ひさみをめぐる冒険
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ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



人間の顔認識能力の凄さ

3/31/2006

 
「人の顔」は、記憶の奥底にあっても瞬時に蘇る、思わず絶句するぐらい、今日はこれを実感しました。

私が連載レポートを書いている「宣伝会議」の3月15日号が 送られてきて、何気なくめくったページにあった写真を見て、「私はこの人を知っている」と思い、その横にあった名前に視線をそらせた瞬間、彼が私の中学時 代の同級生だと、わかりました。34年ぶりに見ても、彼の顔は中学時代の面影を残しており、人は変わるようで変わらないものであるようです。

以前も何気なく、インターネット上の記事で、見覚えのある名前と顔が見つけ、小学校の同級生であることを発見しましたが、この時も36年ぶりに見ても、すぐに彼であることが認識できて、今さらながら、人間の「顔認識能力」には、驚かされます。

このことに触発されて、人間の顔認識能力をちょっと検索したら、www.realusr.comのWhite paperに以下のことが書かれていました。

・人間の赤ちゃんは生後1時間で顔認識できて、どの顔を見るのを好むかを示すことができる
・人間の赤ちゃんは生後2日で母親の顔を見分けることができる
・人間はよく知っている人の顔を、1秒の2万分の一で認識できる(Twenty thousandths of a second = 20 ms)
・ある実験では、35年ぶりの同窓会で90%の参加者が顔を正しく認識できた

この3番目の経験を、私は「宣伝会議」の記事によって経験して、1人で大いに驚いています。

この顔認識は、後から獲得する後天的な能力とは異なり、先天的な能力なので、人間が動物として生き抜くための重要な能力です。社会的な動物として、「社 交」を一生涯していく人間にとって、「この人は自分にとってどういう意味を持つか?」を瞬時に見分ける、もっと簡単にいうと「敵か味方か?」といったこと を、時間をかけずに行えれば、事前に相手に対して適切な行動や態度をとることが可能になります。

まあ、そんなことを考えながら、改めて中学時代の同級生の顔を眺めていたら、当時の他の友人たちの名前と顔が次々からと思い出し、思わず、いろんな人の名前をGoogleしてしまいました。世界はつながっている。そんなことを日々実感する毎日です。

ポッドキャスティングに出演します(3/27アップロードです)

3/24/2006

 
昨日、「アンチエイジング」をテーマにしたポッドキャスティング出演(電話インタビュー)の依頼が日本からありました。

6月16日から3日間、東京・台場で開催される「アンチエイジング国際シンポジウム&エキスポ東京2006(通称AISET)」のインターネット版「インターネットAISET」(インターネット・エキスポ)からの依頼で、今日の米国時間午前9時に電話でインタビューを受ける予定です(日本時間3/27アップロードされます)。

テーマが「アンチエイジング」ということで、こうした依頼が来るということは、私の年齢もそれを気にし始める時に差し掛かったと気がつき、改めて「年齢」とは何かを考えています。

私は、年齢とは英語で言うところの「Just Number(ただの数字)」でしかないと、思っています。現在49歳で、今年の11月25日に50歳になる私は、プロファイリングの時に、 「Fourties(40代)」から「Fifties(50代)」という違うくくり方をされるだけで、本人にとっては、あまり変化を感じません。ベビー ブーマーズ(1946~1964年生まれの7800万人)は、「若々しくありたい」と常に願い、アンチエイジングの信奉者のような世代ですが、私個人は、 英語でいう「Attitude(姿勢や態度)」次第で、人は若々しくもみえるし、年取った人のようにも見えると思います。

「好奇心と新しいことにチャレンジしようとする勇気」が、人を前に突き動かす大きなエンジンです。これがあれば、私の目標である100歳(2056年)ま で現役でいたい、という願いもかなうと思います。また例え、達成できなくても、坂本竜馬のように「泥の中で倒れても前のめりで倒れて死にたい」という生き 方をしていきたいと思います(実際には彼はそんなことは言っていないようですが)。

100歳まで現役でという願いを考えると、私の人生は、マラソンでいう折り返し地点にたったばかりです。あまり、がんばりすぎると後半でペースが狂う可能 性もあるので、私らしいマイペースで走っていきます。私の最後は、同じく幕末の志士で、28歳で亡くなった高杉晋作ばりに「おもしろきこともなき世をおも しろく」と言いながら、舞台から去ることができたら最高だなって思っています。そのためには精神と肉体の健康管理をきちんとして、他人に依存しないで生活 できるシニアライフがポイントになります。

Just Do It!(やるっきゃない)


やっぱり「がんばれ日本モード」になる私

3/22/2006

 
なんだかんだと言っても、スポーツしかも私の好きなベースボールとなると、思わず気合が入り、私の日本人血中濃度が大いに上がります。

昨日の夜は、ESPNでWBC (World Baseball Classic)の 決勝戦「日本対キューバ戦」を見ながら、横に座っている夫を尻目に、 久し振りに日本語と英語でTVに向かって、吼えまくっていました。8回にキューバに1点差まで追い込まれた時には、ここで踏ん張るんだと自分に言い聞かせ て、9回に追加点を入れて、キューバを突き放した時には、ちょっと放心状態に近い感じでした。また、王監督の胴上げというこちらにはない習慣を見て、最 初、これって何だっけとすぐにピンと来ないほど、ぼけていました。しかし、サンディエゴで試合が行われたのは、私にとってラッキーでした。こちらサンフラ ンシスコと同じPacific Coast Timeなので時差がなく、試合をプライムタイムのライブで見られたので、興奮の度合いが大きく違っていました。

アメリカは、March Madessと 言って「カレッジバスケットボール」のシーズンで、メディアもほとんどこのWBCにページを割いておらず、一般の人の関心が薄いのが本当に残念です。で も、世界の16カ国のチームが39ゲーム戦って、世界一のベースボールチームを決めるトーナメント大会で、初代チャンピオンになったのが、日本というの は、私にとっては非常に大きな意味を持ちます。米国主審の誤審判定によって、勝利から見放された日本が、米国の敗退によって、再び返り咲き、韓国、キュー バという強豪チームを打ち負かして、つかんだ「世界一の座」、これはドラマがあります。

日本を離れて10年もたっているので、日本の選手の名前や顔にはほとんどなじみがなく、唯一監督の王さんが、私が最もよく知っている人です。アナウンサーのジョン・ミラーは、放送中に盛んに「王さん」、「王さん」と、繰り返し王監督の偉大さを褒め称えていましたが、私もいきなり1975年発行の少年サンデー増刊号の「王貞治物語」という漫画のことがアタマによみがえりました。

私は、アメリカ人の夫に、王さんは台湾の人で、彼のお父さんの仕福さんが中華料理店「五十番」を経営していたこと、早稲田実業ではピッチャーで甲子園のマ ウンドに立ち、ジャイアンツ入団後バッターに転向して、荒川コーチと一緒に一本足打法(夫にはフラミンゴ打法と言っています)を編み出すために、合気道の 道場で日本刀を振りながら特訓して畳が擦り切れた話など、その当時の子供なら誰でも知っている話を夢中になって、説明しました。

日頃は、サンフランシスコジャイアンツのファンとして、地元のメジャーリーグチームにしか感心を示さない私の「がんばれ日本、がんばれ王さんモード」に、夫は圧倒されていました。

しかし、私にとって「昭和と野球は遠くなりにけり」という心境になっており、「王貞治物語」を思い出しただけで、なんとなく幸せな気分になりました。


金持ちがもっと金持ちになる国

3/11/2006

 
もうすでに何回もブログに書いていますが、アメリカの経営者たちのゴールデンパラシュートのパッケージ(退職・離職・解雇された時に支払われる)は、すさまじい金額です。彼らへ支払われる金額を目にするたびに、アメリカという国は「金持ちがもっと金持ちになる国」だと、実感します。

最近、目についた凄い数字は、ファイナンシャルサービスのWachovia Corpの元Vice CharimanのWallace Malone Jr.が受けとる1億3500万ドルの退職金です。これはミニマムらしく、彼の退職金に課税される税金も会社が経費扱いで支払う仕組みで、5つの分割された退職金の支払いと3つの分割された年金の支払いで、この金額以上のかなりの金額が支払われる予定です。

この数字を見た後では、HPの元CEOのCarly Fiorinaのゴールデンパラシュートの4200万ドル(退職金2140万ドルとストックオプションと他のベネフィットの合計)は、決して大きな金額と は思えませんが、彼女のパッケージを承認したHPのボードに対して、HPの株主は、退職金返還の訴訟を起こしています。

HPの退職金に関しては、その役員の基本サラリーとボーナスの合計金額に2.99以上の掛け率で支払う場合は、株主の投票を必要とするという規定があり、 それを実行せずに、Fiolinaに7倍以上の金額にあたる合計4200万ドルを支払ったとして、The Indiana Electrical Workers Pension Trustと the Service Employees International Unionの2つの組織株主が、HP、Fiorina、HPのボードメンバーを訴えています。

HPが、この株主の投票という新規約を取り入れた原因は、2003年のCompaqとの合併後、ほんの数ヶ月でMCIに移った元HPの社長Michael Capellasに400億ドルの退職金を支払ったのがきっかけです。当時、2社の合併で1万7000人の社員がレイオフされており、トップ経営者に対す る目に余る厚遇が、引き金になっています。このCapellasに関してもう一言付け加えると、彼は転職先のMCIを、SBCとVerizonに売却し て、そこでそのディールの対価として、およそ2000万ドルを受けとっています。

このHPの株主の訴えを聞いて、以前から問題視されていた巨額のCEOたちへのゴールデンパラシュートへの、株主による監視抑制機能が動き始めたと思い、少しほっとしました。

1984年、Peter F. Druckerは、「CEOに対して、その企業のアベレージ社員の給料の20倍以上を支払うべきではない」と、急激に上昇を続けるCEOのサラリーへ警告 を発しています。このDruckerの20倍という数字は、とっくの昔に夢物語となり、何白倍、何千倍という数字に膨れ上がっています。

いつも不思議に思うのは、経営が悪化している、あるいは悪化させる結果をもたらした経営を行ったのに、その責任者であるのCEOに、巨額な退職金を支払 う、ボードメンバーの無責任な態度です。Druckerのように中立な立場で、企業の経営を見ながら、ボードメンバーとして、経営者たちを監視する人が少 なすぎる、それがアメリカの現実です。ボードメンバー自身が、CEOたちとなんらかの関係(利害あるいは何かの関係)があり、企業のオーナーである株主に 利益をもたらすような適切な判断ができる人が、ボードメンバーにいない、そんな気がします。

しかし、「金持ちはもっと金持ちになる方法をよく知っている」、そんなことを思わずつぶやきたくなるような金額が動いています。

オリンピックもオスカーもオンラインで観戦

3/8/2006

 
トリノの冬季オリンピックも無事に終了し、米国は前評判の高かった選手の不振が多少あったにせよ、結果ドイツについで2番目のメダル獲得国となったので、 関係者はほっとしているようです。私も別な意味で日本がメダルゼロで終わるのかと思いヒヤヒヤしていましたが、フィギュアスケートで1個金メダルが取れ て、ちょっとほっとしています。米国でのオリンピック観戦は、時差の関係で、プライムタイムでNBCが放送する時は、すでに結果がわかっていることが多 く、ゲームの臨場感が今ひとつない、バブルのないシャンペンといった感じです。私は毎日5時起床、夜10時就寝というタイムスケジュールのため、実際に競 技者の演技を見たのは、2月25日の土曜日NBCのオリンピックサイトで、3時間ぐらい時間をかけてのオンライン上でヴィデオ観戦しました。スーパーボウルの時もそうでしたが、最近の私のTV視聴形態は、ウェブサイト上で行うことが多くなり、空いた時間を見つけては、日ごろのTV視聴の遅れを取り戻すべく、PCのモニターを見つめることが多くなっています。

おとといのオスカーナイトも、 またしても、昨日の早朝、オンラインで結果を振りかえるといった感じになってしまいました。おとといの日曜日は、月曜日の朝、夫が午前2時に自宅を出て、 仕事に向かうため、我が家のディナーはなんと5時半にセットアップし、彼は7時には就寝というスケジュールでした。残された私は、「さあ、ゆっくりオス カーナイトを楽しむぞ!」と、意気込んで、ワイングラスを片手に、1人リビングルームのカウチに手足を伸ばして横になりました。助演女優賞受賞の 「Walk the Line」のReese Witherspoonの興奮したスピーチまでは覚えていましたが、気がついたら、時計は10時半。肝心の最優秀映画賞、監督賞、主演男女優賞など、メインの部分を見過ごして、話題の「Brokeback Mountain」が、「Crash」に敗れたのは、ニュース番組で知ることとなりました。

今回のポイントは、「Gayphobia(スラング:ゲイやゲイに関するすべてを恐れること)」のアカデミーが、ゲイ・カウボーイのラブストリー 「Brokeback Mountain」に、オスカーを渡せるかどうかというところでしたが、やはり、このフォビア克服はそう簡単にいかなかったようです。それでも、主演女優 賞の候補に性転換者を描いた「Transamerica」の主演女優Felicity Huffmanが入り、主演男優賞は、ゲイの作家として有名なトルーマン・カポーティを描いた「Capote」のPhilip Seymour Hoffmanが獲得し、最優秀監督賞は、「Brokeback Mountain」の監督Ang Leeが獲得したので、ハリウッドのGayphobiaへの抵抗感はかなり薄まっていると、実感します。

アカデミーのようなメジャーイベントで、今回ほど、「性に関する個々人のオリエンテーション」が、一般的な話題になったのも珍しく、我が家の食卓でも大い にこの件で盛り上がりましたが、この流れは、ゲイ・コミュニティに関する一般の理解へとつながり、いろんな人がクローゼットから出てくるきっかけになると 思います(behind the closet:クローゼットの中で、隠れているように、ゲイが自分がゲイであることを社会に隠していることあらわす表現)。

なんでもそうだと思いますが、「Phobia(恐れ)の克服」、これが決め手です。社会や人々が「違うことを恐れなくなる」と、風通しが良くなって、すごしやすい社会になります。

「違うことは面白いし、みんな同じだとつまらない」と思うのは、私1人じゃないと思います。


ライフスタイルの構造的変化

3/8/2006

 
数字によって、未来が見えてくる、そんな気がします。

以下は、世界人口の推移と予測ですが、18世紀末から、わずか200年間で55億の人口増加が起こりましたが、今度はたった6年で、2012年には5億人も人間が増えると予想されています。

1798年: 10億人
2006年: 65億人(2月25日現在)
2012年: 70億人

世界人口時計の 計算によると、「毎秒4.1人の赤ん坊が誕生し、1.8人が死亡している」と言われる地球規模の人口増加は、凄まじいものがありますが、ロックフェラー大 学とコロンビア大学で人口統計学を研究するJoel Cohen教授の推計によると、世界人口の年平均増加率は、1965年から1970年にかけて2.1%のピークに達した後、現在の1.1%まで大幅に低下 したということで、日本、ヨーロッパ、旧ソ連加盟国などの少子化の影響は否めません。

米国人口は、相変わらずの移民の増加を背景に増え続けており、2006年後半には3億人に達するという見通しが、Censusから出されています。また別 な数字に、近未来のアメリカを映し出す興味深い事実がありました。現在の米国には、8,500万人のシングル世帯が存在し、これが2年後の2008年に は、米国世帯のマジョリティ(多数)になるという予測です。

これは、マーケッターの私にとって、かなり重要な意味を持つ数字です。もう2年後には典型的な世帯像として、「「子供をがいる男女の夫婦による家庭」とい うカテゴリが「典型的ではなくなる」ということを意味します。また、シングル世帯、特にシングルウーマンの世帯が増加しており、12月6日のエントリーでも触れましたが、女性の購買力や影響力の増加、さらにシングルウーマンの投票数の上昇にも関連し、シングルウーマンは大統領選における「Swing Voter(選挙の浮動票層として勝敗の鍵を握る)」としての役割も出てきて、政治的な発言力の増加も期待されています。

企業もマーケッターもしかりですが、かつての常識や典型的な考え方では、人々のリアルライフが見えなくなってきている今、ソサエティに密着した好奇心をキープして、人々のリアルな生活を「感じる」ことが、非常に大切な資質となってきます。

私もコンピュータのモニターに張り付いていないで、外に出て、人間を見に行こうっと!!

    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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