この国民的行事は、ゲーム自体の興味よりも、アメリカ中の視聴者がいきなりTVCMの批評家になって、一本250万ドルのコストがかかる30秒CMを、み んなで批評しあうことで、有名です。今回ははっきり言って、どれもこれも「イマイチ」というのが、大方のコメントです。私も日本で16年間広告代理店に勤 務し、米国で10年マーケティングに従事しているプロフェッショナルですが、あえてコメントを出すならば、「どれもこれもつまんない」になります。推定1 億4,140万人(平均9,070万人)が視聴した今回のスーパーボウルのCMがらみの話は、別な機会に分析してまとめます。
このブログで、書きたいことは、スパーボウルのもうひとつの目玉である「ハーフタイムショウ」のことです。
「しかし、NFLは何を考えているのか?」この一言に尽きます。
一昨年のジャネットジャクソンのバスト露出事件ひどいものでしたが、今年は出演のローリングストーンズの歌詞が、「ファミリーエンタテイメントのスーパーボウルにふさわしくない部分があり、その時マイクロフォンの音量を落とした」という1件です。
私は、思わず「2006年のスパーボウルは、1967年のエドサリバンショウ*じゃないぞ!!」と、叫び、本当にNFLは何を考えているのか?アホじゃないか?とあきれかえってしまいました。
*1967年の有名なエドサリバンショウでのストーンズの歌詞の差し替え:
オリジナル:「Let's Spend the Night Together」
エド・サリバンの変更指示:「Let's Spend Some Time Together」
ジャネット事件のトラウマから、オンエアを5分ずらして放送し、さらに性的表現を暗示する歌詞にさしかかると音量を落とす、このばかげたやり方を、なぜ彼 らは実行したのか?ストーンズが歌う歌詞は、30年前とぜんぜん変わっておらず、こんなばかげたことをするなら、彼らをハーフタイムショウに出演させる な!。清潔なファミリーミュージックグループの「オズモンズ」や「パートリッジファミリー」を出せばいいじゃん、と思いました。
The New York Timesによれば、ストーンズも事前にこの音量問題は了解して出演したということですが、ミック・ジャガーは、「まったくばかげている」と言うコメント を、ゲーム終了後に出しています。しかし、いつも同じ曲を、同じアレンジで、同じように歌う、ミックの姿は、歴史的なミュージシャンとは言え、「またか」 という印象を持ち、「もっと工夫はないの?」とABCとNFLに思わず、問いかけたくなります。
ただし、私のように40年もストーンズを聞いている人間と違って、Generation Yには、ストーンズは新鮮に映るようです。以下は、ある10歳の少女のiPodのプレイリストです。
The Black Eyed Peas
Outkast
Christina Aguilera
Jewel
the Stones
the Beatles
Queen
Bruce Springsteen
Elvis
Sinatra
Count Basie
まあ、タイムレスなミュージシャンということになんでしょうけど、やはり私のiPodのプレイリストとはだいぶ様相が違います。ブラックアイドピーズ、アウトカスト、クリスティナ、ジョエルと、シナトラやカウントベーシーが共存する、それがGen Yのようです。