State of Blogosphereのレポートによると、今年の3月、7800万と推定されたブログが、過去5ヶ月間で約2倍の1420万以上に急増し、7月末時点で13億以上のリンクがはられていると報告されています。毎秒1秒ごとに新しいブログが生まれ、毎日8万のブログが誕生しているという凄さです。半数以上のブログはアクティブ(過去3ヶ月の間にポスティングしている)で、13%のブログ(180万)は、少なくとも週に一度はポスティングされています。
米国、日本、韓国、中国、フランス、ブラジルは、ブログの成長率が高い国です。
この中で、目立つのはフランスです。フランスは、ヨーロッパの中で、インターネット普及率は、他の北欧諸国に比べて低いにも関わらず*、自己表現と討論が大好きな国民性を反映して、ブログが下は学齢期の児童から始まって、上は元首相まで、ブログっているようです。この詳細は、Wired Newsの記事に出ていますが、市民運動家が政治家をブログでこき下ろして、市長の告発を受けて逮捕されたり、10代の学生は、携帯電話を用いて、教師や友人の悪口をブログに書いて、停学処分になるなど、いろんな新しい問題が起きています。
*インターネット普及率:スェーデン73.6%、デンマーク68.7%、オランダ66.2%、フィンランド62.3%ですが、フランスは42.3%と半数に至っていません。スカンジナビアンは、フランス人ほど議論は好まないようです。
面白かったのは、パリにできたCEOのブログクラブで、 ここの入会条件は、会社の責任者(CEO,創立者、パートナーなど)であることと、ブログの作者であるという2点だけです。隔月間のオフ会出席が条件です が、パリ以外のところの居住者で、地理的に出席が無理な場合はOKです。この会の目的は、会社の開発においてブログはどのような役割を果たすことが可能か という動機から、責任者のためのブログのオンラインリソースとして、メンバーの体験を共有します。私も、この入会の2条件はクリアするので、このクラブに 参加は可能ですが、こうしたクラブが昨年の7月にできたことは、ビジネス上でいかにブログが与える影響が多いかを物語っています。
上記のブログ成長率の高い国々の中で、ちょっと異質だと思ったのは、日本です。米国、韓国、中国、ブラジルなどは、フランスと同様に議論や討論好きな国民 性ですが、日本はそうとは思えません。日本は匿名によるブログも盛んですし、私小説の伝統もあり、自己表現や討論のツールというよりは、独り言のような日 記形式が盛んなのかなと思います。
シハヌーク前カンボジア国王**も、自らの意見を自由に表現する手段として、過激なブログをつけている時代ですので(詳細はこの記事から)、こうした王族ブロガーから、私のような一個人まで、自己表現あるいは独り言やつぶやきは、時空を超えて、世界中を駆け回っているいるようです。
**シハヌーク前国王が、ガンの再発をブログで表明した際に、ある雑誌が前国王の死亡記事を用意していることを知って書いたブログの言葉。これは結構、名文です。
「5月1日金曜日現在、私にはまだ死んだという意識はない。もしかすると、もう死んでいるのかもしれない。だが、自分は生きていると信じ続けようと思う」
"Let's blog"