ひさみをめぐる冒険
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ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



日経ネットマーケティングフォーラムの講演無事終了:ちょっと『Likeの時代』を考えました

7/14/2010

 
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私の出番は夕方の16時半から17時半でしたが、午前中から興味のあるテーマが語られるということで、午前10時会場に入り、午後18時の終了まで、じっくり拝聴しました。合計4人の1時間ずつの講演を拝見しましたが、普段あまり実感レベルで理解できていない仮想空間の『アメーバピグ』が、興味深く、サイバーエージェントの武石幸之助さんのお話で、なぜ1年で会員300万人突破がで来たのかが、理解できました。いかにも「Land of Cutie」の日本市場に受けるかわいらしさを前面に打ち出したアバターは、米国のセカンドライフのキャラとは全然異なる日本独自の世界で、ちょっと子供向けのClub PenguinやFacebookで大人気となったFarmVilleを連想しました。アメーバピグは、仮想空間で自分のアバターを使って他のユーザとリアルタイムの会話やソーシャルを楽しむもので、Twitter的なノリとソーシャルゲームの面白さが加味されていて、若い子達が楽しんでいるのが感じられます。

自分の講演に関しては、出番前にかなり時間があり、何かパドックに早めに入ったホースのような気分で、気合が充実しすぎて、講演が始まった瞬間から爆走状態で、一気にしゃべくってしまいました。皆さんは面白かったとおしゃっていただき、ほっとしています。私の講演のポイントも然りですが、今、人々はソーシャルネットワークの中で、以下のような様々なモーメント(瞬間)をリアルタイムで共有したがっています。

  • Aha! : 「ひらめき」、思いもよらなかったアイディアに気がつく瞬間
  • Wow!:「すごーい」、物凄い驚きの瞬間
  • Happy:「うれしーい」、喜びの瞬間
  • Agree:「納得」、同意する瞬間
  • Oh, yeah!: 「わー」と、感動して思わず叫びたくなる瞬間
  • Great!: 「価値ある」と思った瞬間

今、多く人たちは、楽しいこと、愉快なこと、驚きや納得、価値あること、自分の関心に近いことを、仲間と共有したいと思っています。そんな人々の共有への欲求を、サポートする、あるいは簡単にそれがディストリビュートできる仕組みやプラットフォームを提供し、人々がブランドとエンゲージできるような道筋をつけていく、それがマーケターの仕事です。Facebookの「Likeボタン」に象徴されるように、人が人へ影響するチカラは非常に高まっており、そうしたチカラを持つ消費者の1人1人がソーシャルメディアの中で益々大きなヴォイスを持ち始めています。

『Likeの時代』では、主役はユーザです。彼らはすでにファンなので、彼らをファンから「ブランドのAdvocate(アドボケイト:支持者・擁護者)」にするために、お金だけではなく、アタマとココロを思いきり使う、それが非常に大切だと実感しています。


13日の日経ネットマーケティングフォーラムの私の講演は、好評のうちに無事終了しました。

Twitterの可能性:「Whole Foodsは100万人のFollowersを達成」

7/14/2009

 
日本滞在中、最も質問の多かったのは、「Twitter」に関してです。7月2日の「JaM Session in Tokyo」には、多くの日本のA-list bloggers(ウエブリテラシーが高く影響力のあるブロガーの方たち)の方が参加されて、私のトークセッションは、ライブでTweetされるほど、感度の良いセッションとなりました。ただし米国でも実際のユーザの数は、eMarketerによれば以下の数字ですので、まだまだインターネットユーザの一割にも満たない状態です。

  • 2008年Twitterにアクセスするインターネットユーザ:600万人(インターネットユーザの3.8%)
  • 2009年Twitterにアクセスするインターネットユーザ:1210万人(インターネットユーザの7.4%)
  • 2010年Twitterにアクセスするインターネットユーザ:1810万人(インターネットユーザの10.8%)


それでも、ジャーナリスト、ブロガー、ライター、著名人、政治家といった、個人が多くの人たちにライブで直接話しかけたいと思っている人たちは、どんどん「Tweeple(Twitterを使う人たち)」となっており、米国のTwitterの一般への認知を促進しています。すでに5月のユニークビジター数では、New York Times(1500万)やWSJ(1000万)のサイトを追い抜いて、2000万に達したTwitterは、4月17日のOprahが番組で「Tweet」して以来、一般の認知は急上昇しています。

そんな中で、企業側のTwitterの活用もどんどん顕在化しており、先週ナチュラル&オーガニック製品を扱うスパーマーケット「Whole Foods」が、とうとう100万人のフォロワーズを達成するという快挙を成し遂げました。俳優のAshton KutcherとCNNの「100万人達成レース」は、米国で大いに話題となりましたが、著名人、メディア、ノンテクノロジーの企業が、わずか1年で100万人のフォロワーズを達成するのは初めてです。もちろんの他の企業と同様に、Twitter専用のさまざまなプロモーションをつけて、フォロワーズをキープしています。Whole Foodsは、以下のような部門、トピックス、エリアごとにTwitterのアカウントを設定して、カスタマーサービスやエンゲージメントに徹底利用しています。

  • グローバルトピックス
  • チーズ
  • ワイン&ビール
  • レシピの自動フィード
  • 大都市周辺(シカゴ、ダラス、ヒューストン、ラスベガス、LA、モンゴメリーカウンティ、NY、ヴァンクーバー)
  • 全米各都市
Whole Foodsと同様に、オンラインシューズのZapposは、CEO(7/14現在96万7003人のフォロワーズでもうすぐ100万人です)以下ほとんどの社員がTwitterにアカウント持ち、社員のTwitterアカウントのアグリゲーションサイトもあるほど、ブランディングの一環としてTwitterの徹底的な活用を実施しています。先月、Dellは過去2年間のTwitter活用で、300万ドル(1ドル100円の換算で3億円)のセールスをあげたと発表しており、Twitterによる企業のマーケティング活動はますます活発化しそうです。

日本の講演やトークセッションでもお話ししましたが、FacebookのようなSNSは、Peer(仲間)同士がお互いの近況を共有する非常に「プライベートな場」で、それに対してTwitterは、個人が多数の人たち向けてリアルタイムで情報発信する「パブリックな場」という相違があり、マーケティングやプロモーションに向いているという利点があります。

日米ともども、今後の「Twitterの進化」は見逃せない、それを実感します。


「Influencer Marketing(インフルエンサーマーケティング)」:AmmoとJaMの関係

7/9/2008

 
今日は、久しぶりに、JaMのビジネスパートナーと一緒に、Influencer Marketing(インフルエンサーマーケティング)のパイオニアである「Ammo Marketing」のプレジデントとVP Creative Managing Directorの4人でランチをしました。1年ぐらい、F2F (Face to Face:対面)で会っていなかった2人ですが、全然変わりなく、個人的にはVPは最近結婚をして家を購入したばかりということで、公私ともども絶好調のようです。彼らとの付き合いは、4年前にさかのぼります。JaMがある調査プロジェクトで、「WOMM (Word of Mouth Marketing:クチコミマーケティング)」について調べていた際に、WOMMに特化した優秀な企業として、彼らの名前が挙がってきました。

インフルエンサーには、「Uber Influencer(ウーバーインフルエンサー:業界の専門家たち)」と「Peer Influencer(ピアインフルエンサー:米国人の中に10人に1人いるといわれるコミュニテイ信頼されている人、情報のろ過装置の役目がある)」という2つのタイプがあります。Ammoは、特にこのピアインフルエンサーを独自のインデックスで選択・発掘して、プロジェクトごとにカスタマイズしたプログラムを実施するところにあります。クライアントには、アディダス、リーバイス、ミラービール、ボルボ、マイクロソフト、EA、 TiVoなど、大手企業やユニークな企業が連なっています。

Ammoは、まだWOMMが今のように注目される以前の1999年からインフルエンサーに特化して、彼らを通じて彼の属するコミュニティに、マーケティング活動を行ってきた「インフルエンサーマーケティングのオリジナル」会社です。私たちは、2004年から彼らと付き合い始めて、実際にインフルエンサーを使った調査やブランディング、さらにインフルエンサーマーケティングを実施しました。当時、Ammoは、3人がオーナーシップを持つLLCという会社組織で、社員も彼らを除くと3人ぐらいしかいない、サンフランシスコの独立したブティークエージェンシーでした。3人のオーナーと私たちJaMは、WOMやインフルエンサーに関する考え方やビジネスそのものやり方に共鳴して、彼らと一緒に「JaMMo (JaMMo Marketing) 」という会社を、2006年に作ったほどです。

「JaMMo」では、日本企業向けにJaMとAmmoが一緒にインフルエンサープログラムを実施しましたが、Ammoが、グローバルメディアグループのAegisに買収されてIsobarのネットワーク傘下に入ったことによって、会社としての「JaMMo」は解散しました。今でも、Ammoとの提携サービスプログラム「JaMMo」は、そのまま残っており、必要に応じて、彼らと一緒に仕事をしています。

今では、ニューヨークにもオフィスを持ち、2人とも世界中を飛び回る忙しさですが、グローバル会社に買収された結果として、メリットは何か?とたずねたら、「キャッシュフローに困らなくなったこと(社員の給料の支払いに悩まないですむ)」と正直に答えてくれました。ビジネスパートナーと私は思わず顔を見合わせて、プロジェクトの先払いで常にキャッシュフローに困っていた昔のAmmoを思い出して、大いに納得しました。グループ企業を通さずに、80%は、クライアントが直接プロジェクトを依頼してくる現在のAmmoは、こうしたお金の心配さえなければ、思う存分彼らの価値を発揮できます。

久しぶりのランチで、4人のボルテージは盛り上がりましたが、今後、JaMは自社のコンテンツのクリエイションにフォーカスして、メディア的な存在なろうとしていると話したら、ぜひ協力すると、言ってくれました。こうした今が旬とも言うべき元気な米国のマーケティング企業や注目すべき人たちへのインタビューを今後実施していこうと思っていますので、彼らのビジネスの詳細は改めてブログします。

しかし、オフラインでのF2Fのコミュニケーションの影響力は大きいです。特に、お互いが情報発信のツールを持っているもの同士の会話は、あっという間に、WOM化してしまいます。

Big Mo!(大きな勢い) となった「Yes, We Can!」

2/15/2008

 
やっと宣伝会議3/15号のコラムを書き上げました。スーパーボウルのCMをいろいろ眺めながら、比較分析しています。ご興味のある方はぜひ雑誌を講読してください。コラムを書きながらも、大統領候補選挙が気になって、結局多くの時間をさまざまなニュースサイト、政治サイト、ブログなどで、ついつい深堀しながら読んでいったので、視力の消耗はおびただしいものがあります。特に私は記事やブログそのものより、それに対する読者のコメントに非常に興味があり、100ぐらいは必ず読み込むので、時間がかかります。共和党はMcCain(マケイン)で確定なので、興味はやはり民主党にいきます。

以下の8つの地域で8連勝したObama(オバマ)は、今「Big Mo (Big Momentum:大きな勢い)」に乗っています。

  • メリーランド
  • ヴァージニア
  • ディストリクト・オブ・コロンビア
  • メイン
  • ルイジアナ
  • ネブラスカ
  • ワシントン
  • ヴァージンアイランド

そんなBig Mo!を証明するように、2/2にYouTubeにアップロードされたミュージックヴィデオ「Yes, We Can! - Si, Se Puede!(スペイン語)」は、Black Eyed PeasのWill.i.amによる、オバマサポートのヴィデオで、すでに900万を超えるビューを記録して、あっという間にバイラル化しています。7つの同じヴィデオがオンラインに上がっていますが、Viral Video Chartによれば、2/15現在で911万3313回のビュー、4万9,332のコメントがあり、3,719のブログに書かれています。
Will.i.amは、オバマの1/8のニューハンプシャーの投票後のスピーチにインスパイアされて、今まで政治には一切関わっていなかったけれども、今回初めて自分も関わると思いたってこのヴィデオを制作したと語っています。以下のような著名人がヴィデオに参加して、オバマのスピーチと歌詞は見事に重なり合って、最後に「Hope」という言葉が「Vote」に変わるという流れです。

  • Jesse Dylan
  • Common
  • Scarlett Johansson
  • Tatyana Ali
  • John Legend
  • Herbie Hancock
  • Kate Walsh
  • Kareem Abdul Jabbar
  • Adam Rodriquez
  • Kelly Hu
  • Adam Rodriquez
  • Amber Valetta
  • Eric Balfour
  • Aisha Tyler
  • Nicole Scherzinger
  • Nick Cannon

こういうヴィデオを見ると、つくづく時代は21世紀になったと感じます。YouTubeは、完全に個人がメッセージを発する民主的なメディア(誰でも無料で使える)としての位置づけを確保しています。自らが語りたいメッセージの持つ強さが、この音楽にはよく現れています。政治キャンペーンのテーマソングをミュージシャンに依頼してできたものではないことを、実感させるヴィデオです。

PS: 歌詞はこのブログに出ています。

    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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