先週の土曜日、今年10回目の恒例のアルカトラス島からサンフランシスコ間(1.2マイル)を、ウェットスーツをつけずに泳ぐAlcatraz Invitationalが開催されました。今回大いに話題になったのが、身長2フィート1インチ、体重65パンドの4歳のゴールデン・リトリバーのJakeです。彼は初めて犬の競技者として参加し、500人の競技者の間で、41分45秒のタイムで72位の成績を収めました。
同伴者は、飼い主のWiggieWirelessの プレジデント、Jeff Pokonosky。JakeとJeffは、週に2回サンディエゴで2マイルの水泳をしており、Jakeは、オーシャンスイマーとして世界的に有名な Lynne Cox(アラスカとソ連間の5マイルを初めて泳いだ人)のトレーニングを事前に受けて、レースに望みました。Jeffの説明によると、JakeはJeff と一緒に泳ぐこと楽しんでおり、もしこのレースにJeffだけが参加するのであれば、Jakeは怒り出すと言っています。
WiggleWirelessは、携帯電話にニュースやテキストメッセージを送る会社で、このJakeのトレーニングやレース参加の経緯・結果は、すべてフリーで契約者の携帯電話に送られました。また、新規に契約するごとに1ドルが、Guide Dogs for the Blind(盲導犬育成機関)に寄付されます。
この「Jakeの挑戦」は、今、いろんな企業がいろいろなカタチで行っている「Cause Marketing(社会的貢献型マーケティング)」の手法を取りながら、人間に混じって犬が泳ぐという話題性を活かした「Buzz Marketing(バズマーケティング)」でもあります。また、テキストメッセージは、Jakeの視点で書かれた「犬のブログ」形式を取っており、いろ んな意味で、今風なマーケティング・キャンペーンとなっています。
Opera Softwareの「泳ぐCEO」は2日間で挫折しましたが、Jakeは500人中72位という好成績で完全に泳ぎきり、WiggleWirelessの広報が流したプレスリリースの 期待に見事応えています。もちろん、JakeとJeffがもともと一緒に泳いでいたから、生まれたストーリーですが、個人的にはこの手のマーケティング・ キャンペーンには、疑問を感じます。特に1ドルのドネーションという「Cause Marketing」のフレイバーをつけたことが、これみよがしで気になります。でも、これが最近の米国のマーケティング手法の一例でもあり、取り上げたサンフランシスコクロニクルの記事の中でも、そのビジネスの色気に関しては、チクリと触れています。
まあ、これもしょうがないかな…と思っています。