メディアは過去3日間は、クリントンの「メディアバイアス(オバマに好意的なメディア)」のクレームに反応したかのように、オバマの発言や行動を厳しく追求しています。特に、問題となったのは、NAFTA発言(オハイオのディベートでNAFTAを見直すと発言し、これにカナダ政府が反発し、オバマのアドバイザーがカナダ大使館と話して、これはポリシーの変更ではなく政治的な発言であると話したことがリークされています)、公判中の地元住宅デベロッパーとの政治的癒着関係、米国の狂信的なイスラム指導者のオバマ推薦によるユダヤ人たちの反発などで、レポーターたちは厳しい質問を、彼に投げかけています。
こうした状況下でメディアは、有権者は投票所に行って最後の最後で、オバマからクリントンに変えたと分析して、「Buyer's Remorse(高額商品購入後に起こる感情で、自分の判断は正しかったのかと改めて考えて、後悔したり落ち込んだりすること)」が起きたと表現しています。私も3年前に現在の家を購入しましたが、確かに引越しの後、月々の住宅ローンの支払い金額と年間の不動産税の支払いに直面した時に、本当にこの家にこれだけのお金をつぎ込むことが正しいのだろうかと考えて、かなり落ち込んだのを記憶しています。昨日のクリントンの結果は、オバマへの熱狂的な興奮を味わった有権者が、はたと現実に立ち戻って、彼はそれだけの価値があるだろうか?という「Buyer's Remorse」に陥り、結果クリントンのカムバックをもたらしたと、報道されています。
私は、これは「Buyer's Remorse」でも、「Hangover(お酒の飲みすぐによる頭痛・吐き気)」でもなく、大統領候補者になるための健全なプロセスで、ネガティブなアタックや痛烈な質問などを経て、候補者としての資質が何回も試されて、結果より強くなって、本選挙に立ち向かう資格ができる、そこがポイントだと思います。
この2人の戦いを見ていると、ヘビー級のボクシングの15回戦の試合を見ているようで、ラウンドごとにかなり違う角度から殴りあい、もみ合いという感じで、確かに好ゲームなので、見ているものは熱狂します。まだまだ、ホワイトハウスへの道は長く、2人の歴史的なファイターはもつれ込みながら、最後までラウンドを迎えそうです。
しかし、2人とも本当にタフだと思います。