今朝、地元のニュースで気になったのは、米国ですでに認可を受け、現在European Commissionの認可を待っているOracle(オラクル)のSun Microsystems(サン・マイクロシステムズ)の買収の一件です。NY Timesが「サンはオラクルにとってソフトウエアの宝石のようなもの」と表現した、74億ドル(1ドル=100円の単純計算で7400億円)のこの巨大な買収は、新たな人員削減を意味します。昨日サンは経費削減のために3000人の人員解雇を発表しており、これによって7500万ドル(75億円)から1億2500万ドル(125億円)の費用を捻出する予定です。昨年11月に5000人から6000人の人員解雇を発表している中での追加の3000人は、かなり大きな影響を与えます。オラクルのCEOのLarry Ellisonは先月「現在のサンは毎月1億ドル(100億円)の金額を失っている状態なので、この買収を正式に早く済ませたい」と発言しています。2010年1月に決定が下されるということなので、財務的には大量出血をしている瀕死のサンの出血を1日でも早く止めたいと思うのは、Ellisonの本音だと思います。
オラクルが企業買収をした後、以下のように必ず多数の人員解雇が行なっています。これも競合や関連領域の企業を買収した際の必然で、2社間にオーバーラップする部分は多く、まずは真っ先にそこにメスが入ります。
- 2005年People Soft買収:5000人解雇
- 2006年Siebel Systems買収:2000人解雇
全米の9月の失業率が9.8%、カリフォルニアは12.2%と、採用状況は非常に厳しい状況です。四半期ごとの業績如何で人員解雇されることに慣れている米国人も、職種を変えても、希望条件を低くしても、何ヶ月間も仕事が見つからない現在の状況にはお手上げで、就職をあきらめる人も出てきています。そん中でのサンの追加の人員解雇の発表は、シリコンバレーを暗くする材料です。
明るい話題はないかというと、この厳しい経済環境下で「2人勝ち」という会社があります。GoogleとAppleの2社です。両社は四半期の業績を発表しましたが、Wired.comが指摘するように、両社とも景気後退もナンノソノで、Googleは16億5000万ドル(1650億円)、Appleが16億7000万ドル(1670億円)と、過去3ヶ月間の利益はこれまでの最高を達成しています。また、奇妙なことに両社の財務関連数字は双子のように良く似ているという点です。市場価値の時価総額両社ともおよそ1700億ドル(17兆円)、過去5年間の2社の純収益は、年間あたりAppleが51億7500万ドル(5175億円)、Googleが45億8000万ドル(4580億円)、過去4年間の両社の株価の動きも、以下の図のように非常に似かよっています。