ひさみをめぐる冒険
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ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



今度は「iAno」!-「iPhone」がピアノになったみたい?

2/19/2008

 
しかし、Appleの製品には、いろんなアプリケーションが出てきます。本当にアップルにはカルテックなテック・エヴァンジェリストがいることを実感します。

今日、Wiredを読んでいて面白いと思ったのは、「iAno」という「iPhone」のタッチスクリーンをバーチャルなピアノの鍵盤として利用するアプリケーションです。YouTubeにヴィデオがアップロードされていますので、ぜひ見てください(現在、ヴィデオは見られません)。

結構良い音が出ています。一度に5つまで鍵盤を押さえて和音を鳴らすことができて、4オクターブ分の鍵盤は1オクターブごとに表示され、鍵盤の上の矢印に触れると、次のオクターブへスクロールできるようになっているようです。

このiAno以外にもさまざまなアップルのテック・エヴァンジェリストのアプリケーションが出ていますが、私が便利そうだと思ったのは、iTunes用の無料のプラグインで、自分のライブラリで所有している楽曲を分析して、ユーザの居住区に合わせた好きなミュージシャンのコンサート情報をカレンダー化してくれる「iConcertCal」。これはMacでもWindowsでも対応します。これも2人の20代の典型的なテックエヴァンジェリストの男性によるもので、本当にアップル製品が好きな人たちが「こんなのがあったら良いな」を考えて公開しているアプリケーションです。

これだけ見ても、アップルコミュニティの凄さが実感できますし、出てくるアイディアはいかにもファンが考えたようで、アップルブランドとファンたちのエンゲージメントの強さを感じます。

Big Mo!(大きな勢い) となった「Yes, We Can!」

2/15/2008

 
やっと宣伝会議3/15号のコラムを書き上げました。スーパーボウルのCMをいろいろ眺めながら、比較分析しています。ご興味のある方はぜひ雑誌を講読してください。コラムを書きながらも、大統領候補選挙が気になって、結局多くの時間をさまざまなニュースサイト、政治サイト、ブログなどで、ついつい深堀しながら読んでいったので、視力の消耗はおびただしいものがあります。特に私は記事やブログそのものより、それに対する読者のコメントに非常に興味があり、100ぐらいは必ず読み込むので、時間がかかります。共和党はMcCain(マケイン)で確定なので、興味はやはり民主党にいきます。

以下の8つの地域で8連勝したObama(オバマ)は、今「Big Mo (Big Momentum:大きな勢い)」に乗っています。

  • メリーランド
  • ヴァージニア
  • ディストリクト・オブ・コロンビア
  • メイン
  • ルイジアナ
  • ネブラスカ
  • ワシントン
  • ヴァージンアイランド

そんなBig Mo!を証明するように、2/2にYouTubeにアップロードされたミュージックヴィデオ「Yes, We Can! - Si, Se Puede!(スペイン語)」は、Black Eyed PeasのWill.i.amによる、オバマサポートのヴィデオで、すでに900万を超えるビューを記録して、あっという間にバイラル化しています。7つの同じヴィデオがオンラインに上がっていますが、Viral Video Chartによれば、2/15現在で911万3313回のビュー、4万9,332のコメントがあり、3,719のブログに書かれています。
Will.i.amは、オバマの1/8のニューハンプシャーの投票後のスピーチにインスパイアされて、今まで政治には一切関わっていなかったけれども、今回初めて自分も関わると思いたってこのヴィデオを制作したと語っています。以下のような著名人がヴィデオに参加して、オバマのスピーチと歌詞は見事に重なり合って、最後に「Hope」という言葉が「Vote」に変わるという流れです。

  • Jesse Dylan
  • Common
  • Scarlett Johansson
  • Tatyana Ali
  • John Legend
  • Herbie Hancock
  • Kate Walsh
  • Kareem Abdul Jabbar
  • Adam Rodriquez
  • Kelly Hu
  • Adam Rodriquez
  • Amber Valetta
  • Eric Balfour
  • Aisha Tyler
  • Nicole Scherzinger
  • Nick Cannon

こういうヴィデオを見ると、つくづく時代は21世紀になったと感じます。YouTubeは、完全に個人がメッセージを発する民主的なメディア(誰でも無料で使える)としての位置づけを確保しています。自らが語りたいメッセージの持つ強さが、この音楽にはよく現れています。政治キャンペーンのテーマソングをミュージシャンに依頼してできたものではないことを、実感させるヴィデオです。

PS: 歌詞はこのブログに出ています。

米国に戻って…「Super Bowl」、「Super Tuesday」etc.

2/10/2008

 
2月3日(土)に日本出張から戻りました。日本を出る日は、東京は朝から雪が降り、寒さに弱い母ですが、私が帰る日ということで、元気な子犬のように外にでて、玄関の回りの雪かきを始める始末です。私にとって、12年ぶりに目にする日本の雪ですが、母の元気な姿を見て、思わず嬉しくなりました。

今回の出張では4回のおしゃべり(3回の講演とトークセッション=JaM Session in Tokyo)と「JaM Report Vol. 3 (米国最新マーケティング事情レポート)」の完成・納品というミッションがあり、何とかすべて無事に終了しました。前回の1月24日のエントリで最初の講演のことをブログしてから、国分寺の実家やホテルに籠もって、レポートやPPTの作成にフォーカスして、通常の出張のように多くのミーティングは組めませんでしたが、かなりProductiveに仕事をすることが出来ました(その代わり、毎度のことながら、Blogless=ブログレスの日々となってしまいました)。

今回の日本滞在では、講演や打ち合わせ、会食が終わった後、ホテルに戻ると、気になる大統領候補選挙に関する記事やブログを、延々とオンラインで読み始めて、かなり無駄な時間を使ってしまいました。NY TimesやWashington Postなどの大統領選関連情報のeMail alertをセットアップしているので、リアルタイムでアップデイトされた情報がメールされるため、24時間体制(日米の時差の関係)で情報を読んでいました。選挙戦の情報は、個人的に非常に関心が高いので、情報をついつい深堀して(リンクをドンドン掘っていく)、あっという間に時間がたってしまいます。特に今は、「CGM (Consumer Generated Media:消費者創出のメディアやコンテンツ) 」、あるいは「UGC(User Generated Content:ユーザ創出コンテンツ)」の時代なので、政治問題のアナリストやブロガーの分析以上に、それに反応する一般読者やユーザのコメントを少なくとも200ぐらい読むと、コミュニティ全体の考えが見えてきます。こうした傾向を、最近よく「Content to Context (コンテンツからコンテクスト=文脈や背景)」という風に表現しています。今回もホテルでそんなコメントを何百と読んでかなり目をやられました。いつも思いますが、職業柄、私はテクノロジーの恩恵を大いに預かっていますが、それがしばしば私の睡眠時間を削り、神経と肉体の疲労を高めているということも実感します(もう年なんだからいい加減しなさいと自戒しています)。

そんなこんなで2月3日に米国に戻り、日本とは打って変わった暖かな春の日差しを浴びてちょっと元気になった私は、ちょうどSuper Sundayだったので、「Super Bowl」を見るために、張り切って夫ともにワインとチーズを手にして、リビングルームのカウチに座り込みました。飛行機でほとんど眠れない私はゲームもコマーシャルも見ずに寝ていたらしく、夫に言わせると、「珍しくゲーム自体が結構面白く、TVCMは昨年以上にひどく、何も見るところがなかったから、起こさなかった」と言われてしまいました。フットボウルファンでない私はゲーム自体に一切興味がなく、マーケッターとして広告にだけ関心があるので、どっちにしても明日はYouTubeでコマーシャルを見るわと言って、そのままコンピュータも開けずに寝てしまいました。このスーパーボウルのコマーシャルのことは、宣伝会議の3月15日号で書きます(締め切りがもうすぐで、おしりに火がついています、スイマセンいつも原稿が遅れて)。

翌々日は「Super Tuesday(=Tsunami Tuesday)」で、カリフォルニアも含めて大票田の州が投票する大統領候補選挙の一大イベントでした。この日までには絶対に米国に戻るつもりだった私は、朝からソワソワして、宣伝会議の原稿書きにも身が入りません。夫は仕事が終わったら投票に行くと言うので、私も同行しました(私は米国の永住者ですが米国籍ではないので投票権はありません)。教会や高校・中学校などが投票所ですが、私たちが住む小さな島Alamedaも、5時半過ぎの道路は投票に急ぐ人たちで珍しくラッシュアワー状態で、投票を済ませた私たちに場所を聞く人もいて、普段投票しない多くの人たちがいかに今回の選挙に情熱を持っているかという熱気を感じました。結果は共和党はマケインが候補者としての大きな足固めをして、民主党はClinton(クリントン)とObama(オバマ)の引き分け状態で、勝負はますます僅差へともつれ始めています。

しかし、米国民の熱気は凄まじいものがあります。様々なボランティアのとんでもないほどの無償のワークと個人の寄付によって、候補者たちは延々とキャンペーンを続けていくことが出来ます。何百万ドル、何千万ドルというキャンペーン資金はほとんどそうした情熱の証によって集まったものです。つくづく思うのは、アメリカという国の仕組みは、まさにこうした人々のグラスルーツの努力によって支えられており、これなくしてアメリカという国はありえないと言うことを実感します。夫に思わず「投票権を得たいから、アメリカ人になろうかな」と言ったら、彼は「それも可能だけど、すでに君はオバマキャンペーンを日本人に向かってやっているじゃない、それはカタチを変えたサポートだよ」と言われ、まあ確かにと納得しています。ただ思わずもっと巻き込まれたいと思わせるのが、今回の選挙戦です。

オバマキャンペーンのタッグライン「Yes, we can」、この言葉が私は好きです。アメリカに移住して来て、私が何か米国のことでわからないことがあり、なぜそうなの?と夫に理由を尋ねると、彼がしばしば使った言葉が「Because we can」でした。これは、日米の思考回路の根源的な違いのように感じて、大いにびっくりしたことを思い出します。そんなカルチャーショックを受けた私も最近は「Why not?(なぜできないの?)」という発言をするくらい、「Because we can」という考えが身についてきています。「Yes we can」と言って、この言葉を信じて行動する、これがこの国のエネルギーです。傍観者でいるのがつまんなくなるくらい、まだまだ熱いものがあります、この国には。

Micro-hoo!(マイクロフー!)への第1回目の回答は、「No!」みたいです。

2/10/2008

 
Microsoftの446億ドルの買収案への回答が明日Yahoo!からでます。どうやら、Yahoo!のボードメンバーの回答は、Noということらしいです。

過去何回か買収の話が、マイクロソフトからでていますが、今回はさすがのYahoo!もこの金額の圧力によって、株主への対応を考えて受ける可能性があると噂されていましたが、SF Chronicleによると真意は別にして(もっと買収額を吊り上げるためなのか?)、まずは買収を受けないという結論のようです。

次はマイクロソフトがYahoo!の株主に働きかけて、株主側からの圧力でYahoo!首脳陣に決定を覆させるという流れもあり、今後の動きはどっちにしても要注意です。Yahoo!の株価の上昇に反比例して、マイクロソフトの株主はこの買収を快く思わず、MSの株価は31ドルから29ドルまで落ちています。

この合併によってGoogleに対抗するというMSの戦略はわかりますが、アンチマイクロソフトのシリコンバレーのテックジャイアントであるYahoo!が、MSと一緒になるというのは、まるで親が決めた政略結婚に無理やり同意させられかのようで、今後の難しさは山積みです。過激な案として、Yahoo!が検索広告ビジネスを、Googleにアウトソーシングするという動きもあるという見方も出るくらい、この結婚にシリコンバレーの人間はかなりの憂慮を示しています。

Yahoo!には個人的にもいろんな思い出があります。

  • 10年前(1997年頃)、最初にYahoo!の有名な広告(Yahoo!というサウンドロゴをヨーデルのようにして最初に使った)を制作した広告代理店Black Rocketで、当時のYahoo!のいろんなエピソードを聞いたこと。
  • FounderでCEOのJerry Yangのキュービックを、たまたま間違えてのぞいてしまい(今はどうだか知りませんが、当時はみんな社員は平等という意識で、同じサイズのキュービックにデスクがありました)、彼が黙々とコンピュータに向かってコードを書いているのを見たこと。
若き日のシリコンバレーの暴れん坊だった頃のYahoo!を思い出します(まだGoogleが巷の話題に乗らない時代です)。

Yahoo!の収益が芳しくないことは、今に始まったことではなく、JerryがCEOに戻った事自体が、大きな危機感の現れです。Dog Yearとはテクノロジー世界ではよく言われる事ですが、1年間停滞すると、7~8年の差が出るほど厳しい業界です。Yahoo!の後手後手の動きはかなり激しい出血となりそうです。

明日以降の動きは要注意です。

    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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