
結婚式の前日は、花婿の両親の所有するRanch(牧場)でパーティがあり、100人ぐらいの招待客は、全員ウエスタン姿で集まり、クレイ射撃、カヌーイング(牧場にはクリークが流れていて、カヌー漕ぎができます)、スクウエアダンス(プロのDJがいるので誰でもウエスタンのダンスが踊れます)を楽しみ、私も初めてショットガンでクレイを撃ち、ガンの重さとその衝撃に驚きました。
翌日はSLCのスキーリゾートAltaで結婚式。花婿と付き添いの男性たちは全員スコットランドのキルトを着用し、バグパイプが流れる中、美しい峡谷での式でした。私は、最初に花嫁の継母として、キルト姿の男性に腕を組まれて登場し、最後に、夫が花嫁の母(夫の前妻)と、花嫁を両側から支えるようにして登場して、花婿に花嫁を手渡しました。日頃は陽気な義理の娘も、さすがに感激の様子で涙ぐんでおり、花嫁の伯父(彼は当日モンタナを午前3時に出て、SLCに午後4時に到着するというハードスケジュール)による結婚の祈りと誓いも滞りなく終わり、その後は夜10時過ぎまで、延々とパーティが続きました。ライブバンドのダンスで盛り上がり、花婿の友人たちはキルト姿のままプールに投げ込まれ、最後は参加者全員が持つ花火の中を、花婿と花嫁が駆け抜けるなど、アメリカっぽい結婚式となりました。
戻った翌朝は、行く前からかかりっきりだったWOMMAのレポートの最終編集に明け暮れて、オーストリアに滞在中の関係者と電話内容を確認しつつ、何とか夜までに完成し、これも無事に日本に送りました。また、不在中の JaMのビジネスに関しては、日本滞在中のビジネスパートナーと、IMとEメールでチャットしながらディスカッションして、これも懸案がうまく動いているようで、一安心しました(しかしIMは本当に便利。彼女は日本の野尻湖畔のキャビンでWiFi環境でラップトップを使用していますが、Yahoo!のIM では、スピードも含めて、全然問題なく使えました。まるで、いつもと同じように、San FranciscoでIMをしている感じで違和感も何もなく、テクノロジーの便利を実感しています)。
たったの5日間でしたが、コンピュータから離れて、ロードトリップに出かけたのは正解でした。今回はまるまる2日間、クルマの中で過ごしましたが、いつものことながら、カリフォルニアとネヴァダの州境のシエラネヴァダ山脈を越えてフリーウエイ(I-80)を、最高速度75マイル(120.7km)にセットして、クルーズコントロールでひたすらSLCに向かって走るのは、太平洋をセーリングしているのに近い感覚で最高です。
我が家のクルマがかなり老体になってきており、今回はスバルレガシーのOutbackの新車をレンタルしてドライブしました。非常に安定しているクルマで、リアルタイムの燃費、走行中の平均燃費、次回の給油までの距離、屋外の気温など、我が家の11年前のレガシーのンワゴンにない機能が満載で、数字を読みながら大いに楽しみしました。1ガロンが3ドルを超える状況下の米国で、今、最も気になる燃費も平均25mpgと、効率よく走ってくれるため、思ったよりガソリン代がかからず、大満足です。
今朝の新聞で、トヨタが初めて月間の販売台数でフォードを1万7,000台抜いたと報告されて、話題になっていますが、燃費がよく信頼できる日本の自動車メーカーの勢いはとどまるところを知らないという感じです。以下は各社の7月単月の販売数字です。
トヨタ: 11.7%増(乗用車部門19.8%増、トラック部門1.3%増)
ホンダ: 6%増(乗用車部門5.4%増、トラック部門6.8増)
日産:19.5%減(乗用車部門14.5%減、トラック部門24.9%減)
GM; 22.2%減(乗用車部門2.7%減、トラック部門31.2減)
フォード:35.2%減(乗用車部門6.7%減、トラック部門44.8%減)
ダイムラークライスラー:37.4%減(乗用車部門23.5%減、トラック部門40%減)
米国では、「クルマ」は日常生活のすべてに深く関係する「足」です。これがないと誰も何もできず、ライフラインに近い感覚です。特にA地点からB地点へ移動する時に、日本のように公共の交通機関が発達しておらず、とてつもない距離をガンガン走らなければならず、クルマとガソリン代は大きく消費生活を左右します。トヨタとホンダの好調さの裏づけは、長期的な戦略に基づいた燃費の良いコンパクト車の品質向上やハイブリッド車の充実など、社員の年金や組合問題で効率化の図れない米国の自動車メーカーを、どんどん置き去りにしているようです。
往復1,500マイル(2,414km) のロードトリップは、久しぶりに、消費者として、米国でのクルマの意味を考える価値のある旅でした。個人的な結論は、レガシーは相変わらず良いクルマで、長時間乗っていても快適で、燃費も良く、ハンドリングもしっかりしていて、ワゴン部分のスペースもたっぷりあって荷物がたくさん収納でき、機能的だということです。また、次回も10年ぐらい同じクルマに乗ることを考えると、我が家の購入候補のクルマのリストには、Outbackを入れておきます。ハイブリッド車も視野に入っており、将来の米国生活を考えると、なるべく石油に依存しないで生きねばとも、思います。