ひさみをめぐる冒険
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ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



人の運命を思うと、私はなんてラッキーなんだろう!

8/11/2005

 
8月9日のエントリーで、Home Hountingの告白を書きましたが、今朝の新聞では、またしてもサンフランシスコが、年収をベースに考えた場合に、全米で最も住宅が購入しにくい都市の一つだという記事と、全米で最も平均ガソリン価格が高いという記事がサイドバイサイドで並んでいました。思わず、「毎日これじゃ、たまらない」とぼやきが出てしまいました。

高価格の住宅の都市のトップ5は以下です。ベイエリアの都市が3つで、Orange Countyのみが、南のLAエリアですが、すべてカリフォルニア州の都市です。

Orange County
San Jose
Santa Cruz
San Francisco

また、それと反対に最も住宅が購入しやすい都市は以下です。
Lima (Ohio)
Youngstown (Ohio)
Buffalo (NY)
Waterloo (Iowa)

ガソリン価格の全米とベイエリアの比較は以下です。
全米平均: $2.35
California 州:$2.66
San Francisco:$2.71
Oakland:$2.66
San Jose:$2.65

まったく、ガソリンはますます高くなり、住宅価格はバブルだと言われながら毎月高騰し、なぜこんなエリアにいるのかと自問自答しますが、ここを離れてしま うと、2度とここに戻れないという恐怖が引き留めるのかもしれません。他の州に移住すると、物価も安くなりますが、当然住宅価格も低く、いざベイエリアに 戻りたいと思った時に、他の州の住宅売却価格では、ベイエリアに家が買えないという現実があります。ですから、ここにとどまりたい人は、とどまれる限り、 ここにいなければならないということになります。

そんな中で、昨日も夫と今週末のHome Hountingのスケジュールの話をしていましたが、彼の口から、本当に心から彼に感謝したい言葉が出てきました。彼は「今度は小さなタウンで、 Redwood Shoresみたいな郊外住宅じゃないから、日本のママがこっちに来た時に、自転車で買い物やビーチに行けるから、彼女はきっと気に入るよ。3 bedroomsが買えたら、スペースがゆったりするから、ママが気兼ねしないで、好きなだけここにいればいいし、一生ここにいても大丈夫だよ」と、目を 輝かせて話していました。

母は、夫を非常に愛しており、いつも私には1人の娘と2人の息子がいると言っています(私は弟が1人います)。また、母は私が日本に行くと、必ず 「Davidの言うことを良く聞いて、彼のあとをついていきなさい」と言います。私にとって、世界中で最も大切な2人が、お互いのことを常に気遣う、そん な言葉に珍しく、涙腺がゆるんできました。

人の運命とは、本当に不思議なもので、8月15日の終戦記念日のことを考えていて、うちの父が終戦の年に20歳で徴兵されたことを、ふと思い出しました。 父は聴覚に多少不具合があったために、外地に送られず、習志野の陸軍駐屯地で、戦車の操縦士として配属されて、終戦を迎えました。父の兄2人はすでにフィ リピン沖で戦死しており、祖母は父を送り出す時に、耳元で「何があっても絶対に帰ってくると約束してちょうだい」と言って、送り出したそうです。父は、毎 日上官にアタマを蹴飛ばされながら(右折の際には、右側、左折の際には、左側にアタマを蹴られて、戦車は方向転換をしていたそうです)、戦車を運転し、命 が助かりました。耳が悪いというハンディキャップが、第2次世界大戦における、父の命を救い、その後の母との出会いが、私という人間を生み出す結果につな がっています。

「お父さん子」だった私は、17年までに父が亡くなった時に、Unconditinal Love(無条件で私を愛してくれるひと)を失ってしまったと感じ、ものすごい喪失感を味わいましたが、その6年後に夫とめぐり逢い、その喪失感は満たされました。

54歳でシングルとなった母は、良く自分の人生にとって最高のことは「お父さんと結婚して、あんたたち2人を生んで育てたこと」と言います。私も、ロール モデルは?と聞かれると、「両親」と答えます。あんなに一生懸命生きて、お互いに慈しみあい、仲良く暮らしていた夫婦は、ドラマでもみたことがありませ ん。

ロールモデルが「両親」で、メンターが「夫」というラッキーな私は、この過酷なベイエリアで生きていくエネルギーの源がたっぷりあるようです。


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    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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