この書籍出版に伴うペイリンの「Book Tour(書籍のプロモーションツアー)」は、共和党と民主党の激戦区と呼ばれる州で、彼女のコアのファンが住む田舎のタウンが選ばれており、2012年の大統領選挙に向けた野心が明解に見えます。こうしたエリアには、彼女が「Real American(本当のアメリカ人)??」と表現する、多くのアンチエリートの考えを持つペイリンの熱狂的なファンが住んでいます。彼女の回顧録をすでに読んだ政治評論家やメディアは、「書籍には一切政策に関わる論議はなく、ひたすら自分がリベラルなメディアとマケインのキャンペーンスタッフにいじめられたという苦情」に終始しているというコメントが目立ちます。マケインキャンペーンのアドバイザーSchmidtは、ペイリンの敵として書籍で非難されていますが、彼に言わせると「これは完全なフィクション」ということで、すでに書籍の「事実チェック」がドンドンオンラインに流れています。
私が驚いたのは、ペイリンのKatie Couricへの恨み言です。Couricの有名な「どんな新聞を読んでいるか?」の質問に、彼女は答えられませんでした。この1件で当時、多くの人たちが彼女のインテレクチュアルな能力を疑うという結果をもたらしましたが、ペイリンはこのインタビューが今でも許せないらしく、書籍の中でもCouricへの非難を繰り返しているようです。また、ペイリンは、書籍販売のためにメディアカバレッジが欲しいので、TV番組でも著名人からのインタビューに応じています。Oprahとのインタビューでも、義理の息子になるはずだった「Levi(ペイリンとは険悪な対立をしています)を感謝祭のディナーに招くか?」という質問にもギクッとした表情で答えをクリアにしていません。Barbara Waltersのインタビューでは、オバマ大統領は10点満点のうち4点で、経済・軍事など決断が明解でなくて良い仕事をしていないと非難しています。
ABC News/Washington Postの調査(11月12日から15日)では、「ペイリンは大統領としての資格があるか?」という質問に対して、
しかし、彼女の敵であるされたメディアは、「ちょっとカーニバル状態」で、もっと沈静化すべきだと思いますが、「おいしい赤い肉を与えられたライオン」のように、視聴率をとりたいメディアのペイリンへの熱狂はどうやら中々止まらないようです。