ひさみをめぐる冒険
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ひさみをめぐる冒険
サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



私のブログも「啓蟄」状態です

3/9/2009

 
米国は、昨日が「Daylight Saving Time (DST)」のスタートで、1時間早く時計を進めて、早くも夏時間状態に突入しました。私も長いブログレスでしたが、やっといろんなことがひと段落して、ブログの「啓蟄(大地が暖まり冬眠していた虫が穴が出て来る頃)」状態となったので、これからどんどんエントリしていきます。

こちらは雨期ですので、ずっと雨続きでしたが(カリフォルニアは雨が必要です)、週末から天気もよくなり、夫と2人で、フロントとバックヤードの手入れ(草むしり、芝刈り、木の剪定などなど)、洗面所の修理、家の大掃除、我が家の庭で咲き乱れる椿を生けて、自家製のチャードという野菜やステーキ&シーフードをグリルして、気分は主婦という感じでした(ガーデニングという格好の良い言葉ではなく、雑草との戦いです)。また懲りずに映画にも出かけて、ショーン・ペンがアカデミー主演男優賞を取った「Milk」をみて、さらに島を自転車で目いっぱい駆け巡って、太陽と潮風をエンジョイしました。

日本から戻ってきて以来、「早く人間になりたい」という言葉をつぶやいて「妖怪人間ベム」状態で、3つの原稿の締め切りと1つのプレゼンテーション、日本のスタジオで録音した私の講演のオーディオブックのレビューなどをしており、息をつく暇がありませんでした。またその間、夫は日本に出張で出かけて、すぐに戻るというあわただしさで、私は日本と、夫は東海岸、ヨーロッパ、日本という3箇所とコンファレンスコールをするため、自宅で2人ともヘッドセットをつけてしゃべることが多く、まるでコールセンター状態です。そんな旅芸人の一座のような2人ですが、週末で大分リセットして、やっと落ち着きました。夫は来週からまたしても3週間出張で家を空けるので、多分私は仕事とブログエントリにフォーカスします。

今回の日本出張では、久しぶりに日本時代の「記憶」がよみがえりました。1995年に米国に移住して以来、米国の社会・文化・言語、さらにインターネットやテクノロジー、またアントレプレナーとしてのビジネスなど、とにかく覚えなければならないことが多く、記憶のハードドライブにそんなに容量がない私は、通常は日本時代の記憶をほとんど思い出すことがありません。ところが、今回の日本出張で古巣の会社を訪れて、いきなり当時新入社員だった男性が「大柴さんには入社した最初の日に、営業局の共同使用の机をきちんと片付けていなかったことを怒られたのが非常に印象的です。学生気分の抜けなかった自分にとっては良かったと思います」と言われて、全然そんな記憶がない私はちょっと驚いてしまいました。また、今は局長ですが、新入社員当時最初に私の下に配属になり、私が彼の最初の上司だった男性は、私の姿を見るとなんとなく後ずさりするくせがあり、今回もいきなり背中を見せて逃げようとするので、「何で逃げる?」と私がからかうと、「しゃれです」と答えていました。普段、全然思い出さない記憶がこうした一連の昔の仲間に会って、よみがえり、何ともいえない懐かしさを感じました。その後、地下鉄の地下道を歩いていると、反対側のエスカレータからいきなり「大柴さんでしょう?」と、同じく古巣の会社から別の会社に移った人に声をかけられて、「どんなところでも大柴さんはすぐにわかりますよ」といわれる始末で、何ともいろんな縁がつながっていきます。

こうした経験をすると、思わず中国の「水を飲む時に、古い井戸を掘った人たちのことを忘れない」という言葉が浮かび、「そうだ、こういった昔の仲間たちが支えてくれたから、今の私に至るんだ。常にそれを思い出して感謝しないといけない」と実感しました。当時のビジネスはすべてアナログでした。まだ携帯電話もインターネットも存在しない時代で、ブログ、SNS、メール、IMといった概念すらなく、ほとんどが、F2F (Face to Face:対面)あるいは電話という手段を通じて、「人間同志が真剣につきあった時代」でした。そこには、生身の人間の感情が存在し、かなり濃密な関係論がありました。よくも悪くも、その濃密さが今とは異なるビジネスをうみだし、「信頼をベースにして、まともに怒れる関係」を構築していました。自分が、そんなアナログ時代を経て、現在のデジタル時代に移行できて、つくづく良かったと思います。アナログとデジタルの両方のPro & Con(良いところと悪いところ)を知るのは、非常に重要で、この2つの視点が欠けるとバランスを失います。

13年前に米国に移住した時は、日本とのコミュニケーションは、Faxが中心でした。米国企業の製品のPRのプロジェクトをしていた時、時差および日本の雑誌の編集者の勤務時間の関係で、彼らからのFaxがいつも米国時間の夜中過ぎになり、毎晩「ピー」というFaxの音に起されて、その返信のために、とんでもない時間に働いていたことを思い出します。今は、夫がBlackberryを枕元において、片時も話さずにメールチェックをしているのを眺めながら、Faxの「ピー」という音に起された13年前と、結果そんなに時代は変わっていないのかな?とも、思います。


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    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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