そんな中、私は22日のThanksgivingも、朝から日経ビジネスのオンラインで連載中のコラム原稿をしこしこ書いていましたが、原稿の締め切りを、3日間延ばしても良いというメールを見た途端、緊張の糸がプッツンと切れて、23日から急に鼻水グズグズの今年2回目の「鬼の霍乱」に陥りました。それでも今回は軽い風邪症状でしたので、夫と2人の静かなThanksgivingのディナーや、友人夫婦と一緒にダイニングアウトするなど、多少のホリデイ気分は味わうことが出来ました。25日は私の誕生日で、午前中は静かに横になっていましたが、午後からカウチに座っているのに飽きた私が裏庭で草むしりを始めると、夫が自転車に乗ろうと言い出し、早速自転車に乗って、2人で島を走り始めました。夫は途中で何気なく、私が以前から欲しがっていたハンドバッグのあるお店で自転車を停めて、誕生日プレゼントとしてハンドバッグを購入してくれました。この予期せぬ出来事で、私の気分はいきなり「Happy Birthday Girl」となり、勢いよく、風を切って自転車をこぎまくりました(風邪はどこに行ったのか?)。
誕生日は、本当にプライベートなものなので、いくつになっても、他の人が気にかけてくれると、嬉しくなります。昨年で私も「Big 50」に突入し、それ以来、周囲の人に自分の年齢を言うと、みんな一様に一度息を呑んで、「お若いですね。とてもそうは見えませんよ。」と言われ、そのたびに、「そんなに驚くことなのか?」と思い、50代の人間が現代の社会のなかで、中途半端な存在であると、実感します。いろんなマーケティング調査などでも、年齢のセグメンテーションが、なぜか「39~49歳まで」となっていたり、「50歳以上」といきなりシニア層の70代と一緒人されたりと、実際の50代の人間のライフスタイルや意識が明解に社会で認識されていないようです。
50代は、単純に言うと「かつての50代と違って、心も身体も全然若い」
- 意識が非常に若く、肉体もまだまだ若いので、行動も若い世代と大して変わらない
- 子供がすでに巣立っているので、自分のために使うお金がある
- 健康維持や若々しいスタイル維持のために、お金と時間を惜しまない
- ダイニングアウト、旅行、スポーツなど、「パートナーや友人と時を楽しむ」ためにお金を使うことを惜しまない
- 「人生を楽しもう」としている
スキンケアブランドのDoveが、50代の女性をターゲットに、彼女たちのオールヌードのヴィデオを使って、「Pro-Age」という製品をローンチングしましたが、あれは私から見ると50代の女性の意識にあっていない、そんな気がします。あくまでも推測ですが、あのキャンペーンを企画制作したグループには、もしかしたら50代が1人も入っておらず、若い人たちから見た「50代以上の女性」という視点で製作したのでは、と思っています。「アンチエイジング」ではなく「プロエイジ:年齢のそのまま受け止める」というコンセプトはよくわかりますが、バイラル化を狙って、オールヌードのアマチュア女性たちを出したことに疑問を感じます。若い人たちにとっては、50代の女性のヌードは衝撃的かもしれませんが、私たち50代の女性にとっては、ヌードだろうが、ビキニだろうが、レオタード姿だろうが、別にどうってことはなく、みんな自分がしたいことを、常識にもとづいて(時と場所に応じて)、おこなっています(ヨーロッパの海岸ではトップレスもありますし、そこには年齢制限はなく、老若男女みんな裸です)。オールヌードといった「奇を衒った」表現自体が、逆に何となく年齢差別を感じて、もっと普通にアプローチできなかったのかなと思います。
マドンナも来年8月16日で満50歳となります。彼女みたいなタイプがガンガン活躍してくれば、「50歳への偏見」もそろそろ終わりになる、そんな気がします。