3年前に交通事故で片足を無くして義足で生活している49歳の女性Jamie Hansonさんが、自宅のカウチでTVを見ていた時、彼女の猫がテーブルの上に飛び乗ってキャンドルをひっくり返して、室内のプラントに火が回り、一気に火災が発生しました。
彼女はカウチから落ちてしまい、義足まで身体が届かず苦しんていましたが、13才になる訓練犬のJesse(メス)が義足をくわえて彼女のところに持ってきて、さらに電話を彼女のところに運んできました。彼女はすぐに911(警察)に電話をして、Jesseは、彼女を外に無事に連れ出しました。その後、2階で泣いている猫の声を、聞きつけて、そのままJesseは、炎上する家屋に飛び込んで、猫ともども亡くなってしまいました。
Jamieは、火傷を負いましたが、無事に病院で手当てを受けて、忠犬Jesseが亡くなったことを知らされて、号泣していました。何でもない事件ですが、このJesseの使命感に燃えた死を恐れない救出行動に、何ともいえないほど崇高な思いを感じます。犬と人間の関係は、思いも寄らないほどの深さで、つながっており、こうした忠犬の話は世界各国で聞きます。
私事ですが、私の祖母の犬ロンのことを、20年ぶりに思い出しました。祖母は伊豆大島在住で、1986年三原山*の大噴火の時、全島1万人に避難命令が出て、泣く泣くロンを港の桟橋において、東京に運ばれました。残されたロンの面倒は、残って島の警戒をすることになっていた町役場の人たちがするということになっていましたが、ロンは桟橋を離れず、食事も食べることなく、祖母に置いていかれたショックで、しばらくして亡くなってしまいました。
祖母も、ロンの死を聞いて、もの凄いショックを受けて、かなり精神的に落ち込んでしまったのを、覚えています。彼女の後悔は、尋常ではなく、なぜ、彼を置き去りしたのかと、苦しんでいました。その後の大島には、同様の非業な死を遂げたペットの話が出てきて、生活を共にする動物の存在の重さを実感したのを思い出します。彼らは遠く離れて暮らす親戚や家族以上に、祖母と24時間片時も離れず暮らす、最も重要なパートナーで、彼らはお互いになくてはならない存在だったと思います。ふっと、伊豆大島や祖父母のことを思い出させる、悲しい忠犬のニュースです。
三原山:標高764mで、「御神火」として、昔からあがめられています。ちなみにうちの親戚は代々この御神火を祭る神主です。ハワイのキラウエア火山・イタリアのストロンボリー火山と共に 世界三大流動性火山の一つです。1986年、210年ぶりの大噴火が起きました。子供の頃、夏休みに祖父母の家に滞在中、夜間になると山頂から溶岩が噴き上げるのをよく見かけた記憶があります。