AppleのCEOのSteve Jobs は、エリックのことを以下のように話しています。
「Like Apple, Google is very focused on innovation and we think Eric's insights and experience will be very valuable in helping to guide Apple in the years ahead」
エリックもスティーブとアップルのことを、以下のように大いに褒め称えて、就任を喜んでいます。
「Apple is one of the companies in the world that I most admire」、「I'm really looking forward to working with Steve and Apple’s board to help with all of the amazing things Apple is doing」
アップルのボードメンバーには、元副大統領のAl Goreも、アドバイザーでいることを考えると、彼らを結びつけるキーワード「Innovation」は、彼らのレゾンデートル(raison d'etre:存在価値)みたいです。
アップルは、今米国で大きな問題となっているストックオプションスのバックデイト企 業121社の一つとして、SECの調査が入っている最中です。特に企業規模からいうと、アップルは、UnitedHealth Groupと、Home Depotに続いて、市場価値が3番目に大きい会社で、知名度から考えると、何らかの違法行為が発覚した場合のインパクトは、かなり大きいものとなりま す。スティーブが創設したPixarも、この問題でひっかかっており、すでに、Brocadeでは、元CEOの逮捕にも発展しており、いろんな側面から、 予断は許せません。
エリックがアップルの役員の給与や賞与策定委員会のディレクターになるかどうかは、わかりませんが、仲良し組みがボードメンバーになるのは、前述のストックオプションも含めて、第3者として冷静な判断ができるのか?とも思います。現在の米国のビジネス社会では、CEOの給与や賞与が異常なほど高額で あるということは、私もこれまでも何度も書いてきましたが、この判断のキーを握るは、ボードメンバーですし、その意味でもボードの選出は重要な意味を持ち ます。また、グーグルの広告収入によってiTuneのサービスがサポートされていることを考えると、単なる仲良し以上にビジネスパートナーとしての緊密感 も、気になります。
また、私はいつも思いますが、こうした著名なボードメンバーは、自社の超多忙な仕事もあり、そういう人たちが他社のボードとして十分働ける時間があるの か?という素朴な疑問が生まれます。私のところには、今のところ、誰もボードメンバーになって欲しいという依頼が来ないので、自分自身はそんな心配をする 必要がないのですが(笑)、他人事とはいえ、ご近所の隣組の仲良しぶりは気になります。