Obamamania(オバマファン)の私は、アイオワのObama(オバマ)の勝利を見て、もしかしたら「米国の山がかなり早い速度で動く」のではないかと思い、ニューハンプシャーの投票結果を食い入るように眺めていました。結果は、僅差でHillary Clinton(ヒラリー・クリントン)がオバマに勝ちましたが、今思うと、「山」は通常とてつもなく重く簡単に動かないものですから、11月にオバマが共和党の大統領候補に勝って、米国大統領になった時にこの言葉を使うべきだと思っています。
最近は、オンラインでさまざまな政治に関する記事、ブログ、コメント、ヴィデオなど、寝る間を惜しんで読んでいます(今仕事でレポートを作成中で昼間はそれにフォーカスして、朝方午前5時から8時までは私個人が非常に関心のあることリサーチをしています)。非常に気になったことは、アイオワで敗北したヒラリー(3位)が、彼女がサポーターの前で涙を見せて、大きなメディアカバレッジを集めたことです。これは女性が陥りやすい失敗の1つです。彼女はすでに他の候補者とのディベートでも、「米国初の女性大統領が生まれることは変革を実現することになる」と発言して、「女性」というジェンダーのカードを出しています。この涙も含めて、女性の中では(私も含まれます)こうしたジェンダーを政治に持ち込むことを好まない層があり、これは逆にそうした人の反発を生む可能性もあります。もちろん、この涙はヒラリーが初めて見せた人間的な面だったので、ニューハンプシャーの女性投票者の共感を誘い、勝利に結びついたと言われていますが、客観的に見て、米国大統領がフラストレーションやプレッシャーに押しつぶされて、感情的(涙や怒り)になるというのは、非常にまずいと思います。
もう1つ感情的なシーンを見て、かなり驚いたのが、ヒラリーの夫ビル・クリントン元大統領のオバマを非難する言葉です。メディアがオバマびいきであることにフラストレーションを感じている元大統領は、オバマのイラク戦争への発言やポリシーに関して反発し、「Give me a break. This whole thing is the biggest fairy tale I've ever seen(いい加減して欲しい。今までこんな御伽噺ような話しは聞いたことがない)」と、ニューハンプシャーの大学生の質問に答えています。このシーンは、かなり反発を招いており、常識から考えても、元大統領という立場の人が、こうしたフラストレーションをパブリックに見せるのは異常だと思います(ジョージ・W・ブッシュ現大統領の父親であるブッシュ元大統領が、こうした発言を息子のためにするとは非常に考えにくいです)。
政治は非常にエモーショナルなものですが、それをあまりにもあからさまに見せると、反発を食らうのは必至です。
オバママニアは、ニューハンプシャーの結果に、逆に、何とか彼をもっとサポートしようと気分を奮い立たせており、「山を動かす」ために盛り上がっています。共和党の候補者と対決する11月までの道のりは長く険しく、これからかなり強烈な非難や中傷も出て来ると思いますが、今は米国中がこの歴史的な大統領選挙に参加しようしています。