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サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



コロナ禍でのアメリカ生活㉙「マスク着用を政治的ステートメントとする愚かな党派的考えが、ここまでコロナ感染拡大を促した」

7/25/2020

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幸運なことに私達夫婦は、University of UtahのCOVID-19の調査プロジェクトに選ばれて(ランダム抽出)、PCR検査を2人で受けた。2週間後に、2人ともネガティブであることを正式に通知されて、まずはほっとした(無自覚症状でポジティブだったら、感染のキャリアとして他の人にデリバリしてしまうから)。事前にオンラインで2人の過去6か月間の行動やその他の質問項目に回答して、事前予約をとって、指定された日時に検査所(教会の駐車場)に向かった。ドライブスルーので、待つことなく指定の駐車場にさーっと入って、防護服に身を固めた担当者達がテキパキと作業していた。車の窓を開けて、鼻に綿棒をかなり強く差し込まれて(ちょっと涙目)、血液をスパッと採取され、ほんの5-6分で、車に降りることなく、さらっと終わった。彼らは個人情報を保護しつつ、私達をトラッキングすることも可能ということで、かなり顧客満足度の高いスムーズなオペレーションだった。

多くの州では医療従事者や検査員を守る防護服やツールの不足もあり米国はひっ迫している

私達の横のヘルスケアの保険会社の検査会場では、駐車場に入る車の長蛇の列ができており、担当者が車1台1台に検査目的を確認して指示していた。今コロナ感染の検査には、医師のReferralを持って行けばできる。但し、それを受けるために、車の行列ができており、夫はあの列には加わるのであれば、僕は引き返したと告白している。
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州や郡によって異なり、一概にこれはこれこれこうだと言えないのが米国であるが、リアリティはかなり悪化していると思う。7/25現在で感染者428万人、死者14万9000人という米国は、昨日の新感染者は3万人、新たな死者は477人とうなぎのぼりである。当然のように医療従事者やエッセンシャルワーカーに必要な防護服からツールまで不足しており、検査すら中々簡単にできない状況である。

パンデミック開始後4か月たってやっと現大統領はマスク着用の重要性をいやいやながら言及するという無責任さ

以下のグラフを見てほしい。YouGovとImperial College Londonの調査結果で、米国では、3月初旬は10%以下、4月初旬は30%、7月半ばで78%がパブリックでマスク着用と回答している。この数字の推移を見れば、如何にアメリカ人がマスク着用に関して、ためらいがあったがこれで分かると思う。
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理由は、マスク着用を現大統領を含めた共和党が政治的ステートメントとして扱ったことが大きな理由の1つとして挙げられる。それ以外には、マスク着用は感染拡大初期に保健当局者の見解が分かれていたことも挙げられるが、民主党の大統領候補のJoe Bidenがマスク着用の重要性を訴求することに、反対・対抗するツールとして、現政権はマスク着用は個人の自由という方便を使っている。この党派的な立場におけるマスク着用は、多くのトラブルや論議を巻き起こしている。
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3人目の死者まで出たマスク着用のトラブル

7月14日ミシガン州の郊外のコンビニエンスストアで、マスク着用を別の男性客から求められた男が相手を刺す事件が発生し、その男は逃走先で警官に撃たれて死亡している。これでマスク着用に関連したトラブルによる死者は少なくとも3人目となる。
Walmart、BestBuy、Starbucksなどは、小売店舗は来店客へのマスク着用を義務付ける措置を実施している。米国では少なくとも30州が何らかのかたちでマスクなどの着用を義務づけている。ただし、その実施は多くの場合、エッセンシャルワーカーである店舗の社員に任せられており、ソーシャルメディアには、社員がマスクを着けない客から怒鳴られている様子も投稿されている。Goldman Sachsは、全米でマスク着用を義務化すれば米経済の損失を1兆ドルいう試算を出している。

マスク着用とSDがリスク削減の大きなポイント

以下の表が示すように、マスクを着用し、他者とのソーシャルディスタンス(SD)の距離を保てば、感染するリスク削減は、着用せずにSDを無視する人達より大きく軽減できる。これは子供でも分かる理屈であり、科学的な事実である。これを過去4か月間認めずに、マスク着用とSDを政府レベルで奨励してこなかった現政権に対して、もう言うべき言葉も見当たらない。

​経済再開をする云々の問題以前に、公衆衛生の観点から、個々人にこの2つを義務付ければ、既に亡くなった14万9000人の死者のうち、何人が助かったのかと思うと、遺族の悲しみと医療関係者の悔しさが察せられる。実に愚かな政権である。
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大学はこの秋キャンパス再開のために学生の検査を実施する予定だが、このままでは検査ツール不足が悪化する


大学の動きも活発で、今秋にキャンパス再開のために、各大学の保健部門が主導して学生や教員やスタッフの広範かつ頻繁な検査を行う計画を打ち出している。但し問題は、検査キットを含む検査能力がこれに追い付くかどうかという点である。学生達もオプションがあるならば、キャンパスライフに戻りたいと切望しており、彼らの安全を確保し、ウイルス拡大を促す温床になるのを避ける方法について、現在議論されている。

​パーティやスポーツイベントには参加しないと学生達も発言しているが、何万人も生徒を抱える大学がどこまでこれらの学生全員を検査して、その後も彼らが公衆衛生を守るような行動をとれるかの保証はどこにもない。また大学生に限らず、小中高の学校再開も現政権は推奨しており、これらの学校が再開されると、今後は子供達によるクラスターが発生することは否めない。

国民を守ろうとしない現大統領を支持する人達が、現時点でも38%いるのがこの国のリアリティ

現政権の無責任さは、今に始まったことではないが、11月の大統領選挙まで待って、2021年1月20日の就任式まで現政権がこの国を導くと思うと、酷い頭痛に襲われる。コロナ禍に関して戦略がゼロという政権を抱えて、苦しむのは、医療関係者、エッセンシャルワーカー、既往症を持つ病人、保険のない低所得者層など、コロナ禍を避けようもない人達である。
​

馬鹿げた党派的な発言や行動を一切やめて、最低限の公衆衛生の基本ともいうべきマスク着用とSDの順守を市民に促し、国レベルで検査キットやツールの提供を十分に行うといったことをまず実行してほしい。
国民を守ろうとしない現大統領を支持する人達が、今でも38%(6/30時点のGallup調査)存在するという米国の現状は実に悲しい。
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彼らを主体にして2016年現政権が誕生した。あと4年間こうしたカオスの中で暮らすことは出来ない。どちらにしても、11月にはその答えを知ることになる。


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    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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