
週末は夫と2人で、大いに自転車でアイランドシティ「Alameda」を駆け巡りました。23マイル(=37km)という距離ですが、年始年末にかけての3週間は、この距離を週2回ずつ走り、後は毎日のように半分ぐらいの距離を走って、大いに太ももを鍛えました。昨日の日曜日は、26フィート(=8m)の小さなセールボート(Colgate)をチャーターして、我が家のある島からサンフランシスコ・ジャイアンツの球場のあるSouth Beach Harborまで、水しぶきをあげてきました。 昨日は満月の影響で、AlamedaのClub Nautiqueに戻る午後17時前後は最も汐が引く時にあたり、水深はマイナス状態で、ボートのキールがベイの泥の中にはまり、動かなくなってしまいました。さすがにちょっと心配になりましたが、夫が「最悪はこのまま1時間待てば汐が上がってくるから大丈夫だ」と言いながら、何とか向きを変えて、別なハーバーへの進路を取ることによって、無事にクラブに戻りました。大きなセールボートの楽しみもさることながら、このColgateのような小さなボートですと、Helm(舵)ではなくTiller(舵柄)で方向を操り、まるでカイヤックで水との距離を楽しむような気分が味わえます。週末は非常に暖かく、小さなボートでTack(タック:風上に向かって左右に45度ずつ向きを変えてジグザク進行すること)やJibe(ジャイブ:順風を受けている時にバウを風下に向きを入れかること)をしながら、夫と2人でサンフランシスコのピンク色の夕陽を水の上から楽しみました。
年末も同じくこの小さなボートで、Oakland Estuary(オークランド・エスチュアリ)に行きましたが、この時は、大型のコンテナー船が出港する時に遭遇して、コンテナー船の進行を妨げないように、数え切れないくらいタックを繰り返して、大型船の進路から逃れました。エンジンを使わずに、タッキングだけで振り切るのはかなりの運動で、私はTiller、夫はセールを担当していましたが、どこまで対岸に近づいて、進路を変えるかがポイントで、効率よくするためには、かなり岸近くまで行く場合もあり、狭いエスチュアリの中で緊張感が走り、「アドベンチャー状態」となりました。
ベイは、陸上のフリーウエイと同様に、タンカー、コンテナー船、フェリーボート、沿岸警備隊の船舶、タッグボート、モーターボート、観光船など、多くの船舶が行き来するパブリックスペースです。また、強風と強力な潮の干満や流れのため、熟練したセーラーでもちょっとした油断で、危ない場面に遭遇します。夫と私は、2005年に太平洋を半分横断してハワイのマウイ島まで、14日間かけてセーリングしました。その航海の際に、最後の日にマストが折れて、エンジンだけでマウイ島にたどり着いた経験があり、常に「海への畏敬」がアタマをよぎります。ベイをセーリングする時も、これは念頭においており、常に変化し続ける自然を決して「軽く見てはいけない」と思っています。
どんな時でも、無事にハーバーにたどり着いた時に、いつも帰れてよかったとつくづく実感します。チャーターボートの費用は、夫がメンバーですので45ドル(4500円)です。日本では中々この金額で「自然と対峙」するチャンスは少ないと思いますが、これはベイエリアに住む楽しみの一つです。