「Billion(ビリオン)」という数字になると、自分と隔絶した金額なので実感がわかなくて、とにかくすごいんだろうな、と漠然と思うだけです。地元サンフランシスコ・ベイエリアからも、47人がこのリストに名を連ねており、トップはOracleの創設者Larry Ellisonで14位(250億ドル)で、その後にベイエリアから続くのはGoogleの2人の創設者で、Sergey Brinは187億ドルで32位、Larry Pageは186億ドルで33位で、同じくGoogleのCEOのEric Schmidtが66億ドルで142位ということです。
全世界には1125人のビリオネラーが存在するということですが、みんなこの資産をどのように使うのだろうか?とちょっと考えてしまいました。ビル・ゲイツはすでに自分の資産はチャリティに使うべく妻のメリンダと一緒に、「Bill & Melinda Gates Foundation」という387億ドルの資産を持つ財団を作って、HIVやマラリアで苦しむアフリカの子供たちの支援に乗り出しており、バフェットはゲイツを信頼して、彼の莫大な資産をゲイツ財団にほとんどつぎ込むこと約束して実行しています。この世界第1位と第3位の金持ちたちのお金の使い方は、自分が稼いだお金は、自国の政府や企業が中々手をつけられない貧困や病気という永遠な課題を解決すべく、社会還元しており、私が2年前にコラムで書いたように、資本主義社会における「*Noblesse Oblige(ノブレス・オブリージュ)」だと思います。
*Noblesse Oblige(ノブレス・オブリージュ:貴族として果たすべき義務):1808年フランスの政治家ガストン・ ピエール・マルクが最初に使った言葉。作家の塩野七生氏は、ローマ帝国1000年を支えたものは「ノブレス・ オブリージュ」であると指摘。ローマ貴族は戦時に率先垂範して最前戦に出て戦い、公共の利益のために自らの 財産を社会に提供したと言っている。
ビル・ゲイツは、今年の1月のCESショウで、マイクロソフトのフルタイムワークを退いて、財団にもっとフォーカスすると発表して、ヴィデオを公開しました。「The Last Day (最後の日)」というタイトルのヴィデオは、彼のマイクロソフトの最後の日を描いており、自らのギークなキャラクターを面白がって、いかにも彼がやりそうな行動や発言を、各界の著名人を使って展開して、ほほえましいものに仕上がっています。最後に彼がマイクロソフトを去った後も、テクノロジー業界の株価は安定して、特に変化はないとするエンディングがゲイツらしいと思います。