ひさみをめぐる冒険
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ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



米国に戻って…「Super Bowl」、「Super Tuesday」etc.

2/10/2008

 
2月3日(土)に日本出張から戻りました。日本を出る日は、東京は朝から雪が降り、寒さに弱い母ですが、私が帰る日ということで、元気な子犬のように外にでて、玄関の回りの雪かきを始める始末です。私にとって、12年ぶりに目にする日本の雪ですが、母の元気な姿を見て、思わず嬉しくなりました。

今回の出張では4回のおしゃべり(3回の講演とトークセッション=JaM Session in Tokyo)と「JaM Report Vol. 3 (米国最新マーケティング事情レポート)」の完成・納品というミッションがあり、何とかすべて無事に終了しました。前回の1月24日のエントリで最初の講演のことをブログしてから、国分寺の実家やホテルに籠もって、レポートやPPTの作成にフォーカスして、通常の出張のように多くのミーティングは組めませんでしたが、かなりProductiveに仕事をすることが出来ました(その代わり、毎度のことながら、Blogless=ブログレスの日々となってしまいました)。

今回の日本滞在では、講演や打ち合わせ、会食が終わった後、ホテルに戻ると、気になる大統領候補選挙に関する記事やブログを、延々とオンラインで読み始めて、かなり無駄な時間を使ってしまいました。NY TimesやWashington Postなどの大統領選関連情報のeMail alertをセットアップしているので、リアルタイムでアップデイトされた情報がメールされるため、24時間体制(日米の時差の関係)で情報を読んでいました。選挙戦の情報は、個人的に非常に関心が高いので、情報をついつい深堀して(リンクをドンドン掘っていく)、あっという間に時間がたってしまいます。特に今は、「CGM (Consumer Generated Media:消費者創出のメディアやコンテンツ) 」、あるいは「UGC(User Generated Content:ユーザ創出コンテンツ)」の時代なので、政治問題のアナリストやブロガーの分析以上に、それに反応する一般読者やユーザのコメントを少なくとも200ぐらい読むと、コミュニティ全体の考えが見えてきます。こうした傾向を、最近よく「Content to Context (コンテンツからコンテクスト=文脈や背景)」という風に表現しています。今回もホテルでそんなコメントを何百と読んでかなり目をやられました。いつも思いますが、職業柄、私はテクノロジーの恩恵を大いに預かっていますが、それがしばしば私の睡眠時間を削り、神経と肉体の疲労を高めているということも実感します(もう年なんだからいい加減しなさいと自戒しています)。

そんなこんなで2月3日に米国に戻り、日本とは打って変わった暖かな春の日差しを浴びてちょっと元気になった私は、ちょうどSuper Sundayだったので、「Super Bowl」を見るために、張り切って夫ともにワインとチーズを手にして、リビングルームのカウチに座り込みました。飛行機でほとんど眠れない私はゲームもコマーシャルも見ずに寝ていたらしく、夫に言わせると、「珍しくゲーム自体が結構面白く、TVCMは昨年以上にひどく、何も見るところがなかったから、起こさなかった」と言われてしまいました。フットボウルファンでない私はゲーム自体に一切興味がなく、マーケッターとして広告にだけ関心があるので、どっちにしても明日はYouTubeでコマーシャルを見るわと言って、そのままコンピュータも開けずに寝てしまいました。このスーパーボウルのコマーシャルのことは、宣伝会議の3月15日号で書きます(締め切りがもうすぐで、おしりに火がついています、スイマセンいつも原稿が遅れて)。

翌々日は「Super Tuesday(=Tsunami Tuesday)」で、カリフォルニアも含めて大票田の州が投票する大統領候補選挙の一大イベントでした。この日までには絶対に米国に戻るつもりだった私は、朝からソワソワして、宣伝会議の原稿書きにも身が入りません。夫は仕事が終わったら投票に行くと言うので、私も同行しました(私は米国の永住者ですが米国籍ではないので投票権はありません)。教会や高校・中学校などが投票所ですが、私たちが住む小さな島Alamedaも、5時半過ぎの道路は投票に急ぐ人たちで珍しくラッシュアワー状態で、投票を済ませた私たちに場所を聞く人もいて、普段投票しない多くの人たちがいかに今回の選挙に情熱を持っているかという熱気を感じました。結果は共和党はマケインが候補者としての大きな足固めをして、民主党はClinton(クリントン)とObama(オバマ)の引き分け状態で、勝負はますます僅差へともつれ始めています。

しかし、米国民の熱気は凄まじいものがあります。様々なボランティアのとんでもないほどの無償のワークと個人の寄付によって、候補者たちは延々とキャンペーンを続けていくことが出来ます。何百万ドル、何千万ドルというキャンペーン資金はほとんどそうした情熱の証によって集まったものです。つくづく思うのは、アメリカという国の仕組みは、まさにこうした人々のグラスルーツの努力によって支えられており、これなくしてアメリカという国はありえないと言うことを実感します。夫に思わず「投票権を得たいから、アメリカ人になろうかな」と言ったら、彼は「それも可能だけど、すでに君はオバマキャンペーンを日本人に向かってやっているじゃない、それはカタチを変えたサポートだよ」と言われ、まあ確かにと納得しています。ただ思わずもっと巻き込まれたいと思わせるのが、今回の選挙戦です。

オバマキャンペーンのタッグライン「Yes, we can」、この言葉が私は好きです。アメリカに移住して来て、私が何か米国のことでわからないことがあり、なぜそうなの?と夫に理由を尋ねると、彼がしばしば使った言葉が「Because we can」でした。これは、日米の思考回路の根源的な違いのように感じて、大いにびっくりしたことを思い出します。そんなカルチャーショックを受けた私も最近は「Why not?(なぜできないの?)」という発言をするくらい、「Because we can」という考えが身についてきています。「Yes we can」と言って、この言葉を信じて行動する、これがこの国のエネルギーです。傍観者でいるのがつまんなくなるくらい、まだまだ熱いものがあります、この国には。


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    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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