そうです、住宅に関しては全米一高いと言われるサンフランシスコ・ベイエリアで、家を購入するという、愚かしく、ストレスフルな行動を取ることになりました。私が今住んでいるエリアは、ベイエリアの中でも、またさらに高いRedwood Shoresですが、夫が長年の夢であったマリン関連業界へのキャリアチェンジを果たしたために、ベイの向こう側East BayにあるAlamedaという小さな島に移ることを決めました。
ここは、NavyやCoast Guardの基地もあり、Oakland Portの一部として、ハーバーやビーチもあるマリン関連エリアで、19世紀末から20世紀前半の建物や住宅が多く残る、こじんまりとした島です。夫の所属するセーリングクラブ(Club Nautique) もあり、私たち夫婦にとってはなじみ深いタウンです。夫はすでに8月1日から働き始めており、毎朝4時半起きで6時には自宅を出て、Alamedaに毎日 通っています(彼の仕事は原則的には7時開始、午後3時終了ですが、時々潮の満ち干も仕事に影響するために、朝6時から仕事が始まる場合もあります)。
おとといの日曜日のサンフランスコ・クロニクル紙の特集は、住宅の異常な高騰を続けるベイエリアから逃げ出した人々の証言でした。彼らは、他の地域で手に入るQualityのある生活のために、生まれ育ったベイエリアを離れています。
確かにここベイエリアで子育てをする場合は、教育費(パブリックスクールではなく、プライベートスクールに入れる)を払いながら、3~4部屋のベッドルー ムを持つことを意味し、私でさえ考えただけで、その莫大なコストを考えると、逃げ出したくなります。実際に私の住んでいるRedwood Shoresで、2ベッドルームのコンドミニアムを購入するには、最低でも60万ドル(110円で計算すると6,600万円)は必要で、家となると最低で も100万ドル(1億1,000万円)という話になります。仮に他の州で60万ドルのお金があれば(例えばニュージャージーの郊外では)、1エーカーの土 地付きで5ベッドルームの家が購入でき、さらに近くにまともなパブリックスクールもあり、リビングコストの違いは歴然と現れ、当然生活の質はかなり向上し ます。
また、Home Hountingで最もストレスフルなことは、やっと見つけて気に入った家を、多くの競争相手のBuyerと一緒になって、Bet(入札)しなければなら ない点です。これは本当にストレステストのようなもので、Sellerの提示金額にいくらのせれば、この家が手にはいるのか?という厳しい闘いになり、感 情的なアップエンドダウンが激しく、Positiveな性格の人でも、かなりの失望や後悔の嵐にさらされるということです(私もすでにこのストレスの海に 入ったような気がします)。
こうした現象は、個人レベルの悲鳴のように聞こえますが、企業のビジネスにも直結しています。シリコンバレーでは、優秀なエンジニアが家族を抱えながら、 豊かな暮らしを維持できるほどの給料を支払うのがだんだん難しくなってきており、これにアウトソーシング問題が加わり、人材流出や企業移転などをもたらし ています。2人の子供を持つ私の知人の家庭でも、最近エンジニア1000人分の労働力をインドにアウトソーシングして、本社もEast Coastに移転という話が出てきて、そろそろクレイジーなベイエリアから逃げ出して、子供をきちんと育てるためにシアトルにでも住もうかと考えていると いった話も聞かされました。
いろんな人から、こんな話を聞かされていると、「家」という社会の基本となるFundarmentalな問題は、「人材の宝庫」であるベイエリア・シリコンバレーの屋台骨を静かに揺さぶり始めている、そんな気がします。
我が家も、本当に気に入った家が買える価格の範囲で、見つかるかどうかは何とも言えませんが、落ち込まないようにHome Hountingを続けていきたいなと、思っています。