昨年のアカウントは、ニューヨークの大手広告代理店2社、Ogilvy & Mather WordwideとYoung & Rubicamが担当しており、媒体支出額は、TNS Mediaによれば12億ドル(1,440億円)でした。今年はそれと同様あるいはそれ以上の費用を投入するらしく、このアカウントは、1983年に創立されたGoodby, Silverstein & Partnersにとって、最大のアカウントになるということです。
Sprint Nextelが、Goodby, Silverstein & Partnersのようなクリエイティブを得意とするブティークエージェンシーを選んだ理由を、以下です。
「Goodby for its combination of "strategic strength, breakthrough creative execution and ourstanding new media integration"(Goodbyを選んだ理由は、戦略的な強み、進歩的なクリエイティブ実行力、突出したニューメディアとの統合力」、といった能力のコンビネーションである。)」
この選択理由こそ、大手広告代理店が耳を傾けなければならない至言だと思います。
テレコミュニケーション業界は、ジェネレーションY (Gen Y)をターゲットとして、新しいマーケティングの試みをどんどんしていかなければ、生き残れない熾烈な競争の場です。オータナティブなマーケティング戦略やメディアを駆使して、このマルチタスキングでマルチメディア消費行動の若い層とBonding(感情的にコネクトする・絆)しなければなりません。そのために、クライアントが広告代理店に求めていることが、上記の言葉に集約されています。
今は、たった一つの方法では、成功できない時代です。マーケッターはよりハードにワークしなければならない過酷な時代でもあります。でも、個人的には、大きなメガエージェンシーでなくても、創造性がある革新的なブティークエージェンシーが、桧舞台にたてる今は、非常にエキサイティングで、面白い時代と、実感しています。
私自身、JaMを表現する時に「ブティーク」という言葉を使って、非常にニッチなポジショニングであるけれども、クライアントの1つ1つのプロジェクトをカスタマイズして、丁寧に仕事をしていくことを「強み」の一つとして挙げています。
このアカウント移動のニュースは、うちも含めてブティークを自認する会社に勇気を与える話だと思います(と、言いながら、Goodbyは、うちとは比べものにならないくらい大きくて、プレミアムなブティークエージェンシーですが、言ったが勝ちという言葉もあるように、勝手に自己投影しながら書いています)。
円換算:1ドル=120円