009年トレンドのトピックス」

12/16/2009

 
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6月のイランの大統領選挙の際に、Twitterがイラン市民の主要なコミュニケーションツールとして活用されて、一気にグローバルな注目を浴びましたが、それを反映したせいか、News Eventsのカテゴリのトップは、ハッシュタグ付の「#iranelection(イラン選挙)」で、4位に「Iran(イラン)」、5位に「Tehran(テヘラン)」とイラン関連用語が並んでいます。これは、私にとっては意外な結果で、そこまでイラン大統領選挙でTwitterがヘビーに使われたのかと思い、思わずTwitterが果たした「コミュニケーションの民主化」を実感しました。

Peopleのカテゴリでは、トップは予想通り「Michael Jacson(マイケル・ジャクソン)」で、第2位に英国の「Britain's Got Talent」で準優勝となった「Suzan Boyle(スーザン・ボイル)」がつけて、3位には同じくAmerican Idol(アメリカンアイドル)の準優勝の「Adam Lambert(アダム・ランバート)」が入っています。スーザンは、「YouTubeセンセーション」と呼ばれて、全世界の注目を集めましたが、彼女のデビュー曲「I Dremed A Dream」は予約の段階でミリオンセラーとなり、今はビルボードを驀進中です。さらにアダムはアメリカンアイドルで初めてゲイであることをオープンにした男性です。先月のAMA受賞式で、セクシュアルなダンスで歌唱したために多くの非難を受けて、朝のトークショウの出演がキャンセルされるというスキャンダラスな存在です。オンラインで注目を集める要素としては、良くも悪くも「センセーショナルな部分」が必要で、この両極端な2人の例は、それを示唆しています。

Technologyのカテゴリでは、1位「Google Wave」、2位「Snow Leopard」、3位「Tweetdeck」、4位に「Windows 7」という順位で、Google、Apple、Twitter、Microsoftとテクノロジー業界の雄をトップ4に入ってきています。Windows 7が4位というのは、いろんな意味で中々健闘していると思えます。

おのおののカテゴリのトップ10を見ると、どれも予想可能な順当なランキングで、一般の人たちがTwitterでさまざまな検索をしていることがよくわかります。ライブでリアル検索が可能なTwitterの良さは、今年1年でどうやら実証されたようです。
昨日Twitterが発表した今年のトレンドのトピックスは、中々興味深い結果となっています。キーワード、ハッシュタグ、フレーズを分析して、以下のように7つのカテゴリで各々トップ10を選んでいます。

「ヘルスケアリフォーム攻撃のヴィデオ」に見る米国のリアリティ

12/8/2009

 
民主党内では年内に何とか「ヘルスケアリフォーム」を議会で通すために、60議席の民主党上院議員の賛成投票を獲得すべく、様々な交渉が党内で行なわれています。「アンチヘルスケアリフォーム」を旗印とすると共和党議員は、とにかく「審議を遅らせること」を戦術として、シニア層を中心とするコンサーバティブな人たちに、Obama(オバマ)政権の提唱するヘルスケアリフォームは莫大な金額の税金を使い、ヘルスケア改良には機能せず、社会主義国のように政府が国を乗っ取るという、脅し戦略をとっています。。そんな状況下で、私も思わず「何、これ?」と驚いてしまったのが、アンチオバマ政権&アンチヘルスケアリフォームの広告です。これはRay Griggsが制作した「I Guess I'm Racist」という1分間のヴィデオです。「オバマ政権のヘルスケアリフォームに反対するだけで人種差別主義者と呼ばれるならば、自分も人種差別主義者かもしれない」とつぶやく、様々な年齢、性別、人種の一般の人たちが登場します。


しかし、この広告は、事実や論理を無理やり捻じ曲げて、ヘルスケアリフォームを人種差別でくるむという、非常に悪意に満ちたテーマのツイストです。もちろん、常識のある人は「何を馬鹿なことを言っているんだ」と一笑に付すかもしれませんが、問題はこういうプロパガンダをそのまま信じてしまう人たちが、米国に多く存在するというリアリティです。このヴィデオは、Congressional Black Caucusのディナーで、Jesse Jacksonが、黒人下院議員に向かって語ったスピーチの中の発言「You can't vote against health care and call yourself a black man」をモチーフにして制作されていますが、言うまでもなく、この発言に関して、オバマ大統領にできることは何もありません。

アンチオバマの人たちの中には、大統領は出生証明書を提示しているにも限らず、いまだに「大統領は米国市民ではない、あるいは大統領はクリスチャンではなくイスラム教徒だ」と思っている人が多く存在し、Tea Party、Birthersというムーブメント(?)を起しています。彼らは、「オバマ大統領の存在」を受け入れられない人たちで、「厳しい経済環境下で自分の思い通りにならない人生への怒り」を大統領に投げつけています。このヴィデオ制作に代表されるような人たちは、こうした怒りに満ちたアンチオバマの人たちの憎悪をさらにかき立てるために、意図的にヘルスケアリフォームにまで、人種差別というガソリンを注いでいます。

プロパガンダは、往々にして、内容をシンプルにして、扇情的、あるいは感情的な言葉で何度も繰り返すと、その効果が表れてきます。このヴィデオには、そうしたプロパガンダの特徴が活かされています。オバマ大統領は、「米国民を常識のある大人として接する」と宣言して、その通り実行しています。ただし、Tea PartyやBirthersの参加者のように、持って行き場のない理不尽な怒りを持つ人たちには、そうした常識は通用しません。

米国在住も15年とかなり長くなってきましたが、時々こうした米国のリアリティに直面して、「南北戦争はまだ終わっていない」、それを実感します。


どうやら米国民の過半数は、オバマ大統領のアフガン戦略を受け入れたみたいです。

12/7/2009

 
"Hard to sell(売るのは難しい)"

Nielsenによれば4080万人が視聴した12/1のObama(オバマ大統領)のアフガニスタン戦争戦略のスピーチを見ていて、真っ先にアタマに浮かんだ言葉です。

大統領は「2008年の最も優れたマーケター」に選ばれたほどのマーケティングの巧者です。そのマーケターとしての類稀なるチカラによって、民主党内ではHillary Clinton(ヒラリー・クリントン)に打ち勝ち、本選挙で共和党のJohn McCain(ジョン・マケイン)を破って大統領になりました。就任後も、大恐慌以来の全世界経済危機の中で、効果がないと批判されながらもTARPや経済刺激策などを推進し、歴代の大統領の難問である「ヘルスケアリフォーム」の立法化に着手し、さらに地球温暖化への米国の本格的な取り組みを示し、クリーンエネルギーの推進など、枚挙に暇がないほどの多岐にわたる問題を、国民にマーケティングしています。彼を見ていると「他にスタッフはいないのか?」と思うほど、すべての問題をいつも大統領が直接国民に説明しています。もちろん、大統領以上にスピーチや説明の上手な人がいないという事実もありますが、「Accountability(説明責任)」を一身に背負った大統領を見ていると、何とまあ大変な仕事だと思います。

ただし、そんなスーパーマーケターの大統領でも、「3万人の増兵(結果合計米軍兵士の数は9万8000人)と2011年7月(18ヶ月間)に状況が許せば、米軍は撤退し始める」というアフガニスタン戦略は、簡単にマーケティングすることが出来ませんでした。スピーチ直後の大統領への民主党内および一般のリベラル派からの非難は物凄いものがあり、大統領のウエブサイトに「戦争推進のために大統領に投票したのではない」というコメントも出るほどで、反戦活動が盛んなサンフランシスコではデモもありました。また、共和党からは米軍撤退の期日をセットしたことによって、テロリストはそれを逆手にとって利用するし、米国勝利に至るまで撤退すべきではないという批判もでています。また、メディアや政治評論家と称する人たちも、負債が増え続ける米国は、米軍兵士1人に付き年間100万ドル(1億円)の費用がかかり、3万人分合計300億ドル(3兆円)をさらにまかなうことが出来ないとして、こぞって大統領を批判して、スピーチ直後の大統領はまるで四面楚歌状態でした。

私はこうしたメディアやリベラル、コンサーバティブの「一方的な非難」を目にしながら、「じゃーどうすれば、アフガニスタンをタリバンの手に渡さずに、テロリストの攻撃から米国を守り、この泥沼化しているアフガン戦争から無事に抜け出せるのか?」と聞きたくなりました。また、アフガニスタン戦争には、米国だけでなくNATOなど関係諸国も派兵しており、オバマ戦略を受けて、各国からさらに合計1万人が派兵されます。お金がないからと言って、単独行動は簡単に出来ません。また、オバマ大統領のスタンスは、基本的には選挙キャンペーンの時から変わっていません。彼は、最初からイラクではなくアフガニスタンがテロリストの主戦場であると主張して、大統領就任後もすぐに2万1000人の兵士をアフガニスタンに送っています。彼を支持して投票した人たちは、「裏切られた」と言っていますが、これも「自分たちが見たいイメージをオバマ大統領に投影して、自分たちにとって好ましいオバマ像を作り上げた結果」であると思います。

そうは言っても、アフガン大統領Karzai政権の不安定さは深刻です。今日のニュースでは、真偽は良くわかりませんが、アフガン政権の中には、マネーロンダリングをしてキャッシュを国外に持ち出そうとしているという報道があり、90%が読み書きが出来ないと言われているアフガンの警察官や兵士を、たった18ヶ月間でタリバンに対抗できるようにトレーニング出来るのか?など、問題は山積みです。イラクと違って国全体の後進性が指摘されるアフガニスタンが、どこまで米国のコミットメントに対応できるのかは見えませんが、他にBetterな方法がなかったから、3ヶ月間悩んだ大統領は決断を下したんだと思います。一度始めた戦争の引き際は難しく、簡単に「一抜けた」と止められるものではありません。

スピーチ直後の12/2の12/2のUSA TODAY/Gallup Pollの調査では、一般的には51-41%の人が、オバマ大統領の戦略を好ましいとしており、共和党支持者の56%、民主党支持者の58%がオバマ戦略を支持しています。

さらに日曜日の朝発表されたCNN/Opinion Research Corporationの調査によれば、米国民の64%は米国の安全保障のためにアフガン戦争は必須のもので大統領戦略に同意するとしており、、34%は同意せず、2%が意見はないということです。
この数字を見ると、米国民の過半数は、「今の時点で他にBetterな戦略がない以上、国家安全保障の情報を最も良く把握して、それに対応する実行能力を持つ最高責任者の大統領の決断を信じるしかない」という結論に達したということだと思います。言うまでもありませんが、国と国、あるいは国とテロリストという敵対関係の中で開始される戦争は、始める前に本当に徹底したディスカッションが必要で、一端始めたら、簡単に後には退けないというリアリティを認識することが重要です。また、戦争の代償はお金だけでなく「市民や兵士の生命の犠牲」という、とんでもなく高価なプライスタッグが付くことをもう一度国民は認識すべきだと思います。

しかし、オバマ大統領ほど、前任者から「莫大な負の遺産」を継承している歴代の米国大統領も、中々いないと思います。彼だって、時には「何でこうなるの?」とボヤきたくなることはあると思います。でも、ここはじっと辛抱して、難題に真摯に取り組んで欲しいと思います。大統領の目の下のクマがますます酷くなっています。


    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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