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サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



メディアカーニバル:サラ・ペイリンへのメディアのObsession(執りつかれること)

11/17/2009

 
Obama(オバマ)大統領への9日間のアジア訪問の間、米国のメディアは、Michal Jackson(マイケル・ジャクソン)死亡以来の大騒ぎで、Sarah Palinの(サラ・ペイリン)の回顧録「Going Rogue」を、夢中で報道しています。私も先週何度かTweetしましたが、ペイリンがアラスカ州知事を任期途中で突然辞めた最も大きな理由は、50万ドル(5000万円)にも膨れ上がった莫大な訴訟費用を払うためです。州知事の権力によってプレッシャーをかけて、彼女の義理の兄弟でにあたる州の警察官を辞めさせた「Troopergate」は、結果として、ペイリンを最も手っ取り早くお金を稼ぐ方法である「回顧録」の出版へと走らせました。

この書籍出版に伴うペイリンの「Book Tour(書籍のプロモーションツアー)」は、共和党と民主党の激戦区と呼ばれる州で、彼女のコアのファンが住む田舎のタウンが選ばれており、2012年の大統領選挙に向けた野心が明解に見えます。こうしたエリアには、彼女が「Real American(本当のアメリカ人)??」と表現する、多くのアンチエリートの考えを持つペイリンの熱狂的なファンが住んでいます。彼女の回顧録をすでに読んだ政治評論家やメディアは、「書籍には一切政策に関わる論議はなく、ひたすら自分がリベラルなメディアとマケインのキャンペーンスタッフにいじめられたという苦情」に終始しているというコメントが目立ちます。マケインキャンペーンのアドバイザーSchmidtは、ペイリンの敵として書籍で非難されていますが、彼に言わせると「これは完全なフィクション」ということで、すでに書籍の「事実チェック」がドンドンオンラインに流れています。

私が驚いたのは、ペイリンのKatie Couricへの恨み言です。Couricの有名な「どんな新聞を読んでいるか?」の質問に、彼女は答えられませんでした。この1件で当時、多くの人たちが彼女のインテレクチュアルな能力を疑うという結果をもたらしましたが、ペイリンはこのインタビューが今でも許せないらしく、書籍の中でもCouricへの非難を繰り返しているようです。また、ペイリンは、書籍販売のためにメディアカバレッジが欲しいので、TV番組でも著名人からのインタビューに応じています。Oprahとのインタビューでも、義理の息子になるはずだった「Levi(ペイリンとは険悪な対立をしています)を感謝祭のディナーに招くか?」という質問にもギクッとした表情で答えをクリアにしていません。Barbara Waltersのインタビューでは、オバマ大統領は10点満点のうち4点で、経済・軍事など決断が明解でなくて良い仕事をしていないと非難しています。

ABC News/Washington Postの調査(11月12日から15日)では、「ペイリンは大統領としての資格があるか?」という質問に対して、

  • 38%:資格がある
  • 60%:資格がないという結果がでています。私が驚いたのは、40%近くの人が、彼女は大統領としての資格があると思っていることです。彼女の人生は(若くして州知事に当選、ダウン症児の出産、高校生の娘の妊娠、副大統領候補として全米レベルの脚光を浴びる、大統領選の敗退)は、まるでソープドラマあるいはパルプフィクションみたいで、多くの人たちにもっと知りたいと思わせる磁石を持っています。彼女は、州知事を辞任してから、あえて論議を招くような発言を「Facebook」を使って、どんどんディストリビュートしています。彼女が嫌うリベラル寄りのメディアを介さずに、彼女は率直に(時には意味不明)、直接ファンとエンゲージしており、すでに100万人のファン(サポーター)がいます。彼女は、経済状況の悪化によって、アンチワシントン、アンチ政府という気持ちになっているアメリカ人の怒りのWave(波)にうまく乗っており、正式なプレス会見やリリースという従来のやり方をとらない分、彼女のファンはより熱狂しているようです。

  • 問題は、すべてのエスタブリッシュメントに反対しているペイリンが、どこまで米国大統領として、どちらの政党にも属さないインディペンデントの人たちを満足させる政策がもてるかどうかで、これが出来なければ、彼女の2012年の可能性は薄くなると思います。すべてにわたってあまりにも優等生的なオバマファミリーと比較して、ペイリンの家族は「Disfunctional family(機能していない家族)」と呼ばれて、現実の米国の家族のリアリティを投影しています。上述の38%のペイリンを大統領として認める人たちの気持ちの中には、この機能不全の家族を持つペイリンに、自分たちの苦悩を重ね合わせているのかもしれません。

    しかし、彼女の敵であるされたメディアは、「ちょっとカーニバル状態」で、もっと沈静化すべきだと思いますが、「おいしい赤い肉を与えられたライオン」のように、視聴率をとりたいメディアのペイリンへの熱狂はどうやら中々止まらないようです。


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      大柴ひさみ

      日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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