独立記念日の花火も終わり、私は今、またコンピュータの前に座り込んでいます。
うちは、目の前をBelmont Slough(ベイの海水と真水が出会う場所)が流れ、San Mateo Bridigeも見える、いわゆるWater Frontで、ベイエリアの至るところで打ち上げられる花火が、自宅のLiving Roomから見られるラッキーなところに位置しています。Belmont Sloughの遊歩道にはベンチが設置されており、午後9時近くなるといろんな人たちが、花火見物で集まってきます。
2年前ぐらいまでは、独立記念日の花火は、セーリングボートでベイに出て、海上から見るのが我が家のTraditionとなっていましたが、最近はいろん な諸事情で、出来なくなりつつあります(一度、花火に最も近いSFのフェリービルディングの水際に碇を降ろして、花火を待っていたら、湾岸パトロールに危 険だからと注意され、最上のポジションを明け渡したことがあります。その場所の確保のために、身体が海に落ちるぐらい、ぎりぎりまでブイに近づき、離れ業 でロープをかけたことは今でも忘れません。花火の火の玉は、降ってくるし、エキサインティングでした)。
鍵屋・玉屋による両国の川開きの花火に限らず、世界でも屈指の花火大国日本に生まれた私としては、花火技術に関しては、いろいろな意見がありますが、アメ リカ人の花火が上がるだけで興奮するシンプルさには、けっこう脱帽します。ようは単純にお祭りの時の花火を見るコトが大好きで、大晦日や独立記念日のよう に、ムチャクチャに楽しい時に、欠かせないのが花火という気風です。ですので、日本のように夏の風物詩のような季語としての「花火」は存在しません。
1776年7月4日、独立宣言に署名しているアメリカは、今年で229歳ということになり、まだまだティーンネージャーの気分が抜けないという感じです。 私の母は2月11日生まれで、日本の建国記念日が誕生日です。建国記念日は、戦前は「紀元節」と言われ、『日本書紀』で初代天皇とされる神武天皇が即位し た日、紀元前660年2月11日が、日本の誕生日です。日本は、今年で2665歳で、かなりのシニア年齢の国となります。
有名なフランスもしかり、いろんな国で独立や革命を祝う日は、各々の国にとって、意味のある日となっています。独立記念日は、各々の国民が占領あるいは支 配されていた政府や国より、自力で自国の独立を勝ち取った日を意味し、屈辱からの解放や自由を謳歌する日でもあります。それと呼応するように、例えばフラ ンス革命を祝うフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」のように、歌詞は相当血なまぐさい戦場を歌い込んだモノがあります。これらは、日本では決して歌うこと をはばかるような歌詞で、改めて、独立あるいは革命記念日と、建国記念日の意味の違いを実感しています。
今晩、ワシントンで行われた行事では、グロリア・エステファンが、夫のエミリアとともに壇上に上がり、音楽家としての生涯貢献の受賞を受けていました。ラ テンミュージックが、独立記念日のお祝いの歌として、全米を流れていくのも、アメリカという国のテンポの速さを反映しているようで、良いなと思っていまし た。
彼女は、「America is a dream」と言って、「I love you」と言いながら、ステージを去っていきました。昨年の故レイ・チャールズによる「Ameica Thne Beautiful」も、9/11を経たアメリカの愛国的な気分を盛り上げるのに大いに一役買った気がしますが、今年のラティーノによる音楽は、米国の未来を予感するようでした。
まあ、なんだかんだと言いながら、「自国を素直に愛していると言える」国は、健康だと思います。