
私は、「もちろん、定量、定性、オンライン・オフライン、フォーカスグループ(日本で言うグループインタビュー)、エスノグラフィー(Ethnography:対象者の日常生活に密着して彼ら自身の言葉で意識や思考・行動を語らせる調査手法)など、調査手法によって多少意味は異なりますが、基本的には、私にとって調査は、"自分の仮説を裏付ける"ものです。調査データは、日々マーケッターとして、意識あるいは無意識に蓄積している感覚的な"気づき"を、顕在化する機能があるように思えます。」と答えます。英語に「Intuit(直観する)」という表現がありますが、マーケッターにとって、最も重要な資質は、この「直観的な洞察」で、これがないと費用や時間をかけて実施した調査データは、単なる数字になってしまいます。てなことを考えながら、以下のような大統領候補の調査データを眺めています。
- Rasmussen Report (6/23-25): Obama 49 vs. McCain 45
- Newsweek (6/18-19): Obama 51 vs. McCain 36
- LA Times/ Bloomberg (6/19-23): Obama 49 vs. McCain 37
- Gallup (6/20-22) Obama 46 vs. McCain 43
- USA Today/Gallup (6/15-19): Obama 50 vs. McCain 44
- Fox (6/17-18): Obama 45 vs. McCain 41
- Economist/ YouGov (6/16-17): Obama 48 vs. McCain 44
USA Today/ Gallup (6/15-19)
- ヘルスケア: オバマ+25
- 経済: オバマ+16
- エネルギー/ガソリン価格: オバマ+19
- イラク戦争: 同率
- テロリズム: マケイン+19
LA Times/ Bloomberg (6/19-23)
- 経済: オバマ+21
- イラク戦争: マケイン+2
- テロリズム: マケイン+17
ちょうど今週は、マケインのチーフアドバイザーのCharlie Black が、Fortune Magazineのインタビューで「またテロ攻撃が起きたら、これはマケインにとって大きなアドバンテージになる」と発言して大いに論議を読んだばかりで、オバマのWeakness(弱み)である「テロリズムとの戦い」は、Blackの指摘を聞くまでもなく、マケインのStrength(強み)として、数字にも表れています。ちなみに、Blackはすぐにこの発言に関して謝罪しており、マケインもこの発言を否認しています。
このPollsterのグラフを見ていると、両候補者への一般の感情の揺れのようなものが見えてきます。24時間365日のサイクルで、2人の候補者とそれを取り巻くスタッフや関係者の行動・発言が、オフ&オンラインで多くのWOM (Word of Mouth:クチコミ)を生んでいます。すでにコミットメントしているハードコアのサポーターは別にして、揺れ動くSwing voterたちは、そうしたWOMに影響されやすい人たちです。
グラフの曲線が安定してくるのはいつで、上昇カーブを11月まで維持できるのはどちらか? 中々目が離せません。