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サンフランシスコ・シリコンバレー在住マーケターのINSIGHT(洞察)



コロナ禍でのアメリカ生活⑥「Social distancingの辛さ」

4/1/2020

 
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隣りの家の駐車スペースでワイングラス片手に「Social distancingの辛さ」をダウンロード

昨日はお隣りさんがガレージの前で何かやっているので、10mぐらいの距離感で「お隣さん」と声を掛けてちょっとお喋り。彼女もSocial distancingが辛いらしく、夕方5時にガレージの前でワイン片手に話さない?と言う。お互いの距離は2m取ればいいけど、ビーチチェアを持って5mぐらいの距離を取りながら話すことに決定。向いの家族もチェアとワイングラス持参で、3家族が隣の家の駐車スペースに5m間隔で集合した。米国の家やガレージ、駐車スペースは広いから、距離だけは如何様にも取れる。彼女も含めてみんなが2週間のSocial distancingで溜まっているものを、一気にダウンロードし始めた。
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みんな個々人の生活の中で真面目にSocial distancingのルールを守り、外出の際のピリピリ感を話しながら、この状況を未だにシリアスに捉えていない人達の無責任な行動や行為に腹を立てていた。自分達が必死にルールを順守しても、そうした人達の無自覚で無責任な行為が全てを無駄にして、感染が広がることをかなり嘆いている。それにもまして、みんな具体的にF2Fでのソーシャルが出来ないことは、本当にしんどいと嘆いている。
勿論、自分達は自宅からリモートで様々なことが可能なので、実際に仕事としてフィジカリーに現場に行かざるを得ない人達に比べたら、格段のアドバンテージがあり一切文句を言える立場ではないが、この「人と接触するな」というルールは、「社交的な動物」である人間にとって、拷問のように精神的にキツイらしい。

世界で一番貧しい大統領と言われたJosé Mujica (ホセ・ムヒカ)氏の言葉 

人間は社交的な動物です。歴史を振り返れば、人間とは1人で生きられない、相互扶助が必要な奇妙な「猿」なのです。その性情は、人々は共通認識できる、社交的なハードディスクにインプットされています。それゆえに、「人間は政治的な動物だ」とするアリストテレスの主張は正解です。人は誰も「社会」に認められたいのです。

人間が1人で生きられない、即ち「孤独には耐えられない猿」であるのは、彼の言を借りずとも納得できる。私は過去20年間常にテレワークだったので、現在の状況は、仕事上で特別の不自由は感じていないが、やはり日本出張が出来ないのはこたえる。年3回、各々3週間、合計年間9週間は、日本滞在を過去25年間しており、これが出来ないのは精神的にしんどい。ソーシャルネットワークを使って、コミュニケーションしているが、やはり会って話したいというのは本音である。自分もやはり社交がしたい猿の1人である。

隣りの家の駐車スペースの和やかな会話に釘をさす私

昨日の隣の駐車スペースで、みんなが、夏のドライブ旅行は無理かもなどど、多少楽観的な気持ちで話している中で、私が「世界中がこのパンデミック収束に真剣に取り組み、全ての国が連携しない限り、これは収束しない。人間の社会・経済行動は、とんでもないぐらいに密接にグローバルでつながってしまい、1国だけが助かるみたいな話はあり得ない。またワクチンが一般に配布するまで18か月ぐらいはかかるから、この状態が来年まで続く覚悟が必要」言ってしまった。シーンとした中で、「でもこれはリアリティで、昔の良き時代のように、アメリカのモンロー主義みたいな政策はとれない」と、ダメ押しの釘まで刺してしまった。

Facebookで見かける、自分はコロナの陽性であるという告白の投稿。

多くの人達は自宅で、不安に苛まれながら、厳しい現実のニュースを見聞きして生活しているが、目立ってきたのは政治家や著名人もさることながら、私のアメリカの知人友人が、陽性と判明してどんな容態をたどったかを、Facebookで投稿し始めたコトである。私は、こうした勇気にいつも感銘を受ける。告白によって色眼鏡で見られる可能性があるのに、過去の2週間の容態の変化をきちんと事実として説明し、自分は今回復しているから、みんなも感染しても恐れる必要はないとPositiveに結んでいる。彼は、やはり多くの人達の不安の解消を図ろうとしている、これも大切な社会貢献である。特に彼みたいに、マーケティングの世界にどっぷりつかって、生き方そのものが古い言い方だが、「トッポい(ちょっと気障で不良ぽい)」タイプだった人が、このような真摯な告白をする。彼の内面のうかがい知れない、新たな側面を知ることとなり、嬉しくなった。

「Peer Influencer(仲間うちで信頼されて影響力を持つ人)」の本当の言葉を聞くと安心する

今は、とにかくみんな不安で、誰かと話すことによって、その不安を解消したいという欲求がある。それは著名人や有識者の言葉では、埋められない、「自分が心から信頼できる仲間(Peer Influencer)」の本音の言葉を求めていると思う。だから罹患した友人の告白は響き、近所の友人達の悩みは他人事ではなくなる。コロナ禍という暴風雨の中で、みんなどのように生活し、生きて行くのかを模索している。改めて、みんなが再認識しているのは、家族、友人、知人など、自分の周囲を取り巻く、リアルの人達の存在だと思う。こういう仲間がいるからこそ、自分は楽しい生活が送れるんだと思い、彼らを大切に思う気持ちが増大する。

他の人を大事にして彼らを助けると、見返りを求めなくても、必ず良いベネフィットのブーメランが戻ってくる。
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まずは、「他の人をファースト」に考える、これは個人のみならず国家間でも必要だと思う。他の人を大事にして彼らを助けると、見返りを求めなくても、必ず良いベネフィットのブーメランが戻ってくる。お互いが緊密依存しあっているグローバルにおいて、人間は、国家は、孤立することは不可能である。最も困っている人達から助ける、というコトを前提に、政府には大ナタをふるってほしい。



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    大柴ひさみ

    日米両国でビジネス・マーケティング活動を、マーケターとして、消費­者として実践してきた大柴ひさみが語る「リアルな米国ビジネス&マーケティングのInsight」

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