14日に発表されたForrester Researchの調査では、初めてオンラインショッピングで、「ファッションアイテム(衣料、靴、アクセサリ)」が、「テック関連製品(コンピュータ関連のハードやソフト)」を抜いたということです。これは、オンラインショッピング史上初めてのことで、確かに私も毎日の生活でそれを実感します。
もうインターネットは、Geek(オタク)な男性たちの世界では、とっくになくなっており、むしろ電気、水道、ガスなどのUtility(公益事業)に近い感覚で、年齢・性別に関係なく、ごく普通の人たちの日常生活にどっぷり定着しています。特に、スペックが良くわかっている書籍・音楽・旅行関連製品に限らず、ファッションアイテムや日常必需品(トイレットペーパーや洗剤まで)を、オンラインで購入するのも、何ら抵抗がなく、オンとオフの差はどんどんなくなってきています。以下は調査の数字です。
- 2006年オンラインショッピング: 2,199億ドル(26兆3,880億円)(25%増)
- 2006年トラベル関連製品を除くと: 1,465億ドル(17兆5,800億円)
- 2007年オンラインショッピング: 2,590億ドル(18%増)(31兆800億円)
- 2007年トラベル関連製品を除くと: 1,745億ドル(21兆940億円)
- ファッションアイテム: 183億ドル(2兆1,960億円)
- コンピュータ関連(ハード& ソフト):172億ドル(2兆640億円)
- 自動車・自動車部品: 167億ドル(2兆40億円)
- 家具関連製品: 100億ドル(1兆2,000億円)
これだけ、オンラインショッピングが日常化していると、当然オンライン市場で小売店同志の競争も激化していきます。こうしたオンライン小売店舗が頻繁に使用するのが、インターネットの検索広告のクリックスルーです。Google(グーグル)の今日の繁栄もひたすらこれに依存していますが、Yahoo!(ヤフー)やそれ以外の主要な検索方広告を配給するウェブサイトの10~15%は、一般ユーザによるものではなく、不正な方法によるクリックである、という数字が、信用調査の代理店であるFair Isaacから、発表されました。
グーグルは、Fraud-Detection(不正行為の防止)システムで、そうした不正のクリックスルーはフィルターをかけているので、広告主に対して決してオーバーチャージしていないとし、またそのフィルターにかかる不正率は10%以下だと発言しています。ヤフーは、この不正クリックをあらかじめ計算して、最初から12~15%を差し引いて、広告主に請求していると答えています。
Fair Isaacは、彼らのファイアーウォール内で、フィルタリングや防止ができたとしても、彼らの外のマーケティングのネットワークサイトへ、広告がデリバリーされた後は、コントロールが効かなくなると、分析しています。
競争相手が、大量にクリックして、相手の広告金額を使い果たすという、オンラインならではの不正行為ですが、オンラインの日常化は、さまざまな戦術が生み出します。
そうです、マーケティングの世界は、常に「モグラ叩き状態」で、安住できない世界です。常に創意工夫をして、努力を怠らない、これしかないようです。