州レベルを通り越して連邦レベルで今回の事故調査を進めると政治家たちはわめいていますが、最もフラストレーションが高いのは、ベイエリアの多くの一般市民です。週末は数百の人たちが、オイルまみれの鳥たちの救助のためにおのおの近隣のビーチに駆けつけましたが、法令で特殊な訓練(24時間かかります)を受けていない人たが汚染物質を含むオイルに触れることは出来ず、追い返されています。彼らはそれではすぐに特殊な訓練を受けられるようにしろと要求したり、多くの人たちは、オイルに触れないでできることとして、鳥たちの洗浄と救助のためのタオルや食料の寄付、ビーチのゴミ拾い、オイルまみれの鳥や海水の撮影、海草の切断などをしているということです。
事故が起きた水曜日の午前8:30から、一般に通報があった午後4:49までのおよそ8時間のオイル除去の遅れは大きく、時間が経つに連れて、オイルはゴールドゲイトを抜け出して、どんどん太平洋上を北上しています。ボランティアの人たちは、湾岸警備隊や担当省庁の官僚主義に腹を立てており、目の前にオイルまみれの鳥が死にそうになっているのに、どこに電話しても誰も答えてくれず、結果自分でビーチに下りて鳥を助けたということも報道されており、エマージェンシーの際のボランティアワークの取りまとめや対応は、今後の大きな課題です。
バークレイ・マリーナだけで、196の鳥の死亡が確認されていますが、洗浄中の鳥も死亡する確率は非常に高く、一般の人たちの本音は、「早く動かないと汚染は拡大し、海洋動植物がどんどん死んでしまう」につきます。現在59隻のボート、937人のオフィシャルワーカーがオイルのクリーアップにタックルしていますが、2~3ヶ月かかると言われています。今回のような人災を今後どこまでプロテクトできるのかを、真剣に考えないといけないと、痛感します。
素人の考えですが、こうした事故を防ぐために、ブリッジの支柱には、最悪を想定して、船舶が近すぎた場合(何フィートが適切かどうかわかりませんが)、警報装置(巨大な霧笛の音)が鳴るとか、あるいはタンカーや大型コンテイナーの燃料(オイル)を保存しておく場所をシリコンで囲って、ぶつかっても穴が開かないようにするとか、何かテクノロジーによってこうした人災を防ぐ手立てがるはず?と真剣に考えています。もちろん、こうしたリスクマネジメントへの投資は優先順位が低くて、実現されない場合が多いと思いますが、自然とダイレクトに向き合う場合、真剣に考えるべき事柄ではと思います。