
すでにカリフォルニア州知事シュワルツネッガーも惨事の確認のためにサンフランシスコに到着し、今回の事故を「State of Emergency」と宣言して、一刻も早くオイル除去と、海洋生物の保護と救出、海の汚染防止のための作業を行うよう指示しています。
私が住むアイランドシティAlamedaのビーチも含めてベイエイリアの19のビーチは一般の立ち入り禁止となり、湾岸警備隊やオイル事故救出の専門船舶がオイルを海水から取り除いており、環境保護グループやボランティアの人たちは、オイルまみれの鳥たちの救助と鳥のリハビリテーションと洗浄に必死です。オイルの被害は、ベイだけにとどまらず、40マイル北上したオイスターで有名なTamales Bayまで広がっており、こうした救助作業がいつ終わるのか今の時点では予測できない状態です。
タンカーは、Cosco Busan といい、香港の会社が所有しており、タイタニックよりも大きい6万5,131トン、810フィートの長さで、ベテランのパイロット(水先案内人)が乗船して、なぜこの事故が起きたのか?、事故の原因は今のところ不明です。オイル流出のパブリックへの報告が、事故が起きてすぐにされなかったとして、市長をはじめ政治家たちも抗議の声を上げており、この事故の責任問題は大きくなりそうです。
サンフランシスコ湾の干潟は、環境保護区として指定されている場所が多く、こうした海洋動植物のサンクチュアリへの影響を、私も含めて多くの市民が憂慮しています。1996年に起きたシェブロンの4万ガロンのオイル流出事故の時には、オイルの除去のために、多くのボランディア活動も含めて、2年間かかったという経験もあり、今後のどうなるか、気になるところです。
サンフランシスコ湾は、多くのタンカーや貨物船が日々行き来する商業的にもウエストコーストで重要な役割を果たしている場所です。ただそれと海洋生物保護は共存しており、こうした人災による環境破壊の危険性は常にあるという怖さを改めて認識しています。
こうした事故に限らず、人間が地球で今のような生活をしている以上、地球はどんどん汚染されていく、これはリアリティのようです。「じゃーどうするんだ?」という声に対して、私は、自分で出来ることを実行していくしかないと思っています。
2年前にサンフランシスコ(正確に言うとAlameda)からハワイ(マウイ島)まで太平洋半分横断セーリングを実行した時、太平洋の真ん中で最も目立ったのは、人工的な白さの小さなプラスチックのショッピングバッグでした。大海原に浮かぶプラスチックの袋は、永遠と漂っているようで、なんとも嫌な思いをしたことを思い出します。あのプラスチックバッグのイメージがアタマにこびりついて、それ以降地球環境への意識が変わったような気がします。
とにかく自分でできることからやっていくしかない、そう思う人が1人でも増えれば、多少でもよくなるかもしれません。