ひさみをめぐる冒険
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ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



EmailやオフィスでJargon(常套句)を使うのやめよう!

8/29/2019

 
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英国のオフィスで嫌がられるoffice jargon(オフィスの常套句)
以下のグラフは、英国のオフィスで嫌がられるoffice jargon(オフィスの常套句)だけど、私もこうした言葉を頻繁に使う人を見ると、本当に虚しくなる。No-brainer, Game changer, We are on a journey, Mission statement といった言葉は、みんな軽々しく使いすぎて、言葉自体が本来持つべきチカラが疲労してしまっている。言葉に罪はなく、あくまでもこれを使う人に問題があり、この手のフレーズを見ると、オフィスにいる人は逆にしらけちゃうのが現状だと思う。
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英国のオフィスで同僚に嫌われたかったら、この表現を繋ぎ合わせて、こう言えばいい。「I want to touch base about a no-brainer game changer mission statement that you are working on」。これらは、日本でも使い方次第で、多くの人が「何言ってんのか、この人」と言われる表現だと思う。要は、Jargonになるような空疎な言い方をしないことがポイント。
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米国で最も嫌われているemail jargon(eメールで使われる常套句)
今度は、米国で最も嫌われているemail jargon(eメールで使われる常套句)のグラフ。私はこれらの表現はまず使わない。理由は実に「emptyに見える表現」だから。
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特にトップになった、"Not sure if you saw my last email..." この表現は、25%の人が見るとむかっと来る。これは私も見た瞬間、「このう!」って気分になる。
「先日の私のメールは見ていただいたと思いますが、何々について…」とはっきり聞けばいいのに、一見丁寧そうに見えるけど、何とも皮肉ぽくもって回った言い方で、これは誰でもむかつく。
また"Please advise"っていうフレーズも、具体的に何をアドバイスしてほしいかを書いてある以外は、相手に何を具体的に期待しているんだかよく分からず、どうでもいいやって思われる、常套句だと思う。

言葉にはチカラがある。
そのチカラは、それを発する人の意思が乗り移った際に発揮される。オフィスのように、仕事における共通の目的を共有する場では、発言には責任と実行可能なプラン、さらにそれを実践できる行動力が要求される。それが分かっていて、言葉を使う、これがプロとしての常識だと思う。
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PS:マーケティング業界は日米に限らずMarketing Jargon をこねくり回して、周囲を煙に巻こうとする「言葉使い」がいる。これには十分気を付けたほうがいい。彼らはどっかで仕入れてきた「Marketing jargon」を、毎年虫干しして、単純に言葉を言い換えて、周囲に売りつけているだけだから。

なぜこんなに生産性が悪いんだろう?

8/23/2019

 
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こういうデータを見るとちょっと悲しくなる。日本の労働の生産性の悪さが、OECD国の中で目立つ。

アイルランドは時間当たり自国のGDPに労働が平均$102.3の価値を貢献しているが、最下位のチリは$29.0、12位の日本は$46.8と、アイルランドの半分以下。日本は働き方改革とか、小手先ではなく、「働くとは一体どういうことなのか?」ということを真剣に考えるべき。

「そこにいる」こと自体が働くことだと思っている人が多すぎる。「働く」とは目的を達するために、自分の能力を注いで、それを達成すること。長時間働いても、それが目的達成に寄与しなかったら、意味がない。

私は1日に必ず1つだけは何かを達成させようとして、日々努力している。その中には、「嫌なメールに返事する」、「調査レポートのプロポーザル作成」、「「見積もり&請求書作成」、「Book keepingをする」、「出張旅費の精算」などなど、どんな小さなコトでもいいから、何か業務関連のことを成し遂げると決めている。この小さな達成感が、「私の1日の勤務にすっきりとした感覚をもたらし、夜はスパッと眠れる」。

私が金持ちになる素質がないのは、ぼーっとしていられないから。
フランス語「Vacances(ヴァカンス)」の原義は「空っぽ」英語なら「Vacant」。「有閑階級(金持ち)」がすることもなくボーッとしていることの形容。それに反して「Travail(トラヴァーユ)」は「仕事」を意味し、語源は「足かせ(ローマ人がガリア征服の際に捕虜につけた内側にトゲがある拷問具を兼ねた足環)」。この2つのフランス語に彼らのPhilosophyがある。

​「何もしないでボーっとしていること」は、私が最も苦手とすることの1つで、だから私は金持ちになる素質がない。でも「働くコトが楽しく、達成感が高い」ために、1998年に米国で起業して以来、少人数でずーっと効率よく働き、クライアントが満足する価値のあるデリバリをしているので、生産性は非常に高いと思う。

さあ、1日にどんな小さなコトでもいいから、何かを達成する、そんな働き方をしてみようよ。

地球上でその部族固有の言語を話す最後の人となってしまったら?

8/3/2019

 
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​誰かと話すから「言語」は保持されていくのに、自分が部族固有言語の最後の話者だとしたら?と考えると、ぶるっと身震いが起きる。この記事の中で心が震えたのは、以下に抜粋した部分、週末はこういうことを考えるためにあるような気がする。

『A loss  for words たったひとりのことば 絶滅する言語と失われゆく「世界」』 
英語というデジタル時代の共通語が勢力を伸ばし続ける影で、4カ月に1つ、この世界から言語が失われている。言語の消滅が意味するのは、それを話す人々の文化とアイデンティティ、自尊心の消滅だ。消滅した言語の習得を誓った青年、言語のテクノロジー化を試みる学者、一度絶滅した言語を復活させたコミュニティ…。絶滅言語を救う人々を追ったロングストーリー。

多くの子どもは誰に言われずとも物真似をするものだが、ケユクは九官鳥のようにことばを真似できた。彼の父は、白人だが、子どものころにアラウコ地方で過ごしたことがあった。そこはチリ最大の先住民コミュニティ、マプチェ族の住む地域である。彼はケユクに彼らの言語、マプドゥングン語を教えた。本の虫で優等生だったケユクはそれを難なく使いこなせるようになった。そして、小学3年生のときの研究プロジェクトで、先住民族に強烈に心を引かれる。シャーマンの血を継ぐイヴォンヌは、これを見て、先祖が彼を通して話しているのだと考えた。

彼女が血統について伝えると、ケユクは、セルクナム語、そしてほぼ絶滅している南端の近隣民族の言語であるヤーガン語をゆくゆくはマスターし、自分の子どもに伝承したり、場合によっては部族の子孫のあいだに再び言語の種をまくと誓った。14歳のとき、彼は父親と一緒に、チリのアンタルティカ県にある「世界最南端の町」、プエルトウィリアムズを訪れ、ヤーガン語の最後のネイティヴスピーカー、クリスティーナ・カルデロンと会った。それ以来、彼女はケユクに電話で個人指導をするようになった。
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「この言語(セルクナム語)でぼくが素晴らしいと思う点のひとつは、愛を表す語彙の豊富さです。年齢や性別、話す人のあいだの親密さや感情の性質によって、表現が変わるのです。スペイン語では言い表せないようなことがありますよ」

宇宙を語り続けてきた人々

8/3/2019

 
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『A loss for words たったひとりのことば 絶滅する言語と失われゆく「世界」』 

「絶滅しつつある言語」という言葉を見た瞬間に、本来あるべき多様な文化と価値観が地球から消滅しつつあると思い、何とも言えない悲しみに襲われた。言葉を記す術を持たなかった人々は、侵略者に簡単に滅ぼされてしまい、支配者達は必ず自国の言葉を強制し、部族の言葉を取り上げていく。それは過去続いてきた部族の歴史の抹殺で、その部族は確実に自分の世界と価値観を失い、尚且つ部族の歴史や世界観が失われたことに気が付かないという、より悲しい事実の中にいる。前回書いたブログの記事の後半に出てくる、「宇宙を語り続けてきた人々」の中で、私が何度も反芻した部分を抜粋した。アタマを開放するには、こんなながーいモノを読むべきだと思う。

「モホーク語はただの表現法ではありません」と彼は言う。「全体論的な宇宙との関係なのです」。
モホーク族とされる北アメリカ人は約2万5,000人いるが、日常会話ができるほどにその言語を話せるのは15パーセントほどにすぎない。モホーク語を文字で書き表すのは困難な作業だ。1870年代、カナダに移住したばかりのアレクサンダー・グラハム・ベルは、この言語の響きに魅せられ、正書法を考案した(モホーク族は彼を名誉首長にした)。

文法は少なくともラテン語と同じくらい難しい。名詞語根はいくつもある形容詞的な接頭辞に修飾される。例えば、「h」の文字を加えることで意味が劇的に変わりうるのである。「背の高い」男性と表現したいのを間違って、彼には「長い球」があると言ってしまっているかもしれない。動詞は力強く詩的だ。誰かを「埋葬する」は「その身体をわたしたちの母なる大地の毛布で包む」となる。父親となる男性は「子どもに自分の人生を貸す」。モホーク文化のエートスでは、主格の「I(わたし)」はそれ単独では成り立たない。一人称単数はつねに関係性の一部なのだ。だから、「わたしは病気だ」とは言わない。モホーク語では、「病気がわたしのところに来た」となるのである。

ガナジョハレゲの上級セミナーでは、ミナ・ボーヴェイズ(モホーク語の名前ではデワデロンヒアグワ)が希求法を教えていた。これは仮定法に近い難解な叙法で、クルド語、アルバニア語、ナヴァホ語、サンスクリット語、古代ギリシャ語に存在する。生徒たちは複合語とも格闘しなければいけないが、これはドイツ語より長く、書かれた通りに発音されない。

ボーヴェイズ並みにモホーク語を話すには、吟遊詩人の記憶力と歌手の息づかいが必要なのだが、彼女の話すことばはまるで呪文のようである。わたしはクラスで行われているテストを受けてみたが落第だった。テストの内容はこうだ。「tahotenonhwarori’taksen’skwe’tsherakahrhatenia’tonháîtieを暗唱せよ」(これは1つの単語で、「愚か者が丘を転がり落ちてきた」という意味である)
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モントリオール近郊で育ったボーヴェイズは70代後半のネイティヴスピーカーである。小柄だがたくましく、苦難から生まれた屈折した忍耐力をもっている。7歳のとき、州が彼女の両親に「インディアンのための」学校に通わせることを強制した。そこでは、母語を話す生徒は殴られた。
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トム・ポーターの場合は、同じ年齢のときに祖母にかくまってもらったため、当局に寄宿学校に入れられることはなかった。ファースト・ネーション[カナダに住む先住民族]の子どもたちを、懲罰の厳しい、主に協会が運営する施設で強制的に同化させることは、1880年代にカナダの法律で義務化され、1970年代まで続いた。「あの制度がわたしたちをほとんど滅ぼしました」とポーターは言う。「スポンジの時期、つまり、最も貴重な学びの年代に子どもから言語を奪えば、それをもう一度学ぶことはないでしょう」

    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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