- 多くのコメンテータは、これは、オバマの愛国心と人道主義のバランスがうまく取れたスピーチで、彼の最大の武器である「雄弁」を最大限に活かして、観衆を飽きさせる漠然としたテーマ(世界平和への連帯と協調、人種・宗教・民族による分離された壁の撤去など)を、真摯に受け止めさせて、成功を収めたと評価しています。
- ただし、「オバマの大統領候補ではなく市民としての発言」は、「オバマ個人の視点」であり、政治的パフォーマンスとして、シニカルに見る有識者もいます。
- NY Timesは、「オバマのイラクとアフガンの政策に関して、ドイツ政府とパブリックは、ポジティブ過ぎるリアクションだ」という指摘して、オバマがドイツで人気があるのは、「オバマがブッシュではないから」だと「アンチブッシュとしてのドイツ」を説明しています。
このスピーチの時に、対するMcCain(マケイン)は、オハイオ州のドイツビレッジにあるドイツレストランで、「マケイン流のドイツ経験」を行っています。彼は、「自分は大統領になってからドイツでスピーチを行なう。今は、石油価格と物価の上昇など国内で山積している問題に取り組むことが重要」と、オバマのベルリン・スピーチを強烈に皮肉っています。もちろん、彼のコメントは、多くの米国民が確かに感じていることで、彼のアプローチは決して間違っていません。ただし、ここでわざわざ同じ日にドイツレストランに足を運んで、オバマを批判することによって、メディアや一般の関心を買おうとする態度が、大統領候補として何とも情けない、そんな反応が聞こえてきます。YouTubeのマケインのヴィデオを見て、「即座にマケインのキャンペーン戦略家を首にすべきだ」というコメントもありましたが、私も同感です。
7月22日に発表されたThe Telegraphの調査によれば、ドイツ人の間では、オバマは67%、マケインは6%と、オバマは圧倒的な支持を取り付けています。
- オバマ支持:67%
- マケイン支持:6%