ひさみをめぐる冒険
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ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



9月11日開催の「JaM Media Session in Tokyo」のお知らせ

8/28/2009

 
昨日、日本に入りました。成田空港に入ったとたんに、急激に体温が高くなったのを実感して、リムジンバスに乗るために、外に一歩足を踏み出した瞬間、汗が噴出してきました。さすがに、日本の夏です、思わず扇子とタオルハンカチを使い始めました。がんばります。

今日は、9月11日に開催する、第4回「JaM Media Session in Tokyo」のご案内です。

米国に住んでいて実感するのは、「Twitterの台頭」が象徴するように、ますますソーシャルメディアが、消費者の生活に浸透し、消費者のメディア消費行動やオンラインライフが確実に変化しているという点です。「コンテンツの創出者、ディストリュビュータ、批評家、観察者、またマーケターになる消費者」は、「企業からマーケティングされることを嫌がる消費者」でもあります。今回のセッションでは、リスクテイキングを承知の上で、さまざまな試行錯誤を繰りかえす米国のマーケティング事情をお話ししたいと思います。

定員は40名ですが、前回も参加者の方の活発な発言で盛り上がり、非常にインタラクティブなコミュニケーションが生まれました。ぜひ、皆さまのご参加をお待ちしています。

●セミナー開催概要 
JaM Japan Marketing主催セミナー「第4回JaM Media Session in Tokyo」ソーシャルメディアによって変わり行く消費者のオンラインライフ:「Twitterの台頭」が象徴するソーシャルメディアの影響とコミュニケーションの変化に、マーケターはどのような対応をすべきなのか?

日時: 2009年9月11日(金)、18:30開場、19:00開演~20:30終了予定

会場: 株式会社 東急エージェンシー 本社 2階 大会議室
地図

定員: 40名
(応募者多数の場合は抽選と致します。当選のご連絡のみとさせて頂きます。)
受講料: 5000円
(当日領収書を用意していますので、お支払いの時にお渡しします)

献本:参加者には『YouTube時代の大統領選挙ー米国在住マーケターが見た、700日のオバマキャンペーン・ドキュメント』を差し上げます。

申込締切:9月8日(火)
お申込方法:次の参加申込フォームからお申込ください。

お申込 → http://bit.ly/15fY2h

書籍『YouTube時代の大統領選挙』の中吊り広告です!

8/21/2009

 
画像
昨晩は、書籍『YouTube時代の大統領選挙』の中吊り広告の写真が、発行元の東急エージェンシーさんから送られてきました。長年、広告に携わってきた人間として、リアルには見られないまでも、自著の中吊り広告の掲載風景を、写真で見るのは感激です。19日と20日に丸の内線に掲載されたということです。
昨晩はこの写真送付のメールとほぼ同時に、知人から半蔵門線で書籍の中吊り広告を見たというメールが入ってきて、今さらながらに交通広告のチカラを感じます。知人のメールにも、「知人の本がこのようなかたちで、目に入ったのが嬉しく連絡させていただきました」と書かれていて、何とも楽しい気分です。

大昔、1980年代前半、外資系化粧品会社の広告を担当していた時代、ニューヨーク本社のクライアントに対して、「日本の地下鉄の中吊り広告の影響力」を説得するのが、物凄く大変だったことをフッと思い出しました。当時のニューヨークの地下鉄は治安も悪く、車体はスプレイペイントのいたずら書きで汚されていて、とても若い女性が夜1人で乗れるような状況ではありませんでした。当時ニューヨーク本社のクライアントは、最後までイメージダウンになるからダメだと言っていた車内広告を、日本では掲載費は思いのほか高いが、非常に効果的なメディアであるという理由で、最終的に実際の東京の地下鉄を乗ってもらって「OK」をもらったことを思い出しました。

モットモット古い話(戦争直後)では、私の亡くなった父の最初の結婚相手は、地下鉄の車内広告を取り仕切っていたお金持ちのファミリーのお嬢さんだったという話です。2人の兄(私が一度も見たことがない伯父たち)がレイテ沖で戦死して、結果「繰上げ長男」となった父は、戦後復員してから、無理やり見合い結婚をさせられました。祖母の願いで、将来家業を継ぐためということを念頭に結婚に承知した父ですが、どうやらうまくいかず、わずか2ヶ月で離婚しています。母の話によれば、父の最初の結婚相手は、当時の車内広告という非常に限定的な権利を持っていたので、かなりのお金持ちだったらしく、そんな良縁を棒に振った父ですが、まさか娘の書籍が中吊り広告に掲載されるとは夢にも思わなかったと思います。

てなことを考えていると、今朝は私のブログの読者で、以前から私がどんな話し方をするかということに興味を持っていらした方が、「書籍紹介のヴィデオを見て嬉しかった、しめくくりの部分が共感できます、書籍を購入します」というコメントをいただきました。これは感激ですね。また、前回の日本でのセッションでお目にかかった小鳥ピヨピヨの「いちるさん」から、以下のように、私の言葉が印象的だったというエントリを頂戴しました。

「民主主義とは何か」についてです。
大柴さんは非常に簡潔に、そして当たり前かのように、サラリとこう述べていたのです。


「民主主義とは、参加することです。アメリカでは、『民主主義とは何か』と聞いたら、小学生でも『参加すること』と答えます」

参加すること。ああ、なんてポジティブで創造的な言葉なのでしょうか。

朝からこんな思わず「口笛を吹きたくなるような気分」のコメントや写真を見て、私はかなりHappyです。私が書いたことや言ったことが、少しでも他の方たちを「Inspire(インスパイア=その気にさせた)」出来たとしたら、これはブロガー冥利に尽きます。

皆さん、どうもありがとうございます。

画像

書籍『YouTube時代の大統領選挙』のインタビューヴィデオがYouTubeにアップロードされました!

8/18/2009

 
この9分19秒のヴィデオ以外に、30秒のCMタイプも撮影しましたが、地鶏(フィールド駆け回って育ったチキン)タイプの私は、勝手にしゃべる長尺ものはスラスラ撮影できたのですが、尺を決めた台本通りの30秒は非常に苦労しました。何回も取り直しとなって、スタッフの皆さんにご迷惑をおかけしました、スイマセンでした。また、顔がかなりテカッていますが、これは私がファンデーションを付けない人間なので、ライトと室温でかなり体温が高くなり、普段以上に顔がテカテカした結果です。これも、今後の検討課題です(若い頃からファンデーションが大嫌いで、日本時代化粧品担当で、大いにクライアントからこの件では怒られました...)。

このヴィデオは、JaMのサイトにも、発行元の東急エージェンシーさんの書籍の応援サイトにも挙げられていますので、ご興味のある方は、ご覧ください。まだまだ、この書籍の良さを多くの方に知らしめることができていないので、読んでいただいて気に入った方、あるいは大柴ひさみを応援してくれる方は、ぜひこの書籍に関して「WOM(Word Of Mouth:クチコミ)」していただけるよう、お願いします。以下に読んだ方のコメントを引用します。

Souseki氏のブログ「則天去私」からの引用:

広告マンやマーケター必読の書『YouTube時代の大統領選挙』を読んでみました

読み進めていくと、日本国内の報道だけでは感じ取れなかった巧みに考え抜かれたオバマキャンペーンの全貌や、それによって起きた現地の空気の変化が手に取るように理解できます。献本していただいたから言うわけではなく、お世辞抜きに良著です。
今回はその中でも、とくに私が印象に残った(ドッグイヤーした)部分を感想を交えながらピックアップしてみたいと思います。...

Amazon.co.jpのサイトに上がっている墨田区の読者のレビューコメント:

5つ星のうち 5.0 あの大統領戦の熱気がダイレクトに伝わる!!, 2009/7/7
By mitsuo441(東京都墨田区)
アメリカ在住のマーケターがブログでウォッチし続けたオバマキャンペーンのレポート。 
ブログ記事というまさにその瞬間に書かれた記事のリアルさから、当時のアメリカの熱気が 
ぐぐっと伝わってきます。 
オバマが国民に語りかける言葉は、ワールドカップやオリンピックを観戦しているかのような感動と興奮を与えてくれます。 
私は、5回泣きました。 

この本はマーケティング教科書とも言われていますが、そんなこと抜きにしても 
十分に楽しめる本です。

この2つのコメントには、非常に感謝しています。1つはマーケティングの観点から書籍のポイントを抽出して高い評価をいただいこと、,もう1つは「リアルタイムのアメリカの熱気」という読み物として面白さから涙を流したという、ともに素晴らしいコメントで、心からお礼申し上げます。ありがとうございました。ブロガーとして、書籍を書いた著者として、「読んでくれる人」がいるということだけでも嬉しく、さらにその方たちがそれを楽しだ、こういう言葉を目にすると書いた甲斐があります。

皆さんも、いろんなご意見があると思いますが、是非読んで感想をお寄せください。

8月5日にケーブルTV局に放映された書籍紹介のヴィデオが、YouTubeにアップロードされました。ヴィデオのサムネールがかなり怖い顔をしていますが、内容は書籍『YouTube時代の大統領選挙』の説明で、決して怖い話をしているわけではありませんので、是非ご覧ください(笑)

「Facebook + FriendFeed = Facebook がもっと優秀な人材を確保できた」アップデイト

8/11/2009

 
今朝、新聞を読んでいて(私は印刷された新聞を毎朝読むのが好きです。オンラインだけだと自分の好きなあるいは関心のある情報しか読まない傾向があるので、偏向をなくすためにも紙の新聞を広げて、なるべく幅広い話題に目を通します。そうは言いながら、結局好きな話題ばかり熱心に読んでしまいます)、「おお!」と思ったのは、Facebookが、ソーシャルメディアのフィードをアグリゲートするサイト「FriendFeed」を買収したというニュースです。

Facebookのプレスリリースでは、買収金額などの詳細は具体的に発表されていませんが、両社がお互いのシナジーを感じて、これからチームとして一緒にワークするのが楽しいと言った「Happy気分」が漂っています。FriendFeedのブログでは、「ハートマーク」を使って、彼らの気分を表しています。

「We are happy to announce that Facebook has acquired FriendFeed. As my mom explained to me, when two companies love each other very much, they form a structured investment vehicle...」

2007年にローンチしたFriendFeedは、現在12名の社員を抱えて、「長期的な計画」が確定するまでは、現状のままでビジネスは継続されるということです。

プレスリリースによれば、この買収における最も大きなポイントは、人材です。

FriendFeedの4人の共同創設者(Bret Taylor、Paul Buchheit、Jim Norris、Sanjeev Singh)は、GoogleのGmailやGoogle Mapsという大成功した人気製品を開発して、Googleのビジネスに大いに貢献したエンジニアです。Facebookは、彼ら4人を含めた12名のFriendFeedの人材をすべて確保できるので、これは大きなポイントです。Buchheitは、Googleの有名なモットー「Don't be evil(悪魔になるな)」の責任者だったということで、Facebookは、大きな資産(=人材)を獲得したようです。

Facebookの次の動きは、やはり「Twitter」でしょうか?

アップデイト:WSJによれば、Facebookは、およそ5000万ドル(50億円)を、FriendFeedに支払い、そのうち1500万ドルはキャッシュで、残りは株式でまかなうということです。大きなお買い物ですね。

『マスヒステリア状態』となった「ヘルスケアリフォームのタウンホールミーティング」

8/11/2009

 
オバマ政権もさすがに黙認できなくなり、コンサーバティブに比べて活発な動きがイマヒトツのサポーターたちに、実際に人に会って働きかけるようにと、直接コミュニケートしてきています。私にも早速今日、地元の「ヘルスケアリフォーム」のタウンホールスタイルのミーティングへの参加を、呼びかけるメールが入ってきて、実際にどんなものなのかという好奇心があるので、明日は集会に出かけてきます。ちなみに、集会参加にサインアップした後には、オバマ政権のサポート団体Organizing for Americaから確認のメールが送られてきて、このPDFをプリントアウトして、集会に参加して欲しいというメッセージがありました。

アップデイト:今朝、オバマキャンペーンからメールが来て、今日のタウンホールミーティングはもともとの予定が間違っており、土曜日の集会に参加して欲しいというコトでした。土曜日はすでに別の予定があり、行けるかどうかわかりませんが、参加できたら、アップデイトします。

「Birthers」もそうですし、「ヘルスケアのリフォーム」もそうですが、とにかく虚偽のクレーム(昔風にいうと流言蜚語)が飛び交って、まともな事実チェックや論議が出来ない状態です。もちろん、ホワイトハウスのサイトにも「Reality Check」というページも立ち上がり、必死の防戦を図っています。 ただ、タウンホールのミーティングに銃を所持した人が現れたとか、ほとんど殴りかからんばかりで怒鳴りあっているシーンとか、YouTubeにはそうした扇情的な映像があげられて、「マスヒステリア状態」をソーシャルメディアとケーブルTVが、増幅している感じです。多分、実際はそこまでひどくはないと思いますが、とにかく、明日はリアリティチェックのために、集会を目撃してきます

どうやら、米国民とObama(オバマ)大統領とのハネムーンは、終わりを告げたようです(就任以来200日以上も経っていますので、当たり前といえ当たり前です)。新婚夫婦とも言うべき、オバマ政権と米国民は、現実生活の多くの難問に立ち向かい、どうやってこれを乗り越えるかというリアリティに直面しています。

ちょっと前までは、「Birthers」という、オバマ大統領はハワイではなくケニアで生まれて、Natural born(米国で生まれた人)ではないので、大統領の資格がないと馬鹿げたクレームをする人たちが、ケーブルTV局やブログ圏の話題を独占し、今週は「ヘルスケアリフォームに反対する人たちが、タウンホールミーティングで怒り狂う」という話題が連日報道されています。どちらも、オーガニックに発生したというよりは、「Dr. No(オバマ政権のすることには何でも反対する)」となったコンサーバティブな共和党、あるいはラジオホストのRush Limbaugh、Fox(ケーブルTV局)のGlenn Beckといった極端なアンチオバマのエンタテイナーが、「オバマ政権は米国を社会主義化する」といった恐怖を武器に、コンサーバティブな人たちを煽ったために、発生したというのが正しいと思います。

Glenn Beckの極端な発言はかなりエスカレートしており、彼は「オバマ大統領は、白人と白人文化を憎む人種差別主義者」とTVで語り、彼の番組スポンサーのProcter and Gamble、Lawyers.com、Progressive Insurance が降りるという事件もおきています。この事件に関しては、人種やクラスの差別撤廃を求める政治団体ColorOfChange.orgが、広告主にBeckの番組を降りるように呼びかけるオンライン署名運動もおきており、彼の扇情的な言動は、コンサーバティブな政治評論家からも、行き過ぎだという批判がでています。また、CNNの番組ホストのLou Dobbsは、この「Birthers」を大いに煽った張本人ですが、彼の言動によって、CNNはもはやニュートラルであるとクレームできないという批判も生まれており、DobbsがFoxに移るという噂もあります。

先週末は、Sarah Palinが、Facebookで、「オバマ政権のヘルスケアリフォームは、Death panel」という発言も飛び出し、米国は「マスヒステリア状態」で、思慮の欠けた論議がオンオフと問わず、飛び交っています。事実チェックのサイトPolitiFact.comに代表されるように、事実とはかけ離れたペイリンの発言は、多くの人たちがあきれています。

「Now is the time to give back」:米国にもっと税金を払うために立ち上がった富裕層

8/11/2009

 
オバマ政権にとって、ある意味で投資家グループともいうべき富裕層が、行動を起こしはじめました。

I will pay higher taxes to invest in my country

Wealth for the Common Good(WFCG)と称する経営者や富裕層を主体とする団体は、「年収23万5000ドル(2350万円)以上の人たちの税率を、2011年まで待たずに、今すぐ35%から39.6%に引き上げる運動」を、開始しました。

ブッシュ政権による税金の削減は、2001年から始まりましたが、過去8年間、この税金削減によって大きな利益を得た富裕層は、今こそ米国にその利益を還元して、米国経済を安定させるように投資すべきであると主張しています。これによって、推定、年間430億ドル(4兆3000億円)の税収が得られ、税率の引き上げによって影響があるのは、納税者の2.5%と非常に少ない数の人たちで、失業するリスクが薄い人たちでもあると言っています。また、WFCGによれば、これによって富裕層のライフスタイル自体に大きな変化があるとも思えず、今すぐ、議会に通すためにオンラインで署名を集めています。オバマ政権は、2011年に年収25万ドル(2500万円)以上の人たちの税率を引き上げることを公約していますが、WFCGは、そこまで待てないと主張し、ブッシュ政権時代の「税金削減という贅沢なライフスタイル」を、米国政府は維持することは出来ないと言っています。

確かにこのまま米国経済が浮上しないと、富裕層は逆にかなりの痛手を受けます。また、富裕な財産を持つ人は、ある意味で価値のある投資を継続していかなければ、その富を拡大することはできません。そういう観点から考えると、この米国に投資するために、税率を今すぐ引き上げるというアイディアは、彼らにとってある意味で非常に重要な意味を持ちます。

米国では中々このWFCGのような思考回路を持つ人が少なく、オバマ大統領が選挙キャンペーン中に、ローインカム、ミドルクラスを助けるために、富裕層がある程度税金をカバーしなければならないと示唆した途端に、「富の再配分をする社会主義者」というレッテルを貼られたくらいです。よく「トップ3%の富裕層が米国の60%の税金を負担している」というクレームを聞きますが、実際は「トップ5%の富裕層が38.5%の米国の税金を負担」しており、これは米国の年間取得の配分とほぼ等しい比率です。

確かに、誰でも無駄な税金は多く払いたくないし、官僚的で動脈硬化を起こしているような政府のために払うのは納得できません。ただし、長期的な展望と戦略のもとに、米国が健全な姿で競争力を増すための投資として、税金を払うならば、納得できます。しかし、オバマ政権は前任者からとんでもない負の遺産をたくさん受け継いでいる、これをいつも実感します。

「Recession(景気後退)の米国」に、ちょっと光が差し込んできた感じです

8/7/2009

 
日本出張の際に、何人かの方たちから、「米国の景気後退はいつ頃終わると思いますか?」と質問されましたが、「人員解雇という労働市場の出血が止まること、個人の住宅市場下落に歯止めがかかるまで、景気の回復は望めないと思います」と答えました。

米国経済は良く悪くも個人消費におよそ70%と大きく依存しています。これはたぶん米国経済と深く関わるグローバル市場にも大きく影響する要因です。過去半年間、米国の個人の消費行動で、最も大きく変化したことは、「個人の負債額」が減ったという点です。Federal Reserve(連邦準備制度理事会)の発表によれば、米国の6月の個人負債額は、130億ドル(5月は54億ドル減っています)も減って、2兆5000万ドル(1ドル=100円で計算すると、250兆円)となり、5ヶ月連続で負債が減少しています。これは、米国人が「自宅の価格が毎年大幅に上昇すると信じて、リファイナンスで得たキャッシュやクレジットカードからの借入金を安易に活用して、イケイケドンドンで、消費生活をエンジョイしていたマインドセット」が、大きくシフトしたことを意味します。つまり、自分たちにはそんな贅沢な消費生活を維持するためのお金がないということに気がついたということです。

当たり前といえば、当たり前の話で、いつまでも中国が米国に無尽蔵にお金を貸してくれるわけがなく、そんなファンタジーを信じてはいけないと自覚したアメリカ人は、財布の紐をうーんと引きしてめているのが、今の現状です。ただ、そうは言いながらも、ポジティブな思考で、モノゴトを良い方向に考えるアメリカ人は、「先に光が見えてきた」、そんなことを実感していると思います。

昨日は、議会で68対31の投票で、Sonia Sotomayor(ソニア・ソトマイヤー)が、最初のラテン系女性最高裁判事として承認され、火曜日はBill Clinton(ビル・クリントン)元大統領は、2人の女性ジャーナリストを北朝鮮から救出したし、ヘルスケアのリフォームという大きな問題は残っていますが、とにかく米国の夏に、ちょっと笑顔が戻ってきたのは事実です。
私がブログのエントリする時は、「何かを感じた」瞬間です。実感レベルで、「うん、そうだ!」と思えることをブログしています。昨日は、お金の動きに鈍い私が(だから儲からないんですが…)、「うん、そうだ!」と思い、何と1年ぶりにオンライントレードしました。

私は、4ヶ月間も放置されていた2008年分の自分のIRA(Individual Retirement Account)のコントリビューションのキャッシュを、やっと動かす気持ちになって、ある企業の株式を購入しました。IRAは、自分の老後資産のための非課税なアカウントで、なるべく経済の変動に左右されにくい安定したポートフォリオにすべきものです。昨年9月の金融危機以来、価値の落ち込みは酷く、IRAのパフォーマンスを見ること自体をやめていた私は、完全にフリーズド状態でした。私は経済評論家でもなく、株式投資の専門家でもないので、株式やミューチュアル・ファンドの動きを見ながら、何が今最も自分のIRAのポートフォリオに必要かを考えるのが、面倒くさいと思ってしまいますが、そんな私でも、最近の米国の経済動向には光が見えてきたことを感じて、お金を動かしました。実感したのは、以下のようなことが目についたからです。

  • 個人住宅売買のマルチプルリストのサイトからのeメールの数が増えて、さらに価格帯がリーズナブルになりつつある(一時は馬鹿げたほど低い価格が登場して、暗黒の住宅市場でした)。
  • 週末の個人住宅「Open House」のサインが近所に増え始めて、個人住宅市場が動き出したのが具体的に見えてきた。
  • 7月の失業率は9.4%で、6月の9.5%から0.1ポイント下がった。失業率が下がったのは15ヶ月ぶり。7月の失業者数は24万7000人で、6月が44万3000人だったことを考えると、人員解雇の底は売った感じ。ただし、現在1450万人は失業中で、失業率が二桁の上昇するる可能性は十分あります。オバマ大統領もこの数字を基に、米国経済の回復を説明しています。

「Twitterがダウンすると?」(アップデイト:サイバーアタックの攻撃目標はグルジアのブロガー?)

8/7/2009

 
サンフランシスコ・シリコンバレーに住んでいると、ビジネスも生活もテクノロジーに依存しがちです。私の場合は、夫が6月から単身赴任で日本勤務となって以来、Skype(スカイプ)によるヴィデオ・コミュニケーションが夫婦の会話の中心的な役割を果たしています。

1995年に結婚して以来、夫は中長期の海外滞在が多く、「明日スエーデンに飛んでくれ」と言われていきなり北欧に1ヶ月間滞在したり、プロジェクトで5ヶ月間の日本勤務とか、離れ離れの生活はしばしばありました。当時は、まだまだ海外とのコミュニケーションは電話が主体で、その後電話回線による低速インターネット接続のeメールが浸透し、さらにブロードバンドのネット接続で容量の大きな添付ファイルを付けても、大丈夫な時代となりました。そんな時代を経て、今回はスカイプによってヴィデオやIMがいとも簡単にできるので、昨日夫がネイビーブルーのTシャツを着て、夕飯に近所の定食屋で「ほっけ定食」を食べたことまで、把握できます。夫の父親から送られてきた誕生日カードはスカイプしている時にカメラで夫に見せて、彼のサインが必要な書類はスキャンして、添付ファイルでeメールします。先月、私が夫の日本のアパートメントに滞在した時は、米国の義理の娘が9ヶ月の孫をモニターの前に連れてきて、ヴィデオ・スカイプをしたくらいで、離れ離れの家族にとって、こうしたコミュニケーションの存在は重要です。

そんな中で、昨日は午前6時にTwitterがサイバーアタックによってダウンして、ビジネスおよびプライベートでTwitterに依存している人たちに、影響を与えることとなりました。オンラインネットワークのオペレーションをヘルプするNPOのPacket Clearing Houseによれば、ロシアとグルジアの間のAbkhaziaの地域からのアタックで、莫大な数のスパムメールの配信によって起きたという見方が出ています。FacebookやLiveJournalも、このアタックの影響で、昨日一日スローダウンしており、オンラインのソーシャルコミュニケーションの機能は全般的に多少麻痺したようです。

アップデイト:このアタックのターゲットは、ユーザネーム「Cyxymu」というグルジアのブロガーだと、英国のGuardianは伝えています。この34歳のブロガーは、Twitter, Facebook, LiveJounalにアカウントを持っていて、ロシアのグルジアに対する行動を批判したことが、今回のアタックを招いたとしています。本人は、Facebookにわずか175人のフレンドしかおらず、自分は著名なブロガーでもないのに、こうした攻撃の対象となったことと、その影響の大きさに驚愕しているようです。確かに、これは私も含めて、自分をごく普通のブロガーだと思っている人間にとって、政治的な考えのエントリがこうしたアタックをもたらすとしたら、怖い話です。また、食物連鎖のようなソーシャルメディアのネットワークがもたらす影響は、想像を超えて起こるんだということも実感させられる話です。

米国の企業は、Zappos、Comcast、Whole Foods Market、Best Buyのように、カスタマーサービスの一環で、Twitterを顧客と直接コミュニケートするツールとして活用している企業が目立ち始めています。昨日は、こうした企業の間で、顧客との直接的なコミュニケーションが遮断される結果となったのは想像に難くありません。各々の企業は、「新たなエンゲージメントのコミュニケーションツール」として、Twitter活用を前面に押し出していますが、ビジネスモデルがイマイチ定かでないTwitterは、まだまだネットワークのストラクチャーやセキュリティ問題は脆弱ですので、今後この辺は検討する課題となりそうです。

企業以外でこうした影響を大きく受けているのは、メディアや政治家です。先月突然アラスカ州知事を離職したSarah Palin(サラ・ペイリン)は、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアでパブリックとコミュニケーションしています。離職の時の彼女の理解しがたいスピーチと並んで、彼女のTweetは、「詩のような散文」といわれるぐらい有名で、Star Trek(スタートレック)の主演男優William Shatnerが深夜のトーク番組で朗読したぐらいです。彼女のフォロワーズはこの難解な(??)Tweetを好んでいるらしく、人気を読んでいます。

米国最新マーケティング事情「JaM Report Vol. 5」が完成しました!

8/5/2009

 
多くの方からまだまだかというお問い合わせをいただきました、米国最新マーケティング事情「JaM Report Vol. 5」がやっと完成しました。今の気分は、「ヤッター!ヤッター!」という感じで、高い山の頂上に立った、あるいは「2005年のセールボートによる太平洋半分横断航海」といった気分です。これが多くの方に購入していただいて、読んでいただければ、さらに幸せな気分になれます(笑)。以下のレポートの詳細を記します。

2007年から開始した年2回発行のレポートは、定期的にご購入される企業の方から、「急速に変化するマーケティング業界のベンチマークとして、押さえておかなければならない価値あるレポート」というお言葉をいただいています。マスメディアの地盤沈下、Facebookユーザの急増やTwitterの台頭に代表されるソーシャルメディアの一般化と、マーケティング・コミュニケーションの世界は激動しています。レポートは13の事例と各種のデータや調査をふんだんに使って、現在の消費者のオンラインライフとマーケティング・コミュニケーション事情を分析しています。合計83ページのレポートを、購入希望の方は、[email protected] まで、お問い合わせください。また、内容をより詳しく知りたい方には、PDFの目次もありますので、メールでお問い合わせください。

<レポートの内容>合計83ページ(Twitterの分析には25ページを費やしています)

  • 消費者のオンラインライフ:ソーシャルメディアやUGCが果たす役割や影響力、消費者のソーシャルメディアの中で見られるユーザプロファイルの相違など、消費者のオンラインライフのリアリティを検証。
  • メディアの動向:トラディショナルなメディアのリアリティチェックと今後の可能性を検証し、Facebook、MySpace、YouTubeの果たす役割やおのおのの比較など、ソーシャルメディアの台頭と今後の動きを事例や調査データを基に検証。
  • Twitterブームの検証:「現象化しているTwitter」を、最新の調査・データや事例とともに、徹底的に検証。消費者とTwitterの関係、企業や著名人・メディアはTwitterをどのように活用しているのかなど、課題や今後の可能性も含めて、企業のTwitter対応にフォーカス。
  • マーケティング業界の動向:ソーシャルメディア対応を余儀なくされるマーケティング業界の問題点や課題をを探りながら、「広告に苛立つ消費者」にどのように対応し、エンゲージしていくのかを検証。

9月2日~3日東京で開催される「ad:tech tokyo」のパネリストに選ばれました

8/5/2009

 
お知らせです。インタラクティブ&デジタルマーケティングに特化した世界最大級のコンファンレンス「ad:tech」が、初めて日本で開催されます。 9月2日と3日の2日間、芝公園のザ・プリンスパークタワー東京で開催される「ad:tech tokyo」は、国内外から参加者が集まり、今のマーケティングを考える上で非常に重要な価値を提供してくれるグローバルなマーケティングのコンファレンスです。

私は、9月3日(木)の13時30分から14時25分のパネル「Adding Mobile to the Mix」に参加します。パネルディスカッションの詳細は、まだ確定していませんが、これはわかり次第、また報告します。

このパネル参加に伴って、また来日します。8月末から9月16日まで滞在しますので、F2F(Face to Face)で、お話したい方は、是非ご連絡ください。

    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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