民主党大統領候補に指名が確定して以来、まだ2日しかっていませんが、オバマの政治献金に関するポリシーを民主党のDNC (Democratic National Committee)は受け入れました。
彼は、大統領選挙キャンペーンにおいて、Federal Lobbyists(連邦ロビイスト)やPAC(Political Action Commitee:政治行動委員会)からの政治献金を受けないというポリシーで、キャンペーンの「透明性」を最初から掲げていましたが、DNCはこのオバマのポリシーに、今日6月5日から従うことを発表しました。
これは、オバマが訴え続けてきた「ワシントンの"Special Interest"を排除する」という大きな目標の第一歩で、共和党のMcCain(マケイン)にとって、かなり強烈なパンチとなります。彼の周りには、ロビイストだらけで、何人かはすでにマケインのキャンペーンから、「Special Interest」とのコンフリクトで立ち去っています。オバマ支持者は、このニュースを受けて、ますます意気盛んで、オバマの本選挙に向けて献金に励むと、ブログ圏で騒いでいます。
オバマ支持者が、Hillary Clinton(ヒラリー・クリントン)を、副大統領にしたくない大きな理由の1つには、この政治資金の透明性にあります。ビル・クリントン元大統領は、彼のFoundationの建設資金の寄付者たちの名前を公開しておらず、元大統領と支援者のお金にまつわる疑惑は、民主党にとって大きな頭痛の種です。オバマのポリシーに賛同する支持者は、クリーンなお金の集め方と使い方を期待しており、大統領候補自身がクリーンであることと、ワシントンという政治家たちのコミュニティのクリーンアップも求めています。このニュースは、そういう意味でかなりのインパクトをもたらしています。
マーケティングの世界もそうですが、現在の消費者は企業のマーケティング活動に「透明性」を求めています。特に「Word of Mouth (WOM:クチコミ)」を主体にしたオータナティブなマーケティング活動は、従来のマスメディアを使った広告と異なり、誰がどのように関与しているかがわかりにくいマーケティング形態です。ですので、消費者が企業の関与を知らないで、あとでそれがわかった場合、「騙された」と感じて、失望や怒りを買います。どんな場合でも、「私はこういうもので、こういう目的で、あなたに話しかけています」といった、「身元の公開」をベースにしたコミュニケーションが非常に重要です。
そんなことを考えながら、このニュースを読んで、オバマの大統領候補になった2日目の仕事としては、これはかなり上出来だと思います。