ひさみをめぐる冒険
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ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



Skypeは、私にとってかつての「吉野家の牛丼」

2/23/2006

 
Skypeは、まるでかつての吉野家の牛丼のタッグラインのようです(吉野家がんばれ!)。

「安い(無料)、早い(インストールも使い方も簡単)、うまい(音質がよい)」。

昨日、仕事のことで、どうしても話したいことがあり、知人の自宅の固定電話、携帯電話、Skypeの3つに、メッセージを残しました。結果、彼女は私にSkypeで連絡してきましたが、理由は、最近携帯電話をSprintからT-Mobileに変えたら、レセプションが悪しく、自宅で受信音が鳴らず、外に出て初めてメッセージが入っていることがわかり、さらにコードレスの固定電話自体のバッテリが長時間持たず、Skypeが今の時点では、長時間通話するには最も信頼できるものだということです。

時代は変わりました。

彼女は、日本とヨーロッパに滞在することも多く、その際にはSkypeを使ってご主人やご両親と話すことがしばしばで、彼女のライフスタイルにとっては、 Skypeはすでに必需品です。また、私のクライアントにも、何気なくSkypeのことを話したら、早速インストールして、日本にいるご主人との電話に使 い始めたということです。私もコンピュータに張り付いていることが多いので、夫に電話する際に、いちいち電話機をとるよりは、SkypeOutして、仕事 をしながらモニターを見て、話すということもしばしばあります。

無料ということの意味は、やはり大きく、私のように国外(日本)の人たちとコミュニケーションをすることが多い人間は、どんどん増えています。情報は Email、ブログやウェブサイトなどオンライン上だけでディストリビュートされているだけでなく、「電話」という2者間の肉声が聞けるパワフルなツール によって、瞬時に世界に伝わります。

デンマークの風刺漫画の 一件も、グローバル化の一端です。全世界のモスリムの人たちがどのくらいSkypeを使用しているかは、わかりませんが、Skyper同士は無料で瞬時に つながります。電話は感情を伝達するには大いに役立つツールです。グローバル化の進行は、思いもよらない速さで進行していると、つくづく実感します(今現 在で、全世界でオンラインのSkyperは530万人、今日までで2億5,880万のダウンロード)。

PS: 無料といいながら、すでに20ユーロ使って、SKypeInやSkypeOutをしており、自分のProfileの表示に好きなセーリングボート写真など 購入しており、ユーザがお金を自然に使う仕組みができています。これも「安い、早い、うまい」のSkypeの上手なビジネスモデルです。


ブータンコネクション:Six Degrees of Separationの証明 

2/23/2006

 
世界はつながっている!

1月25日のエントリーで、 ブータンの「GNH: Gross National Happiness(国民総幸福)」について書きましたが、なんと先日サンフランシスコベイエリアに訪れたブータンのMinister for Home and Cultural Affairs(内務文化省)のLyonpo Jigmil Thinley大臣の直属局長のもとで、日本の知人が勤務していることがわかりました。

しかし、世の中はつながっています。

このブータンの一件は、1967年社会心理学者のStanley Milgramによって紹介された「Six Degrees of Separation(6人の人間を知っていることによって、世界中の人たちがつながる)」という有名な仮説を実証したようで、思わずこれは「Small World Phenomenon)」だなと、つぶやきました。

久しぶりにブータンで勤務中のその方にも、その方に私のブログをEmailで伝えた方にも、連絡しました。ブータンは鎖国状態に近いので、外国人の国内の 移動も許可を必要として、物理的にはなかなか大変だそうです。ただし、ブータンの人々は「性格が穏やかで、顔の表情も柔和で、何故か白髪もメガネやコンタ クトレンズをしている人もほとんどみかけませんし、道端の犬も平和そうな顔で寝ています。」ということです。

そうです、世界は広くて狭くて、人々は離れていてもなぜかつながっています。

私のブログも含めて、この手のCGM(Consumer Generated Media: 消費者によって創出され共有されるメディアやコンテンツ)は、情報がメディアを通さずに、「産直情報」として、Peer 2 Peerで、ダイレクトに交換されています。2月7日現在で、世界には2700万のブログが存在し、毎日120万件の書き込みがあると言われています (By Technorati)。

こうしたブログのビッグバン状態は、この先私たちの生活に大きな違いをもたらしそうです。2056年、今から50年後、私が100歳になった時に、世界は どうなっているのかしら?これは、絶対に自分の目で確認したいので、100歳になっても現役でコンピュータに向かえるように、身体と心を大いに鍛えつつ、 好奇心を失わないようにしなければと思います。


私の名前が危ない

2/14/2006

 
2月11日は日本の建国記念日で、さらに私の母の誕生日です。私にとっては、2つの「母」なるものが誕生した非常に重要な日です。

お誕生日だった母は電話で、かなりデンマークの風刺漫画の一件を気にして、「Davidとあんたは、ヨーロッパやイスラム圏の国に行く予定はないんでしょう?」と念を押していました。

私の本名は、Hisami Rasmussen(日本での戸籍名は、「ラスムッセンひさみ」というちょっと間抜けなカタカナとひらがなの組み合わせです)で、デンマークの首相と同じ 名前です。夫の父方も母方も、デンマークから来ており、日本でいうと「鈴木さん」という感じで、典型的なデンマークの名前です。風刺漫画事件でも、何回も 登場するデンマークの首相Anders Fogh Rasmussenの名前とともに、拡大するイスラム過激派の暴力や怒りを目にするので、なんだか呼吸ができないような重苦しい気分に陥ります。

今日のAP電によれば、アフガンの国境近くのパキスタンでは、2000人のプロテスターが「Death to America」と「Death to Denmark」と叫びながらデモ行進が行われており、すでに風刺漫画の作者たちの死に対して、100万ドルの賞金がかけられて、彼らは警察の保護下に 入っています。うちの夫は、デンマーク系のアメリカ人で、名前がRasmussenですので、とてもこの状況下ではパキスタンに行く事は、考えられませ ん。

伝統的に「言論・表現の自由」を重要視するデンマークでは、ラスムッセン首相は、言論の自由のもとで、私企業が行った判断に政府は介入できないとして、イ スラム諸国が要求する国としての謝罪を拒絶しています。すでにデンマーク製品のイスラム圏(20カ国)での不買運動は拡大しており、被害は16億ドルにの ぼると推測されています。こうした動きに対してデンマークをサポートするグラスルーツの動きも出ており、ベルギーのエンジニア学生Tijl Vercaemerは、ウェブサイトで 「言論の自由のためのデンマークサポート」を呼びかけており、(www.supportdenmark.com/) 、サイト運営の費用のために、「Help the Danes defend our freedom: SUPPORT DENMARK」のスティッカーを、$1~$15で発売しています。

この事件で、つくづく感じるのは、文化の違いによる基本的な価値観の相違です。これは、ベルリンの壁のように簡単には壊せないもので、この壁の存在と相違 を認めて、それに対して双方の異なるジャッジを押し付けないこと、これがコミュニケーションをするための出発点です。もともと風刺漫画は、イスラム社会に は「言論の自由」がなく、表現に自己検閲をしているということを証明するために行われたものです。そこがそもそもおかしい、もし「言論の自由」という価値 観が存在しない社会がモスリムならば、なぜ、それをあえて証明したいのか?西欧社会の価値観「言論の自由」のすばらしさを、彼らに押しつけたいのか?私に は理解できません。

この事件は、漫画という、最もヴィジュアライズしたカタチ、すなわち誰でもひとめでわかり、感情的になってしまうモノをきっかけに、ヨーロッパ社会に住む モスリムの人々の不信感や不満暴発のトリガーがひかれ、西欧世界の反モスリムへの証拠として、政治的・宗教的に利用された不幸な事件だと思います。

私の大好きな司馬遼太郎さんは、文化と文明の違いをこう表現しています。

「文明とは多分に技術的でどの民族でもそれを採用でき、使用できるものを指す。普遍性と言いかえてもいい。これに対し、文化は特殊なものである。他の民族 にはない特異な迷信や、風習、慣習を指す。文明は高度に合理的であるが、人間は文明だけでは暮らせない。一方において、他の民族には理解できない文化を一 枚の紙の表裏のようにして持っている。その不合理性が、民族の内部では刺激的であり、そのユニーク(特異性)が誇りになっている。そういう誇りの中に人間 の安らぎがあり、他者から見れば威厳を感じさせるものがある。」

彼は、また、文明とはジーンズのような普遍的なもので、文化とは着物のような、その民族固有のものだと、言っています。

確かに私たちは西欧文明の産物である多くの普遍的で高度に合理的なものを生活に取り入れています。ただ、それは民族あるいは個々人が、自らの意思によって選択したもので、他者に押しつけられて、いやいやながら獲得したものではありません。

自分がジーンズを毎日はいているのは、自分の選択肢であって、誰からも強制・指示されたものではありません。その視点から考えると、モスリムの人たちが ジーンズを毎日はいて生活している姿は、非常に想像しにくいのが現状です。民族固有の特異なもの、それが文化だとすると、そこから発生する価値観は、個々 の文化をもつ人たちの間で、大きく異なります。

昔、コーヒーのTVCMのキャッチフレーズに「違いがわかる大人のコーヒー」

というのがありました。コーヒーを飲みながら、大人として「違い」を考えながら、静かに話合う、そんな素敵な「コーヒータイム」を望むのは、やはり贅沢なことなのでしょうか?

スーパーボウルのハーフタイムショウ

2/7/2006

 
アメリカ人にとって、スーパーボウルは、 年明け早々の一大イベントで、前日の土曜日から当日の日曜日と、2日間かけて、昼間からビールやワインなどを飲んで、みんなで集まって大いに騒ぐ大切な ビックイベントです。我が家はフットボールファンでもなく、いつもなぜかこの時期にアメリカにいなかったりして、今年40回目のスーパーボウルをまともに 見たのは、今回が初めてです。

この国民的行事は、ゲーム自体の興味よりも、アメリカ中の視聴者がいきなりTVCMの批評家になって、一本250万ドルのコストがかかる30秒CMを、み んなで批評しあうことで、有名です。今回ははっきり言って、どれもこれも「イマイチ」というのが、大方のコメントです。私も日本で16年間広告代理店に勤 務し、米国で10年マーケティングに従事しているプロフェッショナルですが、あえてコメントを出すならば、「どれもこれもつまんない」になります。推定1 億4,140万人(平均9,070万人)が視聴した今回のスーパーボウルのCMがらみの話は、別な機会に分析してまとめます。

このブログで、書きたいことは、スパーボウルのもうひとつの目玉である「ハーフタイムショウ」のことです。

「しかし、NFLは何を考えているのか?」この一言に尽きます。

一昨年のジャネットジャクソンのバスト露出事件ひどいものでしたが、今年は出演のローリングストーンズの歌詞が、「ファミリーエンタテイメントのスーパーボウルにふさわしくない部分があり、その時マイクロフォンの音量を落とした」という1件です。

私は、思わず「2006年のスパーボウルは、1967年のエドサリバンショウ*じゃないぞ!!」と、叫び、本当にNFLは何を考えているのか?アホじゃないか?とあきれかえってしまいました。

*1967年の有名なエドサリバンショウでのストーンズの歌詞の差し替え:
オリジナル:「Let's Spend the Night Together」
エド・サリバンの変更指示:「Let's Spend Some Time Together」

ジャネット事件のトラウマから、オンエアを5分ずらして放送し、さらに性的表現を暗示する歌詞にさしかかると音量を落とす、このばかげたやり方を、なぜ彼 らは実行したのか?ストーンズが歌う歌詞は、30年前とぜんぜん変わっておらず、こんなばかげたことをするなら、彼らをハーフタイムショウに出演させる な!。清潔なファミリーミュージックグループの「オズモンズ」や「パートリッジファミリー」を出せばいいじゃん、と思いました。

The New York Timesによれば、ストーンズも事前にこの音量問題は了解して出演したということですが、ミック・ジャガーは、「まったくばかげている」と言うコメント を、ゲーム終了後に出しています。しかし、いつも同じ曲を、同じアレンジで、同じように歌う、ミックの姿は、歴史的なミュージシャンとは言え、「またか」 という印象を持ち、「もっと工夫はないの?」とABCとNFLに思わず、問いかけたくなります。

ただし、私のように40年もストーンズを聞いている人間と違って、Generation Yには、ストーンズは新鮮に映るようです。以下は、ある10歳の少女のiPodのプレイリストです。

The Black Eyed Peas
Outkast
Christina Aguilera
Jewel
the Stones
the Beatles
Queen
Bruce Springsteen
Elvis
Sinatra
Count Basie

まあ、タイムレスなミュージシャンということになんでしょうけど、やはり私のiPodのプレイリストとはだいぶ様相が違います。ブラックアイドピーズ、アウトカスト、クリスティナ、ジョエルと、シナトラやカウントベーシーが共存する、それがGen Yのようです。


    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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