池田さんはご自身のセミナーのポイントをブログでエントリされていますので、皆さんぜひそれをご覧ください。
私のセミナーのポイントはソーシャルメディアにマーケターが参加する際に、大前提として、Dale Carnegieが74年前の名著「How to Win Friends and Influence People」から、「人々があなたを好きになる6つのやり方」を引用してお話しました。これは現代のSMMを考える際に重要なAttitude(姿勢・態度)で、通常の個人の人間関係においても、守るべき大切な心構えです。
- Become genuinely interested in other people.(他の人たちのことに、心から興味をもとう)
- Smile.(微笑もう)
- Remember that a man's Name is to him the sweetest and most important sound in any language.(人の名前はどんな言語においても、その人にとって最も優しく大切な響きを持つことを思い出して欲しい)
- Be a good listener. Encourage others to talk about themselves.(良い聞き手になろう。他の人たちが自分のことを話すように励まそう)
- Talk in the terms of the other man's interest.(他の人たちの興味に沿った言葉で話そう)
- Make the other person feel important and do it sincerely.(他の人たちが自分を重要だと感じるようにしよう、またそれを真摯にやろう)
セミナーでは、池田さんのほかに、デルのマーケティングコミュニケーションマネジャーの千歳敬雄さんとワイデンアンドケネディのエグゼクティブクリエイティブディレクターの伊藤直樹さんのお話があり、お3方の個性あふれる講演は日本で味わう価値あるお話でした。
池田さんの言葉で印象的だったのが「SMMは魔法の杖ではない」という表現です。これは米国でも「Facebook戦略とかTwitter戦略」という表現をすること自体、発想が間違っているという指摘と同じで、企業が間違い得やすい部分です。
千歳さんの言葉で印象的だったのが、「エンゲージメントは、囲い込みではなく、時々思い出しもらうこと」という表現。ソーシャルメディアにおいて、ユーザとエンゲージするためには、相手にとってまた話してみたくなるような親近感を抱いてもらうことが大切。毎日来なくても、時にはあの人はどうしているかなと思うぐらいの緩やかさがあって良いと思います。人は強制的に他の人やモノを好きになることはないので、企業は「囲い込み」という旧時代的で売らんかなという臭いがぷんぷんする醜悪な言葉や発想は避けるべきです。
伊藤さんの言葉で印象的だったのが、「SMMで重要な事は余白(人が議論するための隙間)」で、「みんな楽しんでいる場に、お邪魔するには、お土産や気の利いた一言が必要」という視点です。米国では「ソーシャルネットワークはカクテルパーティみたいなもの」と言われます。確かに、手土産やウィットの効いた会話はパーティを盛り上げますし、パーティの主催者も参加者も、みんないい意味で気を使うとますます楽しくなります。
最近、Twitterをやっていて気がついたことは、「1人で1日中、自分の生活や仕事を、時系列で24時間、放送している人」がいるという点です。ソーシャルネットワークの楽しみとは「放送」ではなく「会話」を楽しむことです。もちろん、Twitterはパブリックに向かって発するマイクロブログですので、ある意味でFacebookのようなSNSとは異なります。ただ、すでに世界中で月間14億のTweetが発信されている中、あまりにも1人勝手なモノローグばかりを見せられると、せっかく花が開きはじめたソーシャルネットワークのエコシステムは崩れそうで、不安にもなります。
私は最近1人で「インターネット安息日(サバス:1週間に一度はオフになる)」を提唱しており、価値のある会話をSNS上でみんなと共有して、週末は身体を動かすことにエネルギーを傾けています。昨日とおとといはインターネットサバスを実行して、夫と2人で雨の鎌倉や津波警報の横浜を歩き回っていました。以下は私たちのインターネットサバスの風景です。