もう一つの話題である、Microsoftの446億ドルのYahoo!買収のオファーは、Yahoo!の創設者・CEOのJerry Yangの「Yahoo!の価値はそんなに低くない」という発言とともに、第1回目は拒否されました。巷では彼のこの発言は、ポーカーの「ブラフ」のようなものだという評価もあり、Yahoo!は株主からの訴訟問題(株主利益を考えるとMSのオファーをYahoo!は受けるべきだという訴え)も含めて、このまま独立したままでビジネスをするのか、あるいはMS以外の企業との合併で危機的状況を回避するのかと、このテーブルの上に乗ったままのカードの動きを見つめています。
私は間接的に、Yahoo!およびMSの株主でもあり(私が持つ、テクノロジー業界を中心に投資しているMutual Fundには、両方の株式がかなり多く組み入れています)、買収の結果によって、2社の株価が上昇すればいいですが、かつてのTime WarnerのAOL買収のように失敗に終わる可能性もあり、買収そのものより、2社のビジネスの方が気になります。もちろん、シリコンバレーに住んでいる人間として、アンチMSの心情は、痛いほどわかりますし、このままYahoo!が独立した企業としてビジネスで成功するのが、最も望ましいカタチでもあります。
サンフランシスコ・シリコンバレーは、そんなこんなで買収劇が後を絶ちませんが、今日の買収ニュースは、AOLがサンフランシスコにあるソーシャルネットワークサイトBeboを、8億500万ドルで買収したニュースです。SNSの広告市場はeMarketerによれば今年16億ドルに達するといわれており、AOLはこの市場進出のためのMySpaceやFacebookについで人気のSNSであるBeboの買収に踏み切ったようです。3年前に夫と妻というスタートアップのカップルが始めたBeboが、今やキャッシュで8億5000万ドルで買われる、確かにここサンフランシスコ・シリコンバレーには、アメリカンドリームがまだまだあるようです。